無能 観察する
いつの間にか前作の話数超えてた!
呪いの子と呼ばれ追放された少年 って奴で一応完結してます。
良かったら読んでみて下さい
本来魔物は人に害を及ぼす存在で、人も自分たちのために魔物と戦う。冒険者の中には魔物を従えて戦う事のできる者もいるらしいが基本は人と魔物は相容れない存在である。
だが魔物にもさまざまな種類がおり、彼らの敵は人だけではなく、別種の魔物と敵対する事もある。
「ワイルドベアとオークジェネラルの対決。中々珍しいものが見れそうだね」
「ヒューゴ。こういう時はどうしたらいいのかしら?」
ミラーナからどうすればいいのかと質問を投げかけられる。騎士団所属の彼女だが、魔物同士の対決を見るのはどうやら初めてのようだ。
「こういう時は様子を見た方がいい。下手に姿を見られたら二体ともこっちに襲い掛かってくる可能性があるし」
「まぁお互いにつぶし合ってもらって、弱った所をおいしくいただくのがベストだね」
さらっとえげつない事をいうレイシアにミラーナはえぇーと冷めた視線を向ける。確かに双方が争っている隙を突き、少ない労力で成果を出す事は悪い事ではない。実際にギルドのとあるパーティーが手柄を横取りするつもりで、別のパーティーと魔物が戦っているところに乱入したという事例が起こった事もある。
最もギルドは信頼第一の組織なので、それを行ったパーティーは厳重注意を受けていたのだが
「と決まれば静かに様子見」
「グルォォォォ!」
どうやら戦いが始まったようだ。先手を取ったのはワイルドベアだ。ゴツイ腕をオークジェネラルに向かって大きく振るう。
「ブフォォォォ!」
それをオークジェネラルは持っていた盾で防ぎ、攻撃をはじく。
「オークが盾を!」
「オークジェネラルは他のオークたちと違って知能があるから。武器や防具を装備して使いこなすのも難しくないんだろうな」
オークジェネラルが持っている盾は、自身の体の大きさに見合わないサイズではあったが、ワイルドベアの攻撃をはじくという役割をしっかり果たしていた。
「ブフォォォォ!」
今度はお返しと言わんばかりにオークジェネラルが反対の手で握っていた剣を振るい、ワイルドベアを切り裂く。ワイルドベアの皮膚は丈夫で致命的なダメージこそ与えられないものの、その身を着実に削っていた。
「相手がオークジェネラルとはいえやっぱりワイルドベアの皮膚は丈夫ね。あれだけ斬られても耐えるなんて」
「それを簡単に切り裂けるようにできる君はやっぱり規格外の存在だったって事かな?」
二人がジト目で俺を見つめてくる。確かに俺とミラーナがワイルドベアと戦った時は、今ほどの耐久性を発揮していなかった。
むしろミラーナがサクッと簡単に斬り倒してたくらいだ。
彼女の実力は先ほどのレイシアとの手合わせで思っていた以上にすごいものであると分かったのだが、どうやらそんな彼女を以てしても俺の力は規格外のようだ。
「グルォォォォ!」
攻撃を盾で阻まれ、じわじわと削られている状況を打破しようとしたのか、ワイルドベアは鼓舞するかのように雄叫びを上げ、オークジェネラルに向かって大きくとびかかろうとする。勝負を決めるために己の全力をかけようとしたのだろう。
しかしその攻撃はオークジェネラルに決まらなかった。そもそも発動さえできなかった。
どこにいたのか二体のオークが突然森の茂みから姿を現し、ワイルドベアの体に大きくしがみつき、その行動を抑え込んだのだ
「グルゥ! グルゥ!」
何とか振り払おうとワイルドベアが体を揺するが相手はオーク。知能こそないが力はある彼らにしがみつかれてしまっては、どうしようもできないのだろう。
そして身動きが取れないワイルドベアの前に剣を握ったオークジェネラルが少しずつ近づいていく。
「ブフォブフォ!」
まるであざ笑っているかのような鳴き声を出すオークジェネラル。そして身動きが取れないワイルドベアの喉を目掛けて、剣を大きく突き刺した。
「グ……グルォ!」
痛みに抗いながらも体を揺するが、二体のオークにしがみつかれているため身動きが取れない。そして絶命するまでオークジェネラルは何度も、何度も剣を突き刺す事を繰り返していた。




