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【3章完結!】  ステータスダウンしかできない無能デバッファー。追放宣告を受けてしまったが実は最強デバッファーでした。  作者: 追放されるけど何だかんだでハッピーなのが好きな人
一章 無能と呼ばれる男
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無能 奮闘する part5

とうとうここまで来ましたぞ!

激しい衝撃によって辺り一帯に砂煙が舞う。それはこの場にいる全員の視界を遮るほどであった。だがそんな光景も時間が経つにつれて変わっていく。徐々に砂煙が晴れ、視覚を通して正確な情報が目に入ってくる。


「そ……そんな……」


ある者がその光景を見て信じられないという表情を浮かべる。


「ど……どうして……」


"逃がした"はずだ。"身代わり"になったはずだ。本来なら敵からの一撃は"自分"が受けているはずだ。なのに自分の体には痛みが襲い掛かってこない。


「こんなの……嘘……」


自分がダメージを受けていない理由は明確。"敵の攻撃"を受けていないからだ。だがあの状況では、自分の力では回避する事ができなかった。


そう"自分の力では"


「こんなの嫌だよ! ヒュー君!」


ミラーナに攻撃が当たる寸前に、幼馴染の彼が身を挺してその攻撃を庇ったのだ。


「ヒュー君! ヒュー君!」


重い体を動かし、何とか幼馴染の元に駆け寄る。相手の攻撃を庇った事によるダメージの影響なのか、意識を失ったままぐったりと倒れこんでいる。いくら呼びかけても返事が返ってこない。


「ブッフォッフォ! ブッフォッフォ! 何とコッケイだ! まさか自らの身を犠牲にするとは!」


その光景を見たオークエンペラーが我慢できないのか、大声を出しながら笑う。


「足手まといが自ら犠牲になろうとしたというのに。それを庇ってオノレが犠牲になるとは。何と救いようのないソンザイよ!」


足を引っ張っていると自覚していた者が、自らが犠牲になる事で戦況を変えようとしていた。その機会を目の前で倒れている男はむざむざ見逃す行動に出た。それはオークエンペラーにとっては理解できず、愚かとしか言いようがない行動であった。


「ヒュー君!」

「ドケ」


必死に呼びかけていたミラーナだったが、オークエンペラーに腕を振り払われて体を飛ばされる。


「だがキサマはこのオレをコケにする真似をしてくれた。その礼はまだ返せていなかったな!」


この状況に追い込めたとはいえ、目の前の男にかなり翻弄された。何故か普通の殴り合いだとこちらが一方的に押される展開になったのだ。事実、広範囲で複数の相手を巻き込む戦い方でしか勝利をもぎ取れなかった事に対し、プライドを傷つけられていた。


「ムン!」


大きな足でヒューゴの体を踏みつけ、そしてボールのように蹴とばす。気を失っている相手に対し容赦ない攻撃を加えていた。


「ブッフォッフォ! どうした? その程度か?」


蹴り飛ばされて転がった体に続けざまに蹴りを入れる。オークエンペラーは自分の鬱憤を晴らすべく、相手の体をなぶっていた。


「ブグォ」

「やめなさい!」


静止の声がオークエンペラーの耳に入る。ミラーナが剣を手に持ち、戦いの姿勢を取っていた。


「そのような状態で何ができる? そもそもキサマが消耗していたのが全ての原因ではないのか?」

「っ!?」

「だからこそキサマの相方もこのような状態になったの……だろう!」


再びオークエンペラーがヒューゴの体を蹴って、ミラーナのすぐ近くまで飛ばす。いくらでも言い返したい事はある。しかしこんな状況になってしまったのは自分の力不足。自分が足を引っ張らなければここまで一方的にやられる展開にはならなかっただろう。


「蹴り遊びも飽きたわ。そろそろ終わりにしてやろう。ナニ安心しろ。メスのキサマはそこのオスに免じて生かしてやる。最も苗床としてだがな」


絶望という言葉がミラーナにのしかかる。剣を握ってはいるが、体力が回復していないためろくに振れない状態だ。こんな状態だと倒すどころか戦う事さえままならない。


「させない!」


だがそれでもこのまま黙ってみていられない。一太刀でも浴びせてやるという思いを胸に、何とか体を動かして剣を振るうがそんな攻撃が通用するはずもなく、軽く手であしらわれる。


「ジャマダ!」


手を振り払われ、体を飛ばされる。そしてオークエンペラーは斧を両手で握り、渾身の一撃を倒れる男に向かって振りかぶる。


「キエルガイイ!」

「駄目!」


もう駄目だ。今の自分ではあの攻撃は抑えられない。あの斧による一撃をまともに喰らえば人の体なと一瞬で粉々になってしまうだろう。この一撃で終わり。誰もがそう思っていた。









斧が直撃しようとした寸前、狙っていた"もの"が突然姿を消す









「たく……さっきからペラペラと」


攻撃が当たるギリギリのタイミングで倒れていた"男"が体を動かし、それを避けたのだ。


「うるさい魔物……だな!」


そして再び不意を突く形でオークエンペラーの腹に向かって拳の一撃を叩き込んだ。


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