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【3章完結!】  ステータスダウンしかできない無能デバッファー。追放宣告を受けてしまったが実は最強デバッファーでした。  作者: 追放されるけど何だかんだでハッピーなのが好きな人
三章 吹き荒れる風
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新領主の政策

アルシャの過去は一応今作のキー予定です

展開を見守っていただければと思います!

「これが私の身に起きた全てだ」


アルシャの言葉を聞き、どこか俺は親近感を覚えていた。


(そうか……アルシャは)


俺と似ている。そう思ったのだ。事情こそ違うが、自分がいた場所から追い出されてしまい、居場所が無くなった。それに対し俺は心のどこかで共感してしまっていた。


「すまないな。このような話をしてしまって」


そう言いながらアルシャが立ち上がる。


「これは私の……私たち家族の問題だ。だから私が解決しなければならない。好意はありがたいが、お前に迷惑をかける事はできな……」

俺に遠慮の言葉を投げかけそのまま部屋を出ていこうとするが、ふらつき壁に手を当てて何とか体を支える。


「少し休んだ方がいい。さっきの戦闘で消耗しているだろうし」

「お前に手刀を浴びさせられたから……か?」


その言葉を聞き、俺はうっと言葉を詰まらせる。あの場を離脱するためとはいえ、アルシャには悪い事をしたと思っている。とはいえいきなり相手に斬りかかるほど激昂していた彼女を、俺はああする事でしか止める事ができなかった。他にもやりようがあったのかもしれないが、あの時の俺はあの手段しか思いつかなかった。


(ん? 何か騒がしいな?)


何やら騒がしい音が聞こえる。気になった俺はまだふらついているアルシャに部屋で待っているように言い、様子を見に行く事にした。




「あれは……」


見ると宿の店主と武装した男二人と話している姿が目に映る。武装している男たちには見覚えがあった。


(確か町の衛兵だったな。そうしてこんな所に)


様子を伺っていると、向こうもこちらに気づいたのかこちらを見つめてくる。目が合った事もあり、俺は彼らの元に向かい話を聞く事にした。


「むっ!? お前は」

「確か栄光の翼の」

「厳密には元ですが……それより何かあったんですか?」

「聞いて驚け。新しい領主様から通達があったのだ。心して聞くがいい!」


通達の内容。それはとんでもない物だった。



今日よりこの町は新領主の元、管理される事となる。それに従い以下の項目を実施する。


・冒険者ギルドは廃止。魔物討伐などの依頼は全て駐在している騎士団が引き受ける物とする。

・この町での冒険者活動は一切の禁止とする。どうしても必要な場合は領主の承認を受けなければならない。

・町で商売活動をする場合、承認を得る事。ただし活動するにあたって店舗の移動を要請する場合がある。

・裏路地への在住、侵入を禁止する。この地は領主の管轄とする。



(おいおい、正気か!?)


衛兵から話を聞いた俺は驚かずにはいられなかった。裏路地や商売の件はともかく、ギルドの件については完全に横暴であるとしか言いようがない。就任式で騎士団隊長のウィンダが言っていた事が嘘ではなかったという事を実感させられる。


「愚かにもこの通達に反抗する者がいてな」

「Aランクパーティか何だか知らんが迷惑な話だ。無論、歯向かう者は拘束する事になっている」

「先ほども就任式で暴れていた者たちがいてな。何人かには逃げられたが、既に捕縛者も出ている」


このような内容。当然、ギルドの冒険者たちが納得するはずがない。先ほど就任式で抗議の声を上げていた冒険者たちもいたが、抵抗虚しく、捕まってしまったようだ。


「それと指名手配されている者もいる。見かけたらすぐ報告するように」

「指名手配?」

「アルシャとかいう女だ。何でも領主暗殺を企んだ不届き者らしい」


そして驚くべき事にアルシャは指名手配されてしまっていた。表向きは領主暗殺を企んだと言われているようだが、本人の話から察するに、邪魔な彼女を始末したいというのが本音だろう。


「何でも気が強い緑髪の女だそうだ。見つけたらすぐ報告するように」

「……分かりました」

「ふん。つい最近オークがどうとかで活躍したようだが図に乗るなよ。新領主様の前では貴様なぞゴミ当然なのだからな」

「それでは失礼する」


言いたい事だけをしゃべり、衛兵たちは去っていった。


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