栄光の翼のその後 part8
これでいったん栄光の翼パート終わりになります
次回からは主人公と別れたミラーナ視点で話を進めていきます
追記
ざまぁ回を見て下さってる方へ
タイトルは違いますが
討伐隊 任務開始 part 以降でも栄光の翼のメンバーが登場します
よければそちらも見て行ってください
「……という案で行こうと思うのですがどうでしょう?」
宿に戻ったドヴォルとウィズは先ほど考えた案をステラに伝えていた。
「悪くねぇ話だ。これなら楽しめそうだぜ」
「とドヴォルは言っていますが。ステラ、あなたはどうですか?」
二人の話を聞いたステラはチャンスだと思った。一体どういう経緯でこういう事になったのかは分からないが、今の彼女の胸にはフォールの無念を晴らす。そのためにあの無能に仕返ししなければという思いがつまっている。
「いいわ、やりましょう」
考えるまでもなくステラはそれを了承した。
「そうと決まれば早速行こうじゃねぇか」
「そうですね。行動するにしても早い方がいいでしょう。何やらあの無能もこそこそ裏で動いているようですしね」
ドヴォルとウィズの二人は部屋を後にする。
「待っててねフォール。必ずあなたをこんな目に合わせた報いを受けさせるから」
ステラも宿にいた女将に後の事を任せ、三人揃ってまずはギルドに向かう事にした。
「でここからどうすんだ?」
「本当はギルドマスターに話をしたいのですが……今日も不在のようですね」
「ならいつも通り受付嬢に話せばいいわ。いきましょう」
ギルドの中に足を踏み入れた三人はカウンターにいた受付嬢に声をかける。
「あっ! みなさん、もう大丈夫なのですか?」
「フォールの容態も落ち着いてきたので……。それより話したい事があるの」
三人互いに顔を見合わせ、ステラたちは受付嬢にとある話を話し始めた。
「何と……恐ろしい事を」
「私としても信じられませんが。我々がこうなってしまったのはおそらくそのせいだと」
「そうでもねぇと俺たちがこう簡単にやられるなんてありえねぇからな」
ステラたちが受付嬢に話した内容。それはとんでもない内容だった。
それは今回、自分たちが被った被害。その全てを無能と呼ばれる男、ヒューゴに押し付けるというものだった。
まず自分たちのパーティーから追放されたヒューゴは、追放された事に対し逆恨みし、復讐の機会を伺う事にした。
そして自分と同じデバッファーを数人雇ってこっそり自分たちの後をつけ、魔物と戦闘している時にこっそり自分たちに弱体魔法をかけ、あわよくば魔物に始末してもらおうと考えたのだ。
魔物に倒してもらえれば自分たちは罪に問われないそう考えたのだろう。自分たちの調子が悪かったのも複数人で弱体魔法をかけられたとなれば納得がいく。それにあの無能以外にも自分たちの事を良く思っていない存在は少なからずいる。
なにせ自分たちは快進撃を続け、最短でAランクまで上り詰めたトップクラスのエリートなのだ。嫉妬する輩がいてもおかしくはない。
そしてワイバーンの変異種と退治した際に同行していた荷物持ちのおっさんもその一人で、隙を伺ってこちらを始末しようとしていた。何とかその相手は撃退したものの、相手が変異種だった事もあり、フォールが負傷する事となってしまった。
というありもしない事実をつらつらと報告したのだ。
当然信憑性に欠ける部分もあるが、自分たちはこれまで多くの実績を残している。何かあればそれを封殺する事も容易い。それだけの名声を自分たちは持っているのだから。
(あの無能を完全に消し去りつつ、あの役に立たない荷物持ちのカスを死なせた責任も我々が取らなくて良くなる。何と良い作戦なんだ)
ウィズは心の中で我ながら素晴らしい作戦だと自分の事を褒めていた。ドヴォルも無能に罪をなすりつけられるという一点だけで作戦に乗り、ヒューゴに報いを受けさせたいと考えていたステラも乗ってしまったのだ。
「分かりました。これまで譲歩してきましたがミラーナさんの件もありますし、すぐさまあの無能を指名手配しましょう。衛兵の方にも協力を要請しておきます」
「おお、それは何と心強い」
「それに加え、騎士団の方々も動いてくれるそうです。栄光の翼の皆さんのウッドモンキー変異種の報告が決め手になったみたいです。騎士団の方々にもその件について報告しておきましょう。今回あのヴァルトさんもいらっしゃるとの事なので」
「おお! あの人が」
騎士団のヴァルト。騎士団の最高戦力と言われている隊長の一人である彼が来てくれるのならば非常に心強い。
(これであの無能もお終いですね。衛兵に追われ、騎士団にも追われ。私たちの糧になれるのだからありがたく思ってください)
あまりにもうまく事が運んだため、ウィズは人知れず愉悦に浸る事となった。




