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【3章完結!】  ステータスダウンしかできない無能デバッファー。追放宣告を受けてしまったが実は最強デバッファーでした。  作者: 追放されるけど何だかんだでハッピーなのが好きな人
一章 無能と呼ばれる男
90/325

無能 奮闘する part3

いよいよ90話

100話まであと数話です

もう少しで内容の方も一区切り行けそう

「グブォォォォォ!」


オークエンペラーは手に持っている斧を振るって攻撃を放つ。先ほどよりも重い一撃である事は一目見ただけで分かるくらいだ。


「させるか!」


俺はすぐさまステータスダウンの魔法をかけその攻撃を弱体化させ、難なくそれをかわす。そしてお返しと言わんばかりにオークエンペラーに向かって素手による一撃を繰り出すべく距離を詰める。


「っ!?」


"何か来る"。攻撃しようとする直前に、俺の本能が何かを感じ取り、無意識のうちに自身の身を引いていた。


「グブルァァァァァ!」


オークエンペラーが取ってきた行動は咆哮であった。だがそれは先ほどまでの威嚇のようなものではなく、魔力を込めて攻撃技として繰り出してきたのだ。


「くっ!」


咆哮が激しい衝撃破となって襲い掛かってくる。ダメージを抑えるために、防御の姿勢を取る。


「マジ……かよ!」


自身へのダメージを抑えている今でも、衝撃波によってもたらされる光景が嫌でも目に映りこんでくる。地面がえぐれ、辺りの木がバキッと音を鳴らして折れている。辺り一帯を破壊しつくす、恐るべき技であった。


「ブルルルゥゥゥ。思うようにチカラが出ぬ……。ウゴキが遅くなった事といい、よほど小細工が好きと見える」


どうやら俺のステータスダウンの魔法の効果を身をもって実感しているようだ。今俺がかけているのは攻撃力を下げる魔法。どうやらそれのせいで力を発揮できていないようだ。


(だが弱体化させてあの威力……。もしあれを素で喰らったら……)


弱体化させていたとはいえ、あの雄たけびによる攻撃はそれでも地面をえぐったり、木を折るほどの威力を持っていた。生身で喰らえばそれ相応のダメージを受けてしまうだろう。


「だが通常のコウゲキより有効のようだ」


鼻を鳴らし笑うように鳴き声を鳴らす。斧でただ殴りかかるよりも、範囲攻撃で押し切った方が得策であると考えたようだ。


「ソレニ、キサマが耐えれても、後ろの消耗したメスは耐え切れまい」

「っ!?」


威力が弱まっている事もあって、先ほどの攻撃くらいであれば何とか耐えられる。そして隙を見計らい、反撃に転じる事も十分可能だ。あくまで"自分一人だけ"なのであれば。


(そう来るかよ!)


だが俺の後ろにはミラーナがいる。彼女が普通の状態であれば、俺と同様にあの攻撃を捌くなど訳ないだろう。しかし彼女はこれまでの戦いで完全に体力を消耗しきっている、回復薬を飲んでもらいはしたがとても戦闘できる状態まで回復したとは言い難い。


「ブッフォッフォ! さぁかわしてみろ! 避ければメスに当たるだけだがな!」


オークエンペラーが今度は斧を横に大きく振るう動作を取る。すると竜巻が発生し、こちらに向かって襲い掛かってきたのだ。言動通り、明らかに弱ったミラーナを狙った姑息な攻撃であった。


「クソッ!」


思わずギリッと歯を食いしばる。普通のオークならば良くも悪くもここまで悪知恵は働かないだろう。しかし目の前のこの魔物はただ人語を話すだけでなく、相手の弱点を攻める、人間らしい嫌らしい攻めを見せてきたのだ。


「ヒューゴ!?」

「ミラーナ、ごめん!」


彼女の返答を一切聞かず、俺は彼女を抱きかかえて迫りくる竜巻から距離を取る。


「ヤハリ捨てられんか! 一人では何もできぬニンゲンらしい行動! 実にオロカだ!」


俺の行為に対してオークエンペラーは侮蔑の言葉を投げる。そしてすぐさま追撃の攻撃をしかけてくる。


「役に立たぬゴミなど捨てればよいものを。それをマモルがゆえに攻勢に出れぬとは! 実にオロカ! オロカなり!」


ミラーナを抱きかかえている状態の俺では相手に対してダメージを与える事はできない。逆に相手からすれば、攻めに転じる絶好の機会であった。


当然この好機を見逃すオークエンペラーではない。攻撃をかわし続ける俺に何度も何度も攻撃を放ってくる。


「グブルァァァァァ!」


それも避けやすい攻撃ではなく、辺り一帯を攻撃できる範囲攻撃ばかりでだ。オークエンペラーが叫び声を上げた事で、再び咆哮が衝撃波となって襲い掛かってくる。


「ぐっ!?」

「ヒューゴ!」


咄嗟に自分の背を壁にしてミラーナを庇う。そのため、咆哮による衝撃波の一撃をモロに喰らってしまう。


「グッフォッフォ! どうやら形勢逆転のヨウダナ?」


オークエンペラーの容赦ない攻撃に俺とミラーナは危険な状況に追い込まれてしまう事となった。


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