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【3章完結!】  ステータスダウンしかできない無能デバッファー。追放宣告を受けてしまったが実は最強デバッファーでした。  作者: 追放されるけど何だかんだでハッピーなのが好きな人
三章 吹き荒れる風
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反逆する者たち part2

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続きものの気がしたので……

突然現れたかと思うと声を張り上げる女性に全員の視線が釘付けになる。


「貴様が犯した罪、それを償ってもらう! 家宝の剣も返してもらうぞ!」


アルシャが剣を抜き、その切っ先をレジオンに向ける。


(何かあるとは思ってたけど……)


どうやらあの二人は知り合いだったようだ。最も有効的な関係ではなさそうだが。


「き……貴様はアルシャ! どうやってここに!」

「あの森を抜けてきたのだ! 最も貴様はそんな事を予想もしていなかっただろうがな!」

「くっ! 小娘が生意気を!」


驚きながらも怒りの表情を浮かべるレジオン。その口調は先ほどまでとは違い、穏やかなものではなかった。となると先ほどまで住民たちに対して演説していた時の態度は演技の可能性が出てくる。つまりこの領主も何か"裏"がある人物なのではないかと勘繰りせざるを得ないのだ。


「おいおい、領主さんよぉ。さっきまでの態度はどうしたよ?」

「この嬢ちゃんが現れてから急に態度が変わったなぁ?」

「これは臭い匂いがぷんぷんするなぁ!」


冒険者の男たちも俺と同じ事を思ったのか、疑問を声にして投げかけている。


「レジオン卿、落ち着きたまえ。外野が何を言おうと君は領主なのだ。胸を張りたまえ」


そんな中、騎士団隊長のウィンダがレジオンに対し冷静になるよう注意する。領主たる者熱くならず、常に冷静であれという事なのだろう。


「そして目障りな害虫を払うのは私の仕事だ!」


その言葉と同時にウィンダが剣を振るう。すると強風が発生し、周りにいた者たちを吹き飛ばしたのだ。


「ぬぁぁぁ!」

「うわぁぁ!」


風に抗えず多くの者が吹き飛ばされる。


「ウィンダ様が魔法を使ったぞ!」

「我々も加勢するのだ!」


それを合図と捉えたのか、騎士たちも一斉に動き出し、反乱分子たる冒険者たちを拘束しにかかったのだ。


「やらせるかよ!」

「返り討ちにしてやらぁ!」


当然冒険者たちも黙って見ている訳がなく反撃する。新領主就任式の会場が、冒険者たちと、騎士団、領主の連合軍との戦いの場になってしまった。


(くそっ! とにかく止めないと!)


ギルドに加入している冒険者全員が参加しているわけではないが、Aランク相当の実力が参加している事は事実。相手にも騎士団隊長の地位についている男がいる。この場をすぐに収めないと、それこそ大惨事になりかねない。


「レジオン!」


アルシャも新領主であるレジオンと対峙し、戦闘を繰り広げていた。互いに剣を振るって攻撃を放ったり、受け止めたりしている。


「小娘が! 図に……乗るなぁ!」


レジオンが大きく剣を振るって風圧を発生させ、アルシャの体を吹き飛ばす。


「くっ!」

「貴様程度には勿体ないが、この剣の力……見せてやろう!」


剣を上に掲げ力を込めるレジオン。すると剣の周りに何かが纏わりつき始める。


「あれは……風の魔力!」

「これほどの力を持つ剣をただ飾っておくだけなど愚の骨頂! 貴様の父ほど愚かな者はそうはいるまい!」

「っ! 貴様!」

「消え去るがいい!」


剣に風の力を纏わせ、レジオンが渾身の一撃を叩き込んだ。


「ぐっあぁぁぁぁ!」


強烈な一撃がアルシャに襲い掛かる。その一撃を止めきれなかったアルシャの体は大きく吹き飛ばされる。


「なに!」

「なんだあれは!?」


さらに驚くべき事に、その衝撃の余波が近くにいた冒険者たちをも巻き込んだのだ。


「「ぐぁぁぁぁ!」」


巻き込まれた冒険者たちも吹き飛ばされる。


「何と美しい……これほどとは……」


その威力を見たウィンダが恍惚とした表情で感嘆の声を上げる。同じ風使いとしてなのか、その威力に惚れ惚れとしていた。


「ぐぅ!」

「何という威力!」


攻撃を受けつつも冒険者たちは何とか態勢を整えようとしている。彼らも実力者。そう簡単には倒れない。


「あの剣を……このような事に……」


ギリッと歯ぎしりしながらも、アルシャも何とか起き上がり、レジオンに目を向けている。


「しつこい奴らめ。だがもう一撃放てばそれも終わろう」


レジオンが持つ剣に魔力が纏わりつき始める。


「消えるがいい!」


再び先ほどの一撃を放とうとする。


「くっ! 間に合」

「何をしているのですか!」


だがその攻撃は通らない。抑え込まれてしまったのだ。俺がその場に行くよりも速く駆けつけた者がいた。レジオンの攻撃をミラーナが剣で受け止めていたのだ。


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