無能 見つける
語尾に特徴あるキャラって書いてると混乱しますね……
平日明日一日、明日も何とか投稿できるよう頑張ります!
「ひぃ! 何アルか君たちは!? もう私は何も関係ないアル!」
「るせぇ! さっきから何訳の分からない事を言ってやがる! まずはお客様に謝罪だろうが! 皆様お騒がせしました。すぐさま片づけますので何卒ご容赦下さい」
慌てふためく店員に痺れを切らしたのか店主の男大声を張り上げつつも、店員が地面に落とした皿と料理を片づけ始める。
「あのーすいません」
「っと何だい兄ちゃん? わりぃな、せっかく喜んでもらえたってのに台無しにしちまって」
ミスをした店員に対して怒鳴った事で、食事の雰囲気を台無しにしたという自覚があったのだろう。店主の男が謝罪の言葉を口にする。
「実はその店員さんに用があって。多分店員さんがビックリしてしまったのも俺たちのせいなんです」
「こいつに? こいつはつい最近ここで働き始めた新人だぜ? 様々な魚の仕入ルートを即座に調べてきたってのには驚いたが、料理に関する事は素人もいいところだぜ」
魚の仕入ルートか。どうやら予想通りのようだ。何故この店で働いているのかは分からないが、持ち前の知識を活かした仕事をしているのだろう。
「や……やめるアル! 私何も知らないアル! 一介の料理人アル!」
「ぬぁにが一介だ! 包丁も握った事ねぇのに適当な事言うんじゃねぇ! 片付けしねぇならゴミでも捨ててこい! 兄ちゃんもこいつに話があるなら外でやってくれ。他の客の迷惑になっちまう」
確かにこれからの俺たちの事を考えるなら今ここで始めるのは得策ではない。店主の言葉に甘え、俺とミラーナは食事の料金を払い、ゴミを捨てに行く事になった店員と話す事にした。
「単刀直入にいう。あんたが情報屋だな?」
「ち……違うアル! 私ただの料理人アル!」
「ならどうして動き過ぎた魚って言葉にそんなに反応するのかしら?」
笑顔で店員に詰め寄るミラーナ。笑顔だが目は笑っていない。いやそれはそもそも笑顔ではない気もするが……。本来なら美人に詰め寄られるのは悪くない……むしろ役得なのだが今はただ怖い。幼馴染という事もあっておそらく俺は常人以上に今の彼女に恐怖を覚えている。
「何を言われても知らないものは知らないアル! 早く仕事に戻らせろアル!」
しかしこの店員も中々粘る。本当に情報屋本人ではない可能性もわずかにあるが、あれほどあからさまな態度を見せられては正直疑いたくもなる。
「分かった。なら一つ。一つだけ教えて欲しい事がある。それを教えてくれたら引き下がろう。俺たちは何も知らなかったし、あんたとは初対面だ」
「きょ……脅迫のつもりアルか?」
「あら? 脅迫と取るって事はあなたが情報屋本人ですと認めたって事でいいのかしら?」
店員はしまったという表情を浮かべる。どうやら完全に当たりのようだ。目の前にいるこの男こそ俺たちが探していた情報屋本人で間違いない。となれば何とか情報を手に入れたい。
「……ちなみに、ちなみに何の話を聞きたいアル?」
「ここ最近、魔の森で本来そこにはいないはずの魔物が出現しているという事例が発生してる。その原因を知りたい」
ストレートに自分たちの知りたい情報を伝えると店員はあごに手を添えうーんと考える素振りを見せる。
「その情報……その情報を話せば見逃してもらえるでアルか?」
「そうだな。それさえ聞ければ……」
「その情報が正確なものなら……ね。自分が不利な状況になった時って虚偽の報告をする人が少なからずいるのよね」
有無をいわさない圧を放つミラーナに俺はまぁまぁといいなだめる仕草を取る。彼女の様子を見た店員は完全に委縮してしまっている。虚偽の情報を出される可能性があるとはいえ、現状俺たちは、情報を得るための手段として彼を頼るしかない。
「魔の森の件、それについては本当に何も知らないアル。情報屋から足を洗ったからもう調査もしてないアルよ」
「知らないですって?」
「ひぃぃ! 本当に知らないアルよ! ただ、魔の森については一つ気になる情報が入ってきてるアル」
「気になる情報?」
「まだ確信もないし、噂程度で本当かどうかも分からないアルが、それでもいいアル?」
ないのかあるのか良く分からないが、それでも噂レベルであっても何かの糸口になるかもしれない。
俺とミラーナは情報屋から話を聞く事にした。




