A節-第2話 人を蹴るのは如何なものか
どうも柚子胡椒です!
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「水基 夢叶よ!」
そう夢叶は堂々と自己紹介(?)をする。
夢叶は仁王立ちしながら僕を見下ろすのだが…
先程からやや低めから夢叶を見上げているせいか、花柄の下着がスカートの中から顔を覗かせている。
「案外お子ちゃまなものを履いてるんだな。」
そうボソッ呟いた瞬間に身体がトリプルアクセルしながら宙に舞った。
…蹴られたのだ。
浅田真央もびっくりするような綺麗なトリプルアクセルを決めた僕は顔面から地面に突っ込む。
こいつどんな脚力してんだよ
「君はほんとにデリカシーってものが無いね…」
茹でダコレベルで赤くなった顔を背けながら呟く。
「僕はあいにく「デリカシー」とは仲が悪くてね、友達にはなれそうにないんだ」
「何馬鹿なこと言ってんのよ」
なんて馬鹿げた会話をしていると、僕は辺りに建物があると気づく。
「てか、ここどこだ?」
「ここは尾道よ、私の地元なのよ!」
「お前はまだ小学生ぐらいだろ。地元とか一丁前に言ってんじゃねぇ」
「なっ…!失礼な!私は高校生です!今年から立派な高校生です!てか夢叶って名前があるんだから夢叶って呼びなさいよ!」
「お前だって僕のこと「君」でしか呼ばないだろ!?」
「またトリプルアクセルを決められたいのかしら…?」
「やめろ、そんな簡単に決めてしまってはフィギュアスケートの選手も呆れ顔だ。」
正直トリプルアクセルはそんな簡単に決めれるものでは無い。意図も容易く決められては困る。
「んで、ここはなんの世界なんだ?現実世界でも無さそうだし…。もしかして!異世界とか…?」
「君、漫画の見過ぎね。友達居ないでしょ」
「今、全世界の漫画愛読者を敵に回したな?どうなっても知らんぞ。」
「ひぃ!?分かったからそんな顔して近づいて来ないで!」
僕はニヤニヤ顔をキメながら今にも襲い掛かりそうな変態役を演じる。
…あくまでも漫画で見た事あるからできるだけだ。
いつもやっている訳では無い。
「まあ、そんなことはさておき」
「さて置いとかないで!変態!」
夢叶はぷっくり顔をしながら怒る。しかしながらよく見ると可愛い。
『口を開かなければ』だがな
「とりあえずここがどんな世界だか調べないとな、少なくとも現実世界ではない。現に肋骨のひとつも折れやしない。」
「そうね…それより、なんで私たち以外に人が1人も居ないのかしら。不思議よね…」
「不思議というより…不気味だな」
誰もいない辺りを見渡すと夢叶があることに気づく。
「あれ…ここ確かに尾道だけど…」
「ん?どうかしたか?」
「いや、何か違和感があるなって思ったら」
夢叶は不思議そうに辺りを見渡した。
「現実の尾道と左右反転してるのよね…」
「お前頭でも打ったか?」
「失礼な!これでもちゃんと自分の街くらい覚えてるわっ!」
本日2度目のトリプルアクセルが決まった。
「だからそれやめろよ!痛いんだよ!」
「君が失礼なこと言うからでしょ!?」
そう会話している時だった
自分の身体が少しずつ消えていってるのだ
「え、ナニコレ」
「え、ちょ、待ってよ!」
夢叶は慌てふためく。そう、なぜなら僕がこの世界から消えると彼女がひとりぼっちになってしまうからだ。
そして
自分の身体は消え去った。
そして目を開けると夕焼けが窓から見えた
「んあ…寝てたのか。」
すると先程までの事を思い返す。
「あれは…ゆめか。夢叶だけに」
気のせいだろうか、ものすごく僕を罵倒してくる夢叶の声が聞こえた気がした。
「まあ、いっか」
その日は「現実世界」では何事もなく
夕飯を食べ、お風呂に入り、漫画を読み、寝る支度をして、漫画を読んで、寝た。
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