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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第9章 再始動

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北-103

飲みにケーションは荒くれ傭兵や腹黒商人達御用達です。


[エール樽]と[竜の卵]の合同パーティーは治安維持事務所での顔合わせ、先輩治安傭兵による簡単な講習を経て、ハルピア巡回治安維持隊、北−103として登録された。


隊長はブレナ、私が副長での登録。

ブレナによると、北地区は比較的治安が良いので、新米が登録される事が多いらしい。


今は、当局から日当の他に渡された銀貨2枚を使って[魅惑の伯爵夫人]で懇親会を開いている。

飲み食いさせて親睦を深めさせようというのは、商人や傭兵らしい発想だと思った。


「[チャシブは竜人なの?]」

冷夏がリザードマン語で話かけている。

「[そうだ。竜の島、火蜥蜴の街のスラムの出だ。]」

「[レイカは竜人には見えないが、リザードマン語は、そこのリザードマンかぶれに習ったのか?]」


「[リザードマンかぶれってアヤメのこと?]」

「[そうだ、人間のくせにリザードマン刀下げてる奴は大抵そうだ]」

どうやら勘違いされている。

しかし、リザードマンかぶれって言われ方は初めてだ。


「[アヤメは竜人だよ。チャシブぅ。]」

冷夏が笑いながら話す。

チャシブが目を見開いてこちらを見る。


「[あんた、竜人なのか?竜人の気配がしないし、刀を下げていても独特の殺気がないからトーシロの人間だとばかり思った]」

私は苦笑いする。

私は、気配しないぐらいの出来損ないの竜人か……。

その通りなので怒りなどは湧いてこない。


「[見る目がないぞチャシブ。アヤメは達人だよ。]」


「ガールズトークはリザードマン語の決まりですか〜お姉さんも混ぜてください〜」

デポさんが新しい料理を運んできながら言う。


「[お姉さん?デポトワールと言えば、骨董品級の魔族だってスラムの子供でも知っているぞ]」

チャシブが恐れを知らない表現をする。

でも、確かにデポさんは名前だけは有名だ。

冒険者の店をやってるなどとは夢にも思わないが……


「[お姉さんから忠告です〜荷物運びのフリで通すなら〜足音がしないのはいけません〜]」

チャシブが顔色を変える。


「[あ、あんたは、いや貴方様は達人だったり、いたしますよね?]」

チャシブは足音立ててない自覚がなかった様だ。


「チャシブ、リザードマン語変だよ。」

突然、人間共通語に戻して、冷夏が突っ込みを入れた。


酒が入った[エール樽]の男達は怪訝な顔をしている。

デグだけが気にせずにジョッキを傾けていた。


多少なりとも親睦は深まった気がするが……。


「お姉さんは無理あるよぅ。大地母神の歴史の教本に載ってたよぉデポさん。」

……。

第一次魔王戦争はランドルト山脈から東方軍団が東進を始めたことが一般的には初戦とされているが、正確にはその10日前、南方軍団がイブスル王国を陥落せしめたのが初戦である。

そこには政略結婚に見せかけてイブスル王国の伯爵に嫁いでいた魔族シャンヴィル・デポトワールの果した役割が大きく……。

(大地母神殿編纂 歴史 第一次魔王戦争より抜粋)


私の黒歴史がまた1ページ。

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