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魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第8章 哀れな生き物

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秘密を知ったら

美少女に化けている訳ではありません。

姿かたちはそのままで、人間に化けています。

朝食後、アヤメと将棋を指していると

昨日から滞在している魔王陛下が話かけてきた。

ジグさん、ミケさんは朝からデートに出掛け、デグさんは中庭で筋トレしている。


この街の大地母神殿は、あまり規模が大きくなく、祈りの場としては良いが鍛錬場としてはイマイチ。

デポさんによれば、どの神様も街中の神殿は狭く、郊外に比較的、大きな神殿を持っているそうだ。

前世の都市部の大学みたいかな。


『冷夏、あの青紫の瞳の少女が今上の魔王だ。』

昨日マドウから初めて聞いた時はすごくビックリした。

魔導具で人間に化けているとはいえ、とびっきりの美少女。

確かに、高貴な雰囲気もあって近寄り難いオーラが出ている。

う~ん、美少女のお忍びかぁ。

[ハルピアの休日]とか思い浮かぶ。


「それは何をしているの?」

卓上の盤駒を興味深そうに眺めながら訊ねてくる。


「これは竜人族に伝わる[将棋]という卓上遊戯です。」

アヤメが答え、説明を始める。

ちなみにアヤメはかなり強い。

私が自信のある唯一の特技だったのに……。


「こんな遊戯まで……竜人族の真祖は、凄いね。」

「冷夏さん。貴女もそうなの?」

むぅ、私は違うよ。


「う~ん、そんな事はありませんです。魔王陛下。」

「私はマドウのオマケ。魔力電池みたいな者なんです。」

そうなんだよ。

この前、冷静に考えたら凄いのはマドウであって、私は駆け出し冒険者に過ぎないんだって気付いた。


「レイカさん〜、麻黄(マオウ)ってなんです〜、あなたは生薬喜ぶヒロインの薬師ですか〜、閉架(ヘイカ)ってなんです〜、ここは図書館じゃないんですよ〜、セバスさんは殺気出さないで〜」

アヤメとセバスと呼ばれた二人が席を立って身構えてる。

魔王陛下と私はキョトンとし、デポさんが飛んできた。


「部外者に聞かれたら消去しなきゃですよ〜。モーニングの混雑時なら大惨事でしたよ〜。やめて〜。」

デポさんの慌てぶりに、私と魔王陛下は笑った。そして、

「ごめんなさい。デポさん」

「デポ、ごめん」

同時に謝った。


「さて〜、秘密を知ったアヤメさん〜、用心棒の件は、おねがいしますね〜」

「秘密を知った厨房のペティは、(さば)いて、じっくりコトコト煮込みますのでご心配なく〜」

デポさん、スープ食べづらくなるから止めて。


「ひい!た、助けてください。ご主人さま。ひ、秘密は守ります。守りますから。」

ペティ君は真っ青な顔してガタガタ震えている。


「今までの貢献、(かんが)みて〜、煮込まれるか〜、それとも頭を(いじ)って皿洗いマシーンになるか〜、選ばせてあげますよ〜」

う~ん、デポさんの目が笑ってないのが怖い。


「デポ、赦してあげて」

魔王陛下がその様子を見て話す。

「頭をかき回して、記憶をいじるのもなしで。」


「わかりました〜レイナさま〜」

ペティくんは、[頭をかき回して]ぐらいで卒倒している。

ちょっとやりすぎだよ。デポさん。


「ところで、用心棒ってどういう事、アヤメ?」

その時初めてアヤメの懐事情を知った。

水くさいよアヤメ〜。

将棋は普通に日本の本将棋です。

デポさんの混乱ジョークは分かる方だけ笑ってください(なろう読んでる方で、知らない方はいないと思いますが)


私の黒歴史がまた1ページ。

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