グズグズ
冷夏は体力ついてきています。
若いって素晴らしい(笑)
「シャンヴィル・デポトワール様、お着きになりました。」
イブスル城に馬車が到着すると、護衛の兵士が大声で叫んだ。
ハーピー商会指し迎えの馬車が会見当日迎えに来てくれたんだけど、もちろん乗るのは魔族の2人のみ。
私とアヤメは徒歩で馬車に付き従ってきた。
馬車は、ゆっくり走ってくれてたけど、なかなかハードだったよ。
店での姿と同じ、エプロン姿のデポさんと正装をした魔王が降り立つ。
会見は極秘だから、デポさんが招かれた形式になっている。
デポさんも正装すれば良いのに。
簡易王冠を頭に載せた正装の魔王とエプロン姿のデポさん、いつもの冒険者スタイルのアヤメと私。
奇妙な4人組が城の奥に案内されて進む。
そうして城の中庭に差し掛かった時、上空から一羽のハーピーが舞い降りてきた。
「冷夏、種子島!」
アヤメが叫び抜刀する。
う~ん、一応早合に手を伸ばしたけど、準備してない火縄銃はそこまで早くは撃てないよ。アヤメ。
それに多分、あの怪鳥が会長さんじゃないかな?
抜刀したアヤメを見て城内の兵士が抜剣して駆け寄って来る。
(六ピョコピョコ)×2(使2残98)
やっぱり怪鳥さん、もとい会長さんだ。
警備を巡り、バタつく私達を尻目に会長さんは話かけてきた。
「[デポ、久しぶり、ハーフエルフに料理仕込んでるんだって。商会の料理長がスカウトしてくれって言ってきたぞ]」
「[アナ、いきなり出てくると、護衛に撃たれますよ〜。料理長に言ってあげて下さい〜。ケチらずに良い小麦使えって〜]」
デポさんと会長は囀る様に聞こえる、ハーピー語で雑談をしている。
「[輸入した最高級の小麦使わせてるぞ]」
「[人間産のでしょ〜、魔族小麦に比べ劣りますよ〜]」
「2人で、何を話してる?」
一人だけハーピー語が理解できないアヤメが、納刀しつつ小声で訊いてくる。
「小麦の品質についてだよ」
レイナがアヤメに答えた。
それより相手の警備兵さん達を蛙から戻してあげてレイナ。
『(人間に戻ったら、大半は全裸発狂だぞ、魔王には刺激が強すぎないか?)』
「(でも、早くしないと何人かカラスに食べられそうだよ。)」
その後、中庭は大騒ぎになったが、デポさんと会長は平然と話していたし、レイナは大笑いしていた。
「これ、私達の護衛いらないよね?冷夏」
アヤメ、仕事を投げないで。
騒ぎは別の案内の人が来て声をかけてくれるまで続いた。
空飛ぶハーピーだからアナ。雪の方ではありません(笑)
私の黒歴史が、また1ページ




