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【3章完結!】  ステータスダウンしかできない無能デバッファー。追放宣告を受けてしまったが実は最強デバッファーでした。  作者: 追放されるけど何だかんだでハッピーなのが好きな人
一章 無能と呼ばれる男
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討伐隊 任務開始 part10

今回カオスかも……


「「ブゴォォォォ!」」


光の魔力を帯びた斬撃がオークジェネラルたちを襲う。防具を身に着け、厚い皮膚を持つ彼らであってもその一撃を抑える事ができず、その攻撃を身に受ける事となった。


「おお!」


撤退せず未だこの場に残っていたウィズがミラーナの放った一撃に対し感銘を受けていた。


(これほど……これほどまでに差がありますの……)


一方でローナルはギリッと歯を食いしばっていた。騎士団内において自分が敵わない相手。それが目の前にいる彼女だ。知識だけで言えば自分の方が上だが、それ以上に彼女は自分よりも遥かに高い戦闘力を持っていた。

どれだけ鍛錬しても手に入らないであろう力。それを改めて見せつけられた事で嫉妬心が芽生えてしまう。


(それほどの力を持つあなたなら私の気持ちも分かるはず! それなのにどうして!)


最初は自分の勢力に入れてあげようと声をかけた。自分は大貴族の令嬢、当然周りの者は肩書目当てにお世辞を言って取り入ろうとしてくる。

自分にはそれだけの価値があると思っていた彼女だが、そんな中ミラーナという女性と出会う事となる。

知識も戦闘力も自分に負けず劣らずの優秀な逸材であることに加え、祖父が元騎士団団長である彼女ならば、自分と同格、良き存在としてこれからを一緒にやっていける。


そして自身もそれ相応の実力も地位もある。相手も同じ事を思っているはず。誘いを断るはずがない。そう思っていた。しかし彼女は微塵の興味も見せなかった。


自分が大貴族の令嬢であるという一言に対しても表情を変えず淡々と返答し、それどころか権力を使って強引な振る舞いはすべきでないと注意までしてきたのだ。


これにはローナルも怒りを覚え、それ以降はミラーナという女性に対し悪意を持って接する事となったのだ。だが彼女はそれに耐え、今こうして圧倒的な力を見せつけるほどの活躍をしている。


間接的にどれだけ自分が矮小な存在であるか示されたような気分になった。


「さすがはミラーナ様! 何と素晴らしい魔法だ。天才である私ですら驚きを」

「油断しないで! まだ終わってないわ!」

「「ブグォォォォ!」」


むくりとオークジェネラルたちが体を起こす。光魔法を付与した剣による一撃。かなりの威力だったがそれでもオークジェネラルを倒すまでには至らなかったのだ。


「心配無用です。私の魔法の準備ができましたからね。ここまで削れたのなら簡単に倒せますよ」


ウィズがニヤリと笑みを浮かべる。先ほどの攻撃でオークジェネラルたちは大ダメージを負っている。ここまで来れば自分の魔法で簡単に倒せる。そう信じているのだ。


「喰らいなさい! グランドクラッシャー!」


ウィズが放ったのは地属性の魔法・相手の頭上に巨大な岩を出現させ、それで相手にぶつけて潰す魔法だ。岩の巨大さを見たウィズが既に満足げな表情を浮かべている。


「「ブフォォォォ!」」


しかしオークジェネラルたちは出現した岩に見向きもせず二人そろってミラーナに向かって攻撃を繰り出す。自分が相手にされていない。そう判断したウィズのこめかみに筋が浮かぶ。


「力だけが取り柄の醜悪な魔物の分際で! これで決めてあげましょう!」


オークジェネラルに向かって巨大な岩をぶつける。潰してお終い。そうウィズは思い込んでいた。



ドガァン



何かが破壊された音がする。オークジェネラルたちは突進を繰り出し、何食わぬ顔でウィズが魔法で作った岩を粉々に砕いたのだ。


「はぁ?」


自分が時間をかけて唱えた魔法があっさり一撃で打ち砕かれる。その事実を信じれず、自分でも知らないうちに変な声を出してしまう。


「ウィズ様……これはどういう……」

「ありえない! 時間をかけて放った私の魔法が! どうして!」


ここまで擁護の姿勢を取っていたローナルですら怪訝な目でウィズを見る。当の本人は信じられないという表情を浮かべていた。


「まさか! このオークも変異」

「オークジェネラルは既に変異種! あなたの魔法が通用する相手じゃないわ!」


呆然とするウィズについにミラーナが厳しい指摘をする。


「あなたの魔法じゃオークジェネラルはおろか、オークナイトやオークメイジですら倒せないわ!」

「何をいって……これまで私は」

「そう……ね! ヒューゴがいたんだもの! 彼がいたならさぞ簡単だった……でしょうね!」


オークジェネラルの攻撃を捌きながら、ミラーナが言葉を投げかける。その言葉は到底信じられるものではなかった。


「ヒューゴの魔法は相手のステータスを大幅に下げる魔法。それがかかればどんな相手でも簡単に倒せるようになるもの。それが例えオークジェネラルでも……ね!」

「その殿方は……たしか無能と呼ばれていた」

「さぞ気分が良かったでしょうね! 簡単に魔物を倒せてちやほやされて。ストレス発散できる相手が身近にいたんですもの」

「お待ちになって。という事はウィズ様がすごいのではなく、本当はそのヒューゴという方が」

「嘘だ!」


ありえない。そんな事あってはならない。そんな思い、考えがウィズの頭を駆け巡る。


「ウッドモンキーの変異種? ワイバーンの変異種? 自分たちが勝てないから相手は変異種だと決めつけたのよね?」

「嘘だ! 嘘だ! 嘘だ!」

「これまで簡単に倒せた相手に負けた。それが認められなかったのよね?」

「嘘だ! 嘘だ! 嘘だ! 嘘だ! 嘘だ!」

「しかも自分たちの実力不足を認めるどころか罪をでっち上げて、ヒューゴを陥れようとしたのよね?」

「嘘だ! 嘘だ! 嘘だ! 嘘だ! 嘘だ! 嘘だ! 嘘だ! 嘘だ! 嘘だ! 嘘だ!」


頭を抱えながら同じ言葉を何度も唱えるウィズ。自分は天才だ。数年、いや数十年に一人の逸材だ。ここまで自分の魔法で簡単に魔物を倒し、気が付けば快進撃を続けるAランクパーティー、栄光の翼の一員となっていた。


当然それは自分の実力だ。それが実は自分が凡人で本当に有能だったのはあの無能であるなどとありえないのだ。


「ありえない ありえない ありえない ありえない ありえないぃぃぃ!」


信じがたい事実など受け入れられない。気が付けば大声で叫んでいた。その大声と同時のタイミングで再びミラーナは光魔法を付与した剣による一撃を放ち、今度こそ二体のオークジェネラルに止めを刺す事となった。


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