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【3章完結!】  ステータスダウンしかできない無能デバッファー。追放宣告を受けてしまったが実は最強デバッファーでした。  作者: 追放されるけど何だかんだでハッピーなのが好きな人
一章 無能と呼ばれる男
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討伐隊 任務開始 part3

幼馴染グサッと回

主人公不在の代わりに上手く動いてもらってます

「すっすごい……」

「あのキラータイガーを……」


複数人でかかっても苦戦し、中々倒せずにいた三体のキラータイガー。その魔物たちは、突然戦いに加わったある一人の女性騎士によって一瞬にして倒される事となった。


(何とか倒せたわね)


キラータイガーが倒れるのを見届けた後、ミラーナは戦闘の構えを解除する。倒せたとはいえ相手はBランクの強さを以てようやく倒せる存在。本来の自分の実力を存分に発揮したとしてもそう簡単には倒せない相手なのだ。

簡単に撃破できたのも、自分が後衛に回っている間に、他の者たちが前線で戦い続ける事で、相手を消耗させる事ができたからだ。


(ヒュー君の魔法があればもっと楽に倒せたのに……)


ふとここにはいない幼馴染の顔を思い浮かべる。ヒューゴと二人で魔の森に入り、キラータイガーを倒したのもつい最近の話。その時は相手の数が一匹だったのだが、それを考慮しても簡単に倒す事ができた。それこそ魔法付与無しに攻撃しても倒せるくらい余裕でだ。


(もう……どこで何してるのよ!)


今度はイライラが自分に募ってくる。彼の事だ。おそらく自分が騎士団によって拘束されたという情報は既に得ているはずだ。領主の屋敷にはあのヴァルトもいたが、当の本人は敗北したと言っていた。

となればおそらく捕まらずどこかに身を潜めているはずだ。


(迎えに来てくれてもいいじゃない……)


理不尽だと分かっていても、中々自分を迎えに来ない彼に対して怒りの感情を抱いてしまう。これが自分勝手であるという事も承知の上で。彼ならばすぐに自分の元に駆けつけてくれる、そう期待してしまうのだ。


「さすがは騎士様! 見事な一撃です! 素晴らしい技を見させて頂きました」


賞賛の声を上げながら自分の元に一人の男がかけよってくる。栄光の翼所属の男、ウィズだ。


「やはり騎士様というのは頼もしい。それもこれほどの美人ときた。天才の私ですら見とれてしまいましたよ」


この男は一体何を言っているのだろうか。こっちは顔を見せない幼馴染にイライラしているというのに。


「天才の私が相手を消耗させ、そこをあなたが止めを刺す。これほど素晴らしい連携はそう簡単にはできないでしょう。これも私が天才たるゆえ。そうに違いありません」


呆れて言葉も出ない。自分の目で見ていた限りだと、この男の放った魔法は小さな竜巻、それも簡単に避けられるほど速度が遅いものだった。しかもその魔法を詠唱をするために、大勢が懸命に時間を稼いでいた。どう考えても割に合わない。


「消耗って……。ウィズさんの使った魔法、ただのウインドストームだったじゃないですか!」

「あれだけ時間をかけておいてあの大きさ、あの速度。あれなら俺が撃った方がマシだ」


どうやら他の者たちも同じ事を思っていた様で、次々と反論し始める。


「な……この天才たる私の魔法を馬鹿にするのですか!? あの栄光の翼の一員である私を! 僅かな期間でAランクに上り詰めた私を!」


確かに先ほどの魔法は全員が想定していたよりも、大したことのない魔法だった。だがそれを放ったウィズはあの栄光の翼の一員、多くの好成績を治めてきたエリートなのだ。彼の言い分に他の者たちは言い返せずダンマリになる。


「これだから低能は。私よりもランクの低い馬鹿どもが私の魔法を馬鹿にする。呆れて言葉も出ませんね」


やれやれとウィズは肩をすくめる。その言い分に全員が言い返したいという思いがあるのだろうが、声を出す者は誰一人いない。事実この場において、最もランクが高い人物は紛れもなく彼本人なのだから。


「あなたたちは私より底辺の存在なんです。そんなあなたたちは私に意見しようなどと」

「いい加減、その口閉じてくれないかしら?」


他人を見下した態度を取るウィズ。そんな彼に対しただ一人、ズバッっと切り込みを入れる者がいた。


「い……今何と?」

「口を閉じろと言ったのだけど聞こえなかったかしら? ここは魔物もでるし決して安全な場所じゃない。そんな場所であなたのような男の話を聞いてる暇はないの」


ウィズに対し反論の声を上げたのはミラーナだった。


「失礼ですわよミラーナ様! あのウィズ様に対してそのような」

「あなたは黙っててくれないかしら?」

「なっ!?」


静止させようとした来たローナルに対し、ギロリと睨みつけ視線で相手を黙らせる。


「この男、世間で噂されてるほどの実力を持ってないわ。立派なのは口だけ。話をするだけ無駄。それは一緒に戦っていたあなたたちが一番実感したはずよ」


ミラーナの言葉を聞き、その場にいたギルドメンバーたちがうーんと考え込む。


「た……確かに」

「あの栄光の翼の魔法使いと聞いて期待してたけど……」

「思ったより大したことなかったよな」


中にはウィズの実力に対して疑問の声を上げる者も出始めたのだ。


「凡人風情が! この私を誰だと」

「ここで立ち止まっていては時間の無駄です。先に進みましょう」


怒るウィズの言葉を無視し、先に進むようミラーナが進言する。パーティーリーダーの男もそれに従い、そのまま進む事となった。


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