前世(レイカ)の事
両親の趣味が、分かる人には、わかります。
(変なリザードマン語、いや日本語です)
『そう言えば冷夏。冷夏とは音はともかく字は変わっているな。』
『リザードマン語は文字にも意味があるのだろう』
『冷たい夏、農業的に見て、あまり良い意味にとれないが……』
「冷夏の名前の由来?酷いんだよこれが……語っちゃうぞ。」
「私には姉が一人いるんだけど、いや私が前世では死んだから居たんだけど、う~ん、まぁどっちでもいいや。」
「名前は優子」
「両親が、ある大魔族の娘にあやかって名付けたんだ。」
『冷夏の前世の世界に魔族は居ないはずだぞ。』
「違う次元には居るんだよ。マドウ。マドウだってアプリだから、同じ次元にいるでしょ?」
『すまない。時空に関係する理解が足りない様だ……。』
「話戻すよ。とりあえず姉の名前は優子。だけどそしたらこれが両親の両親、つまり私から見た祖父母に古臭いって大不評。」
「そこで私が産まれた時は両祖父母も交えて話あったが……決まらない。」
「結局役所への登録期限ギリギリになって、苦肉の策で籤で決める事になったんだ。変則的籤でね。」
「両祖父母、両親、から上がった候補の「千夏」「冷美」「心愛」「麻理鈴」「良子」「陽葵」「麦」の漢字をバラして壺に入れて3才の姉が引いたんだよ。引く回数も姉にお任せでね。」
「そして姉が二回壺から漢字を引き決まったのが冷夏だよ。」
『姉が二文字目、[麦]引いていたら、冷麦か。ちなみにどんな姉だったのだ?』
「姉は文武両道、才色兼備、8つの部活に席を置く万能超人なんだよ。渋谷歩くとスカウトされるし……。」
「私が姉より勝るのは、持ち時間短い将棋ぐらいかな?長い持ち時間は私の体力が持たなかったから。」
『将棋か……ちなみに冷夏の姉はどのくらい強いのだ?』
「う~ん、どうなんだろ?今度、呉服屋さんで開かれる大会で、アマチュアなのに本戦に出るって言ってたけど……」
『……冷夏、その姉に勝てるそなたは相当ではないのか?』
「ちょっと自信あったけど、そんなことなかった。アヤメと互角だし、そこそこだと思うよ。」
「う~ん。冷や麦か。麺つゆが出汁とる高級品になっちゃうよね?マドウ」
『食べる才能あるのは、間違いないな……』
一般的でない二次元の概念がマドウには分からなかった様です。
壺に漢字入れるのは、某大河ドラマに影響受けた誰かの発案でしょう。
ちなみに「麦」は2021年の名前ランキングの上位です。
猫の名前ですが(笑)
私の黒歴史がまた1ページ。
追伸
現実世界では、呉服屋さんで開かれる女性の将棋大会は非公式ではありますが、女流棋士も出場するハイレベルな大会です。




