表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【3章完結!】  ステータスダウンしかできない無能デバッファー。追放宣告を受けてしまったが実は最強デバッファーでした。  作者: 追放されるけど何だかんだでハッピーなのが好きな人
一章 無能と呼ばれる男
54/325

無能 待つ

次回からなのですが

栄光の翼パート数話

その後は分かれた幼馴染視点で数話

となります


主人公に期待してる方ごめんなさい

しばらく別視点になりますがお付き合いして下さればと思います

「あー食べた食べた! ご馳走様」


デザートを食べ終え、レイシアは満足げに笑みを浮かべていた。


(痛い出費だったな……)


逆に俺は予想以上に出費した事に対し、心の中でため息をつく。まぁ協力費としてみれば決して高くはないのだろうが、中々痛いダメージを受けた。


「さて、これからどうしよっか?」


レイシアから次にどう動くか相談される。食事中は人混みに紛れていた事もあって衛兵たちに気づかれずにいたが、このままこの場に留まっていてはいつかは見つかってしまうだろう。


「まずはミラーナを助けに行きたい、力を貸してくれないか?」


俺が領主と会う機会を作ろうとしたために、ミラーナは騎士団に拘束される事となってしまった、まずは彼女と合流し、その後オークの群れをどう対処するか考えなければという所だろう。


「うーん。彼女を速く助けたいのは分かるんだけど、今は駄目かな」


俺の思いとは反対にレイシアは救出すべきでないと発言する。その言葉を聞いた俺は何故と言う前に彼女からジェスチャーで待ったをかけられる。先に話をさせろと言う事なのだろう。


「このまま彼女を助けに行くとなったら騎士団の人たちとの戦いは避けられない。となれば最悪、騎士団という組織を敵に回してしまう可能性がある。おそらく彼女は騎士団たちが借り上げている宿にいると思うけど、助けるとなればそこにいる騎士全員とやりあう事になる。ただでさえ衛兵に目をつけられて動きにくい状況なのにさらに動きにくくなるよ」


彼女の言葉を聞き確かにと俺は納得する。

ミラーナがどこにいるであれ、騎士団に拘束された以上、少なくとも彼女の周りには少なからず他の騎士団団員の者がいるだろう。こちらから彼女に会いに行けば必ず出会う。


普通の状態ならともかく、こちらは衛兵に追われてる身、しかも騎士団隊長であるヴァルトを倒してしまっている。そうなれば衛兵だけでなく騎士団にも目をつけられてしまう事になるだろう。


「という理由で今すぐ彼女を助けに行くというのはリスクが高いかな」


確かに彼女の言う通り、今ミラーナを助けに行くにはそれ相応の覚悟がいる。それこそ騎士団の面々を敵に回す結果になるかもしれない。それは俺自身も分かっている。


(ただ……それでも)


それでも俺は彼女を助けたい。ミラーナはパーティーから追放され、絶望していた俺を助けてくれた。しかも自分の身を担保にしてまで栄光の翼やギルド相手に啖呵を切り、俺の為に行動を共にしてくれたのだ。


(分かってる。これは俺のわがままだという事も)


元々こういう事態になったのもこれまでの自分の行動が原因だ。彼女自身何一つ悪い事はしていないし、むしろ被害者といっても過言ではない。だが、それでも再会した幼馴染と一緒に魔物と戦ったり、食事をしたりする時間はとても楽しい時間だった。


もう二度と味わう事が無いと思っていた時間。そういった時間を一度味わってしまった事で、俺の中で贅沢が身についてしまったのだ。


「あーその顔。何言っても無駄な顔だね」


やれやれと呆れた表情を浮かべるレイシア。どうやら知らぬ間に俺の思いが顔に出てしまっていたらしい。


「ごめんレイシア……。俺は」

「分かったよ。彼女を助けに行くって言うんでしょ? たださ、明日、明日まで待ってくれない?」


懇願するようにレイシアが言い寄ってくる。


「例の討伐隊結成の話。どうやら明日みたいでさ。実際に現地入りするのも明日みたいなんだ」


彼女が言うに、ウッドモンキーとワイバーン変異種討伐が明日行われるらしい。そのため、今日、明日で討伐隊のメンバーが抜擢され、その者たちがそれぞれ担当する場所に向かうようだ。


「騎士団の人たちもその討伐隊に加わるみたいだね。どうやら今日の朝にこの町に入ったみたいだ」


なるほど。先日までは姿を見なかった騎士団の面々が今日になって、姿を現したのもそれが理由だったに違いない。ミラーナも騎士団に要請の書状を送ると言っていたが、どうやらそれより速く、ギルドからの変異種討伐の要請が先に届いたのだろう。

そのため予想より速く騎士団がこの町に到着する事となったのだ。


「となれば彼女も討伐隊に参加するはず。その時にどさくさに紛れて合流しよう。それが簡単、安心、安全な策だね」


なるほどと俺は感心する。確かに彼女のいる宿に突撃するより、討伐隊として外にいる時の方が接触しやすいだろう。すぐに助けに行きたい所だが、レイシアの作戦は悪くない。


「それに……彼女の強さ。ヒューゴも知っているだろう? 万が一誰かが彼女に襲い掛かったとしても返り討ち確定だね。あのヴァルトでも彼女を相手にしたら無傷じゃ済まないと思うよ。彼氏なら彼女の事も信じてあげたら」

「信じる……か」


確かにミラーナの実力なら誰かに襲われたとしても返り討ちにできる。レイシアの言う通り、信じて待つというのも大切な事なのだろう。


「それじゃあ愛する彼女さんを信じて、今日は衛兵に見つからないように適当に時間をつぶそっか」

「そうだな。……って俺とミラーナはそういう関係じゃ……」


俺はすぐにでも助けにいきたいという思いを抑え、一日待つという選択を取る事にした。


(ミラーナ待っていてくれ。明日必ず助けに行くから……)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ