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【3章完結!】  ステータスダウンしかできない無能デバッファー。追放宣告を受けてしまったが実は最強デバッファーでした。  作者: 追放されるけど何だかんだでハッピーなのが好きな人
一章 無能と呼ばれる男
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無能 奮闘する part6

いよいよクライマックス

お楽しみください

「グブゥルォォォォ!」


自分の腹に不意打ちの一撃を受け、オークエンペラーがたまらず喘ぎ声を出す。今まで喰らった一撃の中で最も重い攻撃だった。


「ヒューく……」

「ミラーナ! 剣を貸してくれ!」

「っ!? 分かった!」


状況を全く飲み込めていないミラーナだったが、すぐさま返事に答え自身が持っていた剣を投げて渡す。何が起こったのか全く分からないが、ただ一つ分かっている事がある。



幼馴染は無事であったと。



「グフ……キサ……ガァァアァ!」



オークエンペラーの言葉を出しきろうとする前に、悲鳴が上がる。


「ちっ! 一撃じゃだめか」


悲鳴の原因は、自身の腕が剣で切り裂かれて発生したものであると、痛みを以てようやく感じ取ったのだ。


「ナゼダァ! キサマは瀕死の状態だったはず!」


オークエンペラーがギロリと目で睨みつける。数多くの攻撃を受け、立ち上がる事などできる状態ではなかったはずだ。


「悪いな。ああゆうのは慣れてるんでね」


剣を手に持ちながら、オークエンペラーの問いに対して返答する。


そうこの俺、ヒューゴにとってあの程度の暴力などこれまでの日常では当然のようにあった。


殴る、蹴るは当たり前。雑用はおろか、魔法や新技の実験台にされたり、魔物の囮にされたり、報酬の分け前を無しにされたり、これまで地獄のような日々を送っていた。


そんな俺が"たかがオークの蹴り"を喰らったくらいで戦闘不能になるなどあり得ないのだ。


(とはいえ上手くいって良かった。正直賭けの部分はあったからな)


耐えれたとはいえ"気を失ったふり"をして相手を油断させる作戦は、正直成功するかどうかは半信半疑だった。だが結果は上々。一方的に攻撃されていた展開から巻き返し、腹に一撃、切断まで行かなかったものの利き腕の筋を切り裂く事はできた。これであの腕は使い物にならないだろう。


「……良かった。本当に……」


俺が無事だった事に対し、ミラーナがほっとした表情を浮かべている。


(それはこっちの台詞だよ……)


まさか彼女が俺を突き飛ばして敵の攻撃から守ろうとしてくるとは思ってもいなかった。それでも俺は何とか足を動かし、何とか相手の攻撃からミラーナを庇う事ができた。そしてその攻撃を利用する事で気絶したふりをするという作戦を取る事ができたのだから。


「グブォォォ! ならキサマは気絶していたふりをしていたとでも言うのか!」


どうやら目の前のオークも俺の作戦に気が付いたようだ。


「気絶したふりをすればお前が油断すると思ってな。案の定、油断したお前は俺をいたぶるように蹴ってくれた。そして止めをさそうと隙を作ってくれたってわけだ」

「アリエヌ! オレサマの行動が読まれていたなどと!」

「俺を痛めつけようとしてくるのは分かってたぜ。なんせあんたの目、栄光の翼のあいつらと全く同じだったからな」


そう、オークエンペラー相手にこの作戦を決行したのには理由がある。栄光の翼のメンバーと全く同じ目をしていたのだ。

自分の実力に絶対の自信を持っており、自分こそが最強、他の者は自分の引き立て役にしかすぎない。弱い存在はただ自分の言う事に従っていればいい、鬱憤晴らしのサンドバッグにでもなっていればいい。そういう風に相手の事を見ているのだろうと。


(まさかこんな形であいつらに感謝する事になるなんてな)


栄光の翼の彼らと長い間行動していたからこそ、彼らのような傲慢な人種がどういう振る舞い、佇まいを取るか何となく分かるようになった。

そしてこのオークエンペラーという魔物は他の魔物と違い、言葉を話し、それを理解できる知能もある。普通なら厄介な相手だが、会話ができてしまったからこそ、相手がどんな性格であるか知る事ができた。

だからこそこうしてその性格を利用して不意の一撃を叩き込む事ができたのだ。


「さてと。それじゃあ、あんたの言った通り、終わりにしようぜ。最も俺は手加減とかは一切しないけどな。俺の大切な幼馴染を泣かせてくれた事、絶対に許さねぇ!」


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