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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第8章 哀れな生き物

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グズグズ

冷夏は体力ついてきています。

若いって素晴らしい(笑)

「シャンヴィル・デポトワール様、お着きになりました。」

イブスル城に馬車が到着すると、護衛の兵士が大声で叫んだ。

ハーピー商会指し迎えの馬車が会見当日迎えに来てくれたんだけど、もちろん乗るのは魔族の2人のみ。

私とアヤメは徒歩(はやあるき)で馬車に付き従ってきた。

馬車は、ゆっくり走ってくれてたけど、なかなかハードだったよ。


店での姿と同じ、エプロン姿のデポさんと正装をした魔王(レイナ)が降り立つ。

会見は極秘だから、デポさんが招かれた形式になっている。

デポさんも正装すれば良いのに。


簡易王冠を頭に載せた正装の魔王(レイナ)とエプロン姿のデポさん、いつもの冒険者スタイルのアヤメと私。

奇妙な4人組が城の奥に案内されて進む。

そうして城の中庭に差し掛かった時、上空から一羽のハーピーが舞い降りてきた。


「冷夏、種子島!」

アヤメが叫び抜刀する。


う~ん、一応早合に手を伸ばしたけど、準備してない火縄銃はそこまで早くは撃てないよ。アヤメ。

それに多分、あの怪鳥(ハーピー)が会長さんじゃないかな?


抜刀したアヤメを見て城内の兵士が抜剣して駆け寄って来る。

(六ピョコピョコ)×2(使2残98)

やっぱり怪鳥さん、もとい会長さんだ。

警備を巡り、バタつく私達を尻目に会長さんは話かけてきた。


「[デポ、久しぶり、ハーフエルフに料理仕込んでるんだって。商会の料理長がスカウトしてくれって言ってきたぞ]」


「[アナ、いきなり出てくると、護衛に撃たれますよ〜。料理長に言ってあげて下さい〜。ケチらずに良い小麦使えって〜]」


デポさんと会長は(さえず)る様に聞こえる、ハーピー語で雑談をしている。


「[輸入した最高級の小麦使わせてるぞ]」

「[人間産のでしょ〜、魔族小麦に比べ劣りますよ〜]」


「2人で、何を話してる?」

一人だけハーピー語が理解できないアヤメが、納刀しつつ小声で訊いてくる。


「小麦の品質についてだよ」

レイナがアヤメに答えた。

それより相手の警備兵さん達を蛙から戻してあげてレイナ。


『(人間に戻ったら、大半は全裸発狂だぞ、魔王には刺激が強すぎないか?)』


「(でも、早くしないと何人かカラスに食べられそうだよ。)」


その後、中庭は大騒ぎになったが、デポさんと会長は平然と話していたし、レイナは大笑いしていた。


「これ、私達の護衛いらないよね?冷夏」

アヤメ、仕事を投げないで。


騒ぎは別の案内の人が来て声をかけてくれるまで続いた。

空飛ぶハーピーだからアナ。雪の方ではありません(笑)


私の黒歴史が、また1ページ

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