幼馴染 手合わせする
主人公の活躍期待してたみなさんごめんなさい!
今回は幼馴染さんの見せ場になります
ちょいちょいこういった展開挟みますがご容赦を
もちろん主人公も主人公しますので
先に動いたのはミラーナだった。剣を振るいレイシアに向かって斬撃を放つ。
「こんな斬撃で私を倒せると?」
「思ってないわよ!」
放った斬撃は刀を振り払われてあっさりと弾かれる。しかし自身の攻撃を防がれると想定していたのか、ミラーナは斬撃を放ちつつも、距離を詰め、次の攻撃を放つための態勢を取っていた。
「やぁ!」
ミラーナの剣とレイシアの刀。二人の得物がそれぞれぶつかり合う事で、辺り一帯に金属同士がぶつかり合う音が響き渡る。
「へぇ……。さすがだね……」
「どうも。一応褒め言葉として受け取っておくわ」
「素直な賞賛だったんだけどなー。でも、こっちの力も見てもらわないと……ね!」
レイシアが刀に力を込めて振り払い、ミラーナの体を大きく吹き飛ばす。飛ばされたミラーナは吹き飛ばされながらも姿勢を正し、受け身を取ってすぐさま態勢を立て直す。
「まだまだ!」
今度はレイシアが距離を詰め、接近戦に持ち込む。
ガキィィィンとお互いの武器、剣と刀が何度もぶつかり合う。一方が斬りこんだと思えばもう一方はそれを受け流し、今度はお返しと言わんばかりに斬り返す。攻撃されてはそれを防ぎ、隙を見計らって反撃する。
どちらも譲らず激しい攻防を行っている。
「すごい……これが二人の力」
一人でやらせてくれというミラーナの言葉を尊重し、二人の戦いを見守っていたが言える事は一つ。
「レベルが……違う」
栄光の翼に属している時から、パーティーメンバー含め、多くの戦いを見てきたが、これほどの戦いは今までに見た事がない。自分を追い出した栄光の翼のメンバー、Aランクに昇級した面々と比べても異次元の戦いっぷりを見せられている。
おそらくあの二人のどちらを相手にしても、栄光の翼のリーダー、フォールはおろか、パーティーメンバーが全員一丸となっても勝てない。それも圧倒的大差で負ける。それくらい実力に差があるように見える。
「ここで、決める!」
均衡を崩したのはミラーナだ。先ほどまで打ち合っていた時と比べ、遥かに強大な力。それを剣に込めて振り払った。
「まだまだ!」
一振り、また一振りと重い一撃を放ち、徐々にレイシアを追い込んでいく。
「うわっ! それはマズイって!」
「あら? 戦いをしているのだから普通じゃない?」
「光属性の魔力を武器に付与して火力を上げるなんて! 本気すぎるよ!」
なるほど、どうやらミラーナは自身の剣に魔力を付与して火力を上げているようだ。
魔法は魔力を消費して放つ事ができる。力が無くても魔力があれば魔術師として戦う事ができるため、栄光の翼のメンバーであるステラやウィズも魔法を使った立ち回りを取っていた。
そして魔法には属性と呼ばれるものがあり、今確認されている属性は全てで八つ。
火 水 風 土 雷 氷 光 闇 が確認されている。
魔法はこの八属性で成り立っており、その中で光と闇は他の属性と比べ扱える人物が非常に少ないと言われている。
さらに一部の人間はただ魔力を魔法に変換して放つだけでなく、武器などにその力を付与する事もできるらしい。そうすれば目の前のミラーナのように通常よりも遥かに強力な火力を出す事ができる。
「ちょっとちょっと! それはマズイって!」
言葉の通り、レイシアはミラーナの攻撃を捌き切れていない。このまま戦いが続けばそのうちミラーナの一撃が決まり勝負を決する事になるだろう。
(でも何故だ……何故彼女は……)
笑っているんだ? その言葉を自身に対して自問自答してしまう。そう傍から見てもミラーナが押している状況。どう見てもピンチなのだが、彼女はそれを言葉で発するだけで、全く余裕の表情、あどけない顔つきをしている事もあって、まるで子どもが新しいおもちゃを見つけたかのような笑みを浮かべている。そんな風に見えてしまうのだ。
「なら降参する? 私としては速く終わらしたいから大歓迎なんだけど?」
「もう……本当にマズイなぁ……」
「だってこんなに強い相手と戦ってると……全力を出したくなっちゃうじゃないか!」
突然ブワっと辺り一帯に威圧感が放たれる。それを身に浴び思わず身震いする。レイシアと初めて出会った時に頭の中で鳴った警鐘。それが再び鳴った感覚に襲われる。
「まさか光属性の魔力付与までできるなんてね。元騎士団団長、あのオルディア将軍の孫だけはあるって事かな」
「っ! おじい様の事まで! あなた一体!」
「それだけの情報で驚かれたら困るかな」
威圧を放ちつつ、レイシアは自分の刀を大きく横に振るった後、両手でそれを握って祈りの態勢を取る。まるで何かに集中するように。
「はぁぁぁぁ……」
突然、寒気が肌を襲う。先ほどまで感じなかった寒さだ。どこからか冷気が突然現れ、気温に変化をもたらしている。発生した冷気がレイシアの刀に集まっているのを見れば、誰がこのこの寒さを発生させているのか明らかだった。
「魔力付与できるのは君だけじゃないって事さ」
先ほどまでとは打って変わり、屈託の無い笑顔を見せるレイシア。その姿に俺もミラーナも思わず身震いしてしまう。
「ふふ……。それじゃお遊びはここまでにして……力のぶつけ合いを楽しもうじゃないか!」




