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【3章完結!】  ステータスダウンしかできない無能デバッファー。追放宣告を受けてしまったが実は最強デバッファーでした。  作者: 追放されるけど何だかんだでハッピーなのが好きな人
三章 吹き荒れる風
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息抜き?の探索

今日は祝日なの気付かなかった……

是非是非ゆっくり見ていってください!

レイシアに誘われ、俺は魔の森に足を踏み入れていた。


(来るのはオークエンペラーと戦って以来だな)


この森は奥に行けば行くほど強力な魔物と出くわす場所として知られていたのが、オークエンペラーの出現によってそれが変わる事となった。本来ならここにいるはずのない魔物が現れるという想定外の事例が起こってしまったのだ。討伐に参加していた者たちもこれに巻き込まれ、森に入ったすぐにBランク相当の強さを持つキラータイガーと交戦する事になったという話を俺は耳にしていた。


「けど大物を探したいってまたどうして何だ?」


オークエンペラーこそ倒されたものの、魔の森にはまだそれなりの大物がいるとレイシアは考えているようで、俺はその付き添いとしてここに来る事になったのだ。


「最近情報収集ばかりで体がなまってきてさ。うーんと体を動かしたいんだよね」

「それなら別にトレーニングとかでも」

「やるなら実践の方が熱くなれるじゃないか。分かってないなぁ」


やれやれとレイシアが肩をすくめている。どうやら彼女は戦いを欲しているようだ。それも相応の力を持つ相手との。


(ただ戦いが好きって訳じゃないんだよな。何か理由がありそうだったけど)


先ほど何かを言いかけていたが、何か目的がありそうな口ぶりだった。その全貌を聞く事はできなかったが、戦いを通して得られるものなのではと推測はできる。


(まぁ本人が話したくなさそうだったし、考えるのはやめておくか)


レイシアとは協力しあえる関係くらいにはなれたのではと俺は思っているが、その彼女が腹の内を話さないというのは彼女なりに考えがあっての事なのだろう。


(詰め寄るのもあれだし、レイシアが話したくなった時に聞けばいいな)


レイシアには色々と助けてもらっている。俺としてもその恩返しをしたいのだが、無理に返しにいくようなものでもない。彼女から手を貸してほしいと言われたタイミング、今日のような時に少しずつ返していこうと俺は考えていた。


「それじゃあ、探索開始といきますか」


グッと背伸びして意気込むレイシア。準備万端のようだ。こうして俺とレイシアは魔の森の探索を開始した。




「行くよ!」


一閃


「はぁ!」


さらに一閃


「そこだ!」


加えてもう一閃


魔の森の探索を始めてから数時間経った。ボアやウッドモンキーにワイルドベア、様々な種類の魔物と出会ったが、レイシアは特に苦戦する様子を見せず、自分が持つ刀で次々と相手を斬り倒していく。ちなみに俺の弱体化の魔法は使っていない。"ぬるくなりすぎる"との事で使用を控えてくれと言われてしまったのだ。


「相変わらずすごいな……」


その技のキレに見惚れそうになる。栄光の翼にいた時は、フォールの剣技を大したものだと評価していたが、はっきり言って格が違う。それほどまでにレイシアの剣技は素晴らしいもので、俺が今まで見てきた中で最高クラスといっても過言ではないくらいだ。


「ふぅ……」


敵を殲滅したレイシアが息を吐き刀を鞘にしまう。


「良い運動にはなったと思うけど、やっぱり物足りないな」


物足りないとレイシアは言っているが、倒した魔物の中にはBランク相当の強さを持つワイルドベアがいる。それ以外の魔物も決して弱くはない。逆にレイシアの強さが規格外なのだ。


「やっぱり君の幼馴染くらいの相手じゃないといまいち盛り上がらないね」


そう言いながら微笑むレイシアを見た俺は、たまらず苦笑いをする。あの二人、レイシアとミラーナが戦ったのもこの魔の森であった。あの時も最初は簡単な手合わせ程度に考えていたが、いつの間にかとんでもない戦闘を繰り広げていた。あんな事をそうそうされてはこっちの身がもたない。できれば勘弁してほしい所だ。


「さてと……それじゃあ」


レイシアが何か言おうとした瞬間、どこからかぐぅーという音が鳴り響く。音の出処は俺ではない。聞こえたのはレイシア側から、それも彼女のお腹あたりからだ。


「……お腹空いたし帰ろっか」

「そうだな。どこか店にでも寄って」


町に戻ろうとした時、どこからかガキィィンと剣を振るう音が耳に入ってきた。


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