栄光の翼のその後 part3
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今回から数話、また別視点になりますがご了承ください。
来週もできるだけ投稿頻度は落とさないようにしますのでこれからもよろしくお願いします。
魔の森でウッドモンキーに翻弄され、思った成果を上げられなかったフォールたちは、前回の失敗を挽回しようとギルドで依頼を受け、とある渓谷に足を踏み入れていた。
普段なら探索のメインは魔の森なのだが、変異種と遭遇した事もあって今探索するのは危険であると判断し、別の場所での依頼を受ける事にしたのだ。
フォールたちの報告を聞いたギルドも、Aランクの栄光の翼ですら対処できない変異種が現れたという情報にはさすがに驚き、すぐさまギルドメンバーたちに注意喚起を促すための行動に移る事となった。
「しかし魔の森に変異種が出現とはな。俺たちもついてねぇな」
「確かにそうですね。私達でも対応できない以上、あのウッドモンキーたちを倒せるのは私たちと同じAランクのパーティーか……、国の騎士団や他の組織、もしくはSランクパーティーくらいでしょうね」
腕に自信のある実力者は大勢いるが、その多くはどこかの組織に属している。その最たる例が冒険者ギルドだ。自分たちの実力がそのまま収益に直結するギルドでの活動は非常に魅力的で、多くの者が今もなおギルドへの登録をしにくるくらいだ。
他には国が抱えている組織、直近であればギルドに派遣されきたミラーナという女性。彼女が所属している騎士団は国に所属しているため、民や国のために働く事を主としている。
その活動の中には当然魔物退治も含まれているため、騎士団に所属している者たちはそれ相応の実力を兼ね備えているのだ。
他にはどこにも属していない組織があり、物の売買を率先して行っている商会、子どもたちが教養を学ぶために通う学院などの組織がそれにあたる。中には神を信仰しているという教会や暗殺ギルドなるものまであるらしい。
「俺たちで対応できない以上、ギルドもあちこちの実力者たちに声をかけるだろうな。それまでは魔の森に近づかず、別の場所で戦うのが得策だ」
「ちっ! 逃げるのは性に合わねぇが変異種が相手なら仕方ねぇ」
「ええ、少なくともこの渓谷でまた変異種と出会うという事もないでしょう。最も誰かが足を引っ張らなければですが」
ウィズがちらりと横を見ると、そこには荷物を背負いながら歩く一人の男が視界に入った。
「おいおっさん! 俺たちの足引っ張ったらただじゃおかねぇからな!」
「はっはい! 承知しています」
この荷物持ちをしている男はフォールたちが雇った臨時のメンバーである。ヒューゴを追い出した事で彼らの荷物持ち担当がいなくなり、魔の森探索では一番体が大きいドヴォルを説得する事で、何とかその番をさせていた。
しかしそれだとドヴォルは本来の実力を発揮できないという発言をしたため、こうして荷物持ちを雇う事となったのだ。
「ちょっとおっさん! しっかり歩きなさいよ! 後さっきからこっちをチラチラ見ないでくれる? キモイんだけど」
ステラが汚物を見るような目を荷物持ちの男に向ける。
「困るな。彼女は俺たちの大切なパーティーの一員。そんな彼女に対し不快感を与えるような行動はやめて欲しい」
「フォール……」
「ステラ。何かあったらすぐに俺に言うんだぞ」
「ありがとう!」
フォールの言葉にステラが笑みを浮かべる、性格こそあれだがステラは美人である。そんな彼女をフォールは無下にはできず、できるだけ彼女の意思を尊重するようにしていた。そしてフォールもまた整った顔たちをしているためモテる。
ステラもまたそんなフォールに心配される事を内心うれしく思っていたのだ。
(けっ! チヤホヤされてるからって良い気になりやがって!)
荷物持ちをしている男が内心で毒を吐く。この男はギルドでも良い結果を残せず、万年Eランクに所属している。そんな彼だが、たまたま栄光の翼が荷物持ちを募集しているという事ですぐに飛びつく事で採用される事に成功した。
しかし栄光の翼の面々は男が思っていた以上に酷いものだった。
快進撃を続ける最強のパーティー。世間からそう言われているが、荷物持ちとして少し付き合っただけで、彼らの内面が酷いものであると理解する事となったのだ。
「さぁ、今日の任務はワイバーン退治だ。みんな注意して進もう」
フォールたちが今日討伐しにきた魔物はBランク相当の魔物、ワイバーンである。鋭い牙や爪を持ち、翼で空を飛ぶ魔物で非常に手ごわい魔物として知られている。
「ワイバーン一匹狩れば終わりだろ? 変異種倒す事考えればずっと楽な仕事だな」
「それに加え、今回は急ぎの依頼という事もあって報酬も豪華でしたからね。非常においしいですよこれは」
「何でも貴族様からの依頼なんでしょ? ギルドも私たちのために取っておいてくれたみたいだし」
今回の依頼は、とある貴族が急ぎでワイバーンの素材が必要となったため、緊急でという形でギルドに依頼を行ったのだ。
緊急依頼は通常より期間が短く、急いでこなす必要があるのだが、それと引き換えに通常よりも多くの報酬が支払われる事が多い。
フォールたちはAランク、彼らであればギルドも任せて問題ないと考え、依頼を引き受けてくれないかとお願いしてきた。
高報酬の依頼である事に加え、過去にワイバーンを倒した実績もあったため、フォールたちは迷わず依頼を受ける事にしたのだ。
「よしここまで来ればそろそろワイバーンの生息地域に入る」
「一匹だけだから今回は楽だな。って事でおっさん! 早速行ってこい」
ドヴォルの突然の指示に荷物持ちの男はえっ? と疑問の表情を浮かべる。
「分かんねぇのか? ワイバーンを引きずり出すための囮になって来いって言ってるんだよ」




