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【3章完結!】  ステータスダウンしかできない無能デバッファー。追放宣告を受けてしまったが実は最強デバッファーでした。  作者: 追放されるけど何だかんだでハッピーなのが好きな人
三章 吹き荒れる風
190/325

襲われる女性

ついに190話かぁ

後10話で200

頑張ります!

「近いね。どうする?」


近くで剣が振るわれている音。どうやらレイシアにもその音は聞こえていたようだ。どうするというのは様子を見に行くかどうかという事だろう。


「様子を見に行こう。どんな状況か分からないし」


おそらく何者かが戦っているのだろう。とはいえ音を聞いただけでは、何が起こっているのかは分からない。まずは状況を確認しなければと考え、俺とレイシアは戦闘が繰り広げられていると思われる場所に向かう事にした。





「はぁ!」


音のする方向に目を向けると、緑色の髪をした女性が、魔物と戦っている光景が目に映る。


「あの魔物、フォレストウルフだね」


フォレストウルフは森に住む狼型の魔物で、俊敏な動きと鋭い爪や牙を持つ魔物である。といってもウッドモンキーほど素早くはないし、力もワイルドベアやキラータイガーと比べると遥かに劣る。それこそ駆け出しの冒険者でも倒せるくらいの強さだ。


「そこ!」


対峙していた女性が掛け声と共に剣を振るいフォレストウルフを切り捨てる。やはりと言うべきか、それほどの強さではない。


「グルァッ!」

「くっ! 増援か!」


だがフォレストウルフは集団で行動する特性を持つ魔物である。一体倒したかと思えば、どこからか増援が現れるというのは良くある話である。今も追い打ちをかけるように、茂みから別のフォレストウルフが姿を現し、威嚇の咆哮を上げている。


「はぁはぁ……。せめて"あれ"を落としていなければ……」


一方で対峙している女性は、かなり疲労している。相手の魔物がそれほど強くないとはいえ、このままではジリ貧だろう。


「グルァ!」


フォレストウルフが口を大きく開け襲い掛かる。しかしその攻撃が届く事はなかった。


「おらぁ!」


フォレストウルフに速度低下の魔法をかけて動きを遅くし、俺は拳の一撃を横から叩き込む。突然の俺の攻撃をかわせるはずもなく、キャンと鳴き声を上げ、ぐたりと倒れこむ。


「だ……誰だ!」

「危ない様子だったんでな。加勢させてもらう」


グルルと喉を鳴らす声が聞こえたかと思うと、新たにフォレストウルフが姿を現す。その数八体。どうやら複数体で活動していたようだ。八体のフォレストウルフたちに完全に囲まれる形となってしまった。


「……逃げてくれ。私が犠牲になれば時間も稼げるだろう。その隙に……」

「悪いけどそうはいかないな」


フォレストウルフは俊敏であるため、人の足で逃げるとなればそれなりに苦労する。はっきり言って逃げるより"倒す"方が楽だ。数が多いとはいえ、所詮はフォレストウルフ。あのオークの群れと比べればかわいいものだ。


「無謀だ! この数相手……に」


突然光景が変わり女性が驚愕する。地面から氷柱が生えたかと思うと、フォレストウルフの体を完全に貫いたのだ。


「ワウ!?」


フォレストウルフたちも驚いたのか、鳴き声を上げている。今度は自分が貫かれる。そう思ったのか、一斉に走り去り逃げ出していった。


「逃げちゃったか」


そう言いながら、氷柱を作り出した本人であるレイシアが姿を現す。隙を見て魔法で氷柱を作り出し、フォレストウルフに攻撃をしかけたのだ。倒したのは俺が倒したのを含め、二体だけだったものの、とりあえず危機は去ったようだ。


「お……お前たちは!」

「心配しないでくれ。怪しい者じゃない。俺たちは探索に来ていて」

「とりあえず移動しないかい? また魔物が襲ってくるかもしれないし」


レイシアの言う通り、フォレストウルフの脅威は去ったが、この森には多くの魔物がいる。普通に戦うならともかく、疲弊している彼女を庇いながら戦うとなると話が変わってくる。


「そうだな。とりあえず予定通り町に戻るか。それでいいかな?」

「無論だ。私は助けられた身。文句を言える立場ではない」

「了解だ。歩けるか?」

「歩行できるくらいの体力は残っている。心配無用だ」


こうして俺たちは森で出会った女性と共に、町へと戻る事にした。


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