小説家になろうのマイページの仕様が変わった所為(せい)でひとりのなろう作家が炎上退会することになりました。
注)この作品はフィクションです。
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(注意書き追加)
この作品は「★1がダメ」ということを伝えたいのではありません。
作品評価が他人に見えなくなっていると「勘違い」して、「ウラで態度を変えるコトの危うさ」について警鐘をならすものです。
個人的には★1~★5を使いこなして評価している人を尊敬しておりますm(__)m
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1
皆さん初めましてこんにちは。
私は【なろうネーム】を黒猫武蔵(クロネコムサシ)という者だ。
この前、私の身に起きた悲劇の話を聞いてほしい。
願わくば、同じ目に遭うものが1人でも減ることを願う――
2
その日、有名サイト【小説家になろう】にアクセスすると、あるお知らせが目に入った。
「マイページデザインリニューアルのお知らせ」
そのお知らせを見た私は、内容のチェックも疎かに、さっそく新しくなったマイページを確認する。
(ふーん……)
私はスマホユーザーなので、スマホでの感想になるが、次の様な感想を持った。
■良い点
・その人の書いたレビューが前面に来ている
■悪い点
・新しいデザインがキモイ
・その人の評価した作品が見れなくなっている
3
「いやいやいや。良い点1つだけかよ!」
そんなツッコミが私の脳裏に浮かんだ。
だが、個人的にはとても納得できる改善だ。
レビューは埋もれがちだったからな。
しかし、最悪なのは「評価をつけた作品一覧」のメニューが無くなっていたコトだった。
いや、見逃していないか?
何度も何度も上から下まで新しいマイページを見返してみる。
※(注)画像は全く私(黒猫武蔵)と関係ない作者のマイページです。
マイページに表示されているのはこんなメニューだった。
■マイページのトップに表示されているもの
・作者名
・自己紹介
・活動報告
・シリーズ
・作品一覧
・レビューした作品
・ブックマーク
・お気に入りユーザ
■マイページのメニュー(タブ型)に表示されているもの
・トップ
・作品
・活動報告
・ブックマーク
・
・
・
……やはりどれだけ探しても無い。
あのメニューが。
「評価をつけた作品一覧」が。
(運営さんよ、なんという改悪をしてくれたんだ!)
(あのメニューが無いと誰が、相互さんが、どの人が私の作品を評価してくれたのか、どれだけポイントを入れてくれたかが分からないじゃないかっッ!)
この時、私は正にこんな絵文字状態だった。
↓
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OTL
4
暫くそうして呆然としていた私だったが、ある想いと共に復活した。
(いやまてよ。コレはコレで有りかもしれない……!?)
どういうことなのか。
つまりこうだ。
「お互いの評価ポイントを見えなくすることで、より公平な評価システムにしました」
――という運営からのメッセージなのではないか、と私は受け取ったのだ。
(そう考えてみると、コレは良いシステム改善なのかも知れない)
考えてみてくれ。
作者同士の不正なポイントを入れあう事件「相互評価クラスタ」問題とかが、今回のシステム改善で無くなるんじゃないか?
というか、互いに入れるポイントを監視しあえてしまう環境というのがイカガナモノだったんだ、という。
というワケで、私は今回のシステム改修を完全に好意的に受け入れるコトができた。
5
このような大きなシステム改良があったにも関わらず、なろうのエッセイジャンルは不気味なほど静かだった。
思ったよりも皆自然に受け入れたのだろうか……。
疑問に思いながらも、私はさっそくこの「自分が入れたポイントが他人から見えない」という仕様変更に則った行動を開始した。
具体的には、今まで相互さんに入れてきたポイントをシビアに見直していったのだ。
「うーん。改めて読むと★5ないな。★4にしよう。コレは★3」
ここまではギリギリ許されたかもしれない。
この後が悪かった。
私的にライバル視しているA氏とB氏の作品に対して、全部★1にしてしまったのだ。
「A氏とB氏は最近調子にノッてムカつくからな。★1にしてやる」
その夜、私は久しぶりに快眠だった。
翌日、仕事場から帰宅途中に電車の中でスマホを開く私。
毎日の癒し時間である。
すると、「メッセージがあります」「活動報告にコメントが書かれました」「作品に感想が書かれました」「作品にレビューが書かれました」と赤文字が多数点滅していた。
「うん? 珍しく赤文字がたくさんだ。もしかして私にもやっと春が来たのかも……グフフ」
そんな浮わついた気持ちは、赤文字のリンク先を確認する度に吹っ飛ばされていった。
「えっ、えええ、コレって炎上している……!?」
それらは全て、私を批難する内容だったのだ。
6
「黒猫武蔵さんがA氏とB氏の作品を全部★1にしている件」
「黒猫武蔵さん何があったんですか!?」
「今までの黒猫武蔵と違う」
「もしかしてアカウント乗っ取られたんじゃ」
「いやそれならA氏とB氏だけ全★1にしている理由にならない」
「良くみたら、漏れの作品の評価も結構下げられている」
「この前絶賛レビュー書いてくれた作品が★2に下げられるんですケド」
「黒猫武蔵氏、気が狂ったモヨウ」
「あ、黒猫武蔵の割烹見たら『【評価をつけた作品一覧】が見えなくなったみたい』って書いてある」
「コイツ、勘違いして本性出したんじゃね?」
「黒猫武蔵さん、早く気づいて――――っッ!」
「やはり腹黒猫だったかコヤツは」
「あーあ、これは自主退会待った無し」
……なん、だ、と……?
まさか、メニューに残ってるのか?
あれだけ何回も見直したのに??
あ。
あああ――――ッっ!?
※(注)画像は全く私(黒猫武蔵)と関係ない作者のマイページです。
タブの部分を右スクロールしたら、ちゃんとあった。
「評価をつけた作品一覧」
私は泣いた。
7
だから、くれぐれもこの話を読んでくれた皆に気をつけて欲しい。
「評価をつけた作品一覧」のメニューはあるよ、と。
黒猫武蔵からのお願いです。
私はこうして【なろう】を去ることになったのだった――――
~BAD END~
最後までお読みくださりありがとうございます。
もしよければご指摘、ご感想など頂けますと成長に繋がります。
……内容的に大丈夫でしょうかね、コレ?
もしまずそうでしたら教えてください。
炎上コワイ((((;゜Д゜)))
(追記)
さっそく前書きに注意書きを追加しましたっm(__)m