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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第8章 哀れな生き物

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燻る塊

街中で戦闘すると、衛兵が駆けつけますが、大抵間に合わず、事後処理しか出来ません。


冒険者の店[森の若木亭]

クソ野郎が宿を取っている宿屋。

挑発する為に、赤毛と一緒に食事をする。

食事を終えたら、裏通りに誘導しよう。

(大丈夫、返り討ちに出来る。)

そう自分に言い聞かせる。


赤毛と関係したのは、こういう時に命懸けで戦ってもらうため。

「角を曲がったら走るわよ。」

角を曲がり、二人で走り出す。


[木人召喚]×3(使3残2)

[毒花粉の霧](使1残1)

前方に待ち伏せていたドライアード(見た目は全身緑色したエルフ)が中魔法を使ってくる。

待ち伏せとは……。

クソ野郎が行動を読んできた。


契約発動[魔術無効]

赤毛の片手剣が淡く光り[毒花粉]を打ち消す。

[火球](使1残6)

ドライアードを火達磨にする。

植物の精霊だけあり、絶叫しながら良く燃える。

木人も召喚主が消えたので無力化した。


「ジグ後ろからくるエルフを抑えて!」

赤毛に指示を出し魔術を使う。

[風の盾]×2(使2残4)

エルフの放ってきた矢が風で逸らされる。

私と赤毛にニ本づつ飛来していた。

エルフの連射技術は、やはり侮れない。


[高速詠唱](使1残4)

[蜘蛛糸拘束]×2(使2残2)

クソ野郎がエルフ魔法を使う。

馬鹿が……私の勝ちだ。

私は蜘蛛糸に拘束されつつも勝利を確信した。

[高温火球][使2残2]


契約発動[魔術無効]

片手剣がまた淡く光る。

赤毛への[蜘蛛糸]は霧散した。


クソ野郎は私の魔術で青い炎に包まれる。

断末魔の叫び。クソ野郎、燃え尽きるがいい。


[高速詠唱](使1残7)

[毒蜂召喚][毒蜂襲撃](使2残5)

赤毛が毒蜂達の襲撃を受け絶叫した。剣を取り落としたのを見て追撃がかかる。

[苦痛拘束]×2(使2残3)

赤毛は呻き声を上げて動かなくなった。

倒れるところを白髪のハーフエルフが支え、首に短刀を突きつける。

私も[蜘蛛糸拘束]に[苦痛拘束]を重ねられ手も足も出ない。


「久しぶりねミケ」

一瞬誰だかわからなかった。

昔とは髪色も印象も激変していた。

軽やかだった声も違う。

私は苦痛に耐えつつ声を絞り出す。


「……生きていたのね。チャバネ」

激痛、魔術を使う為の集中が出来ない


「裏切り者のお前を殺す為に冥暗から帰ってきたのよ。」

白髪の双眸が怒りに燃えている。


「ミケ、一つ答えて。貴女の養父、貴女の愛する先生は何処に潜伏しているの?」

「素直に話せば、この赤毛の恋人は見逃すし、貴女は苦しませずに殺してあげるわ。」


「……聞いてどうするの。」

今は時間が欲しい、時間を稼がないと。


「知らないの?エルフ共がヴァイゼナールに多額の賞金をかけているのよ。」

「居場所だけでも、哀れな生き物一匹が遊んで暮らせるぐらいの額を。」


「……」

考える込むふりをする。


チャバネが赤毛の胸を切り裂く

「この赤毛も災難ね。貴女が話さないと貴女より先に嬲り殺しよ。」


[高温火球](使2残0)


白髪と赤毛が青い炎に包まれる。

白髪の甘さが私を救った、苦痛に耐え集中する時間を与えてくれた。

チャンスは一度。

100 %殺す確実な魔術を奴にぶつけた。

赤毛を巻き込んだが、白髪を殺せない事は避けたかった。


魔術の効果時間が切れ、私は自由になる。

衛兵が来る前に姿を消さなくては。

赤毛と白髪だった黒い塊は、まだ燻っていた。

チャバネが喋っているのは、恨みが精神的外傷を上回ったからです。


皆さんお気づきかと思いますが、ミケはサイコパスです。

ミケ視点では、セリフで喋る事はあっても、内心で名前を呼ぶ事はなかったと思います。


作者としてはジグにお疲れ様と言いたいです。


私の黒歴史がまた1ページ。


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