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懐古 プロローグ

別に特に理由があったわけではない。

ただ思春期特有の大人ぶりたい気持ちがあった。

あと1年早かったら、きっと納得していた。

あと1年遅かったら、きっと言わんとしていることも理解出来ただろう。

今ならそう思える。

ただあの時は黙って引き下がるほど従順ではなかったし、何か言い返せるほど冷静にはなれなかった。

ここまで長々と喋ったが言いたいことは、当時15歳の少年がちっぽけなプライドを傷つけられたと言うことだ。

結果的にはこの出来事も悪くはなかったと言える。

この事があったおかげで自分を見直すことが出来たし、これのおかげであの人に会うことが出来たからだ。

煙草を吸う大人のフリをした、子供のようなあの人と。

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