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【3章完結!】  ステータスダウンしかできない無能デバッファー。追放宣告を受けてしまったが実は最強デバッファーでした。  作者: 追放されるけど何だかんだでハッピーなのが好きな人
三章 吹き荒れる風
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反逆する者たち part1

ギルドの撤廃に騎士団の常駐化。とんでもない発言が、騎士団隊長のウィンダの口から飛び出した。


「はぁ!?」

「ふざけるんじゃねぇ!」

「何様のつもりだ!」


当然、反対する者たちがいる。ギルド所属の冒険者たちだ。今ギルドは活動休止中のため、依頼を受けられないという状況になっている。そんな中でも冒険者たちは自分たちなりに頭を使い、日々の生活を送っていた。再びギルドで活動を再開する時の為に。


「その件については、今ギルド長であるモスト様を"本国"にお呼びして話をしている。いずれ最終の通知もされるだろう」

「そんなの認められるか!」

「納得できるわけねぇだろ!」


ギルド長のモストだが、ギルド撤廃についての話をするために呼び出しを受けているようだ。


(おいおい、マジか……)


モストは今後、栄光の翼の時のような不正行為が行われないよう、徹底して組織を改革しようとしていた。それがまさか、組織そのものが無くなる方向に向かおうとは。これには俺もさすがに驚きを隠せずにいた。


「何を怒る事がある? "この町のギルド"が無くなるだけで、他の町のものが無くなるわけではない。君たち冒険者はそちらを活動拠点にすれば良いだけだと思うが?」

「何が他の町だ! そんな簡単にできるわけねぇだろうが!」

「別のギルドだとランクの更新とか色々大変なんだよ!」

「この町は故郷みたいなもんだ! そう簡単に割り切れるか!」

「お堅い騎士様には分からないだろうがな!」

「これは困った。快く受け入れてくれると思っていたが……」


ウィンダが本気で困惑した表情を浮かべている。様子を見るに、冒険者たちが言っている事を"全く"理解できていない。


「ああ、なるほど。そういう事か。君たちは他の町でやっていける自信がないのだな」

「「あぁ!?」」

「この町のAランクパーティ、栄光の翼と言ったか。彼らも口ばかりで実際は大した事のない者ばかりだったらしいね。つまりは君たちも"それと同類"。口だけの臆病者というわけだ」

「言ってくれるじゃねぇか……」

「その喧嘩……買ってやるよ!」


挑発するような言い回しをするウィンダに対し、ついに我慢できなくなったのか、冒険者たちが武器を手に壇上に向かう。彼らはこの町では数少ないAランクパーティの冒険者だった。


(確か変異種討伐の時は、別の依頼を受けていたって聞いてたけど)


活動禁止の影響を受けてか、彼らもこの町に戻ってきていたようだ。よく見ると、彼ら以外にもちらほら見た事のある者たちもいる。


「さすがによ。好き勝手言われて黙ってられねぇんだわ」

「ギルド長ならともかく、訳の分からねぇ奴の言う事なんか聞く義理もねぇ」

「別に俺たちも争いたいわけじゃねぇ。キッチリギルド長を通して話をするなら手を引いてやらぁ」


冒険者たちもいきなり襲い掛かるような真似はしなかったが、いつ争いが起こってもおかしくない状況になる。武装して構えを取る彼らを見て、控えていた騎士たちも武器を手に取り、すぐにでも反撃を取れる態勢を取っている。


「あれ……ヤバいんじゃねぇか!?」

「ちょっとちょっと!?」

「嘘でしょう!?」

「ひ……避難だ! 避難しろ」


この雰囲気に耐えきれず、集まっていた住民たちが一斉にその場を離れ始める。このままでは巻き込まれると判断したのだろう。


「ウィンダ様!」

「取り押さえますか?」


騎士たちもすぐに拘束した方が良いと考えたのだろう。ウィンダからの指示を待つ。


「下がっていたまえ。君たちでは荷が重い。私がやろう」

「ふむ……。となれば領主である私も黙ってみている訳にはいかんな」


騎士団隊長のウィンダ、そして新領主であるレジオン。その二人が得物である剣を手に取り構えを取る。ウィンダはともかく、新領主のレジオンも武の心得があるようだ。


「かかってきたまえ。君たちのような"害虫"を始末するのも私の役目なのでね」

「ここで我々が力を示せば、住民たちも安心できるだろう」


あの二人。どうやら本気でギルド冒険者たちと戦うつもりのようだ。


「ちっ! 舐めやがって!」

「こちとらAランクパーティやってんだ。甘く見た事後悔させてやらぁ!」

「おめぇら! ギルド長が帰ってくるまでにケリつけんぞ!」


相手の宣戦布告を受け取り、ついに冒険者たちも覚悟を決めたようだ。


(正気か!? ここは町の中だぞ!)


こんな所で争えば町がどうなるか分からない。被害が起こる事を想定してか、既に大勢の者が避難し始めている。


(あれだけの人数相手に俺の魔法が通用するか分からないけど……)


このまま迷っていても状況は変わらない。少しでも被害を抑えるために行動しなくては。


「アルシャ。君は避難……」


俺はアルシャに声をかけるが、その返事は返ってこなかった。その姿がいつの間にか消えてしまっていたのだ。


「見つけたぞ! レジオン!」


いつの間にかアルシャが壇上に向かい、領主たちと対面していた。


他メンバーのパーティの名前入れた方が分かりやすかったかも……

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