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【3章完結!】  ステータスダウンしかできない無能デバッファー。追放宣告を受けてしまったが実は最強デバッファーでした。  作者: 追放されるけど何だかんだでハッピーなのが好きな人
三章 吹き荒れる風
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持ち込まれた話 part2

穴……かぁ……

つらいけど頑張ってほしい!

予想していた通りとでもいうべきか、どうやら借金取りなる人物は只者ではないようだ。それも"表の人物"ではないかもしれないという事実を聞き、俺は思わず息を呑む。


「そんなに気を張る必要はないと思うよ。万が一"こちら"に害を及ぼそうとしてきても"君の力"があればどうとでもなるし。少なくともあのオークエンペラーと比べてたら大した事ないって」


ニヤリと笑みを浮かべながらレイシアがこちらを見つめてくる。確かに借金取りなる人物の事は気になるが、あのオークエンペラーのようなとんでもない力を持っているとは思えない。レイシアのいう通り、頭の片隅に入れておく程度で問題ないだろう。


「それじゃあ次だね。次はあの失礼なおばさん。どうやら彼女はゴロツキか何かと一緒にいるみたい」


レイシアがおばさんと呼ぶ女性。おそらくステラの事だと思うが、意外な形で彼女の消息が判明する事となった。ステラはフォールと共に、人目につかぬようこっそりと別の町へと足を運んでいた。ここまでは俺も噂程度で耳にしていたのだが、どうやらその後に何かがあったらしく、ステラがガラの悪そうな男たちと一緒にいる姿が目撃されていたのだ。

その光景をたまたま見た者曰く、あれはただ一緒にいるような雰囲気ではなかったとの事で、脅されたのか、弱みを握られたのかまでは分からないが、フォールと別行動を取らざるを得ない状況になっているのは間違いないようだ。


「最後に、あのリーダーの男だけど」


フォールの行動に関しては追う事ができなかったようで、全貌は分からないというのが答えだった。だがステラと離れ離れになった後も、フォールだけはこの町に帰ってきており、何やらコソコソと動いていたらしい。そしてつい最近、謹慎中でありながらも、再び町を離れてどこかに移動したという情報だけは手に入れたと説明を受ける。


「謹慎の指示を無視したっていうのもあって、ギルドで指名手配にするみたい。さすがにこうなった以上、栄光の翼は」

「終わりって事か」


俺が言える義理ではないかもしれないが、本当に何をやっているんだと言いたくなる。フォールたちも昔は今のような傲慢な性格ではなかった。だが栄光の翼が結成してからこれまで、挫折や苦労を知る機会がないままAランクパーティまで上り詰めてしまった。それゆえに彼らもそれに驕り、慢心し、ああなってしまったのだ。


(ある意味俺のせい……かもしれないな)


これまで酷い扱いを受けていた事もあり、今更同情しようとは思わないが、もし俺の力が普通だったらとふと考える事もある。もしかすると今とは別の未来があったかもしれない。だが今更どうこう何を言っても過去は変わらない。もう遅いのだ。


「とここまで君の元パーティのお仲間たちの話はしたけど、まだ続きがあるんだ」

「まだ何かあるのか?」

「むしろここからが本題だよ」


フォールたちがあれとはいえ、栄光の翼はAランクパーティまで上り詰めた実績のあるパーティ。そのパーティに関する話題となれば、それなりに大きな話題なのだが、それ以上の何かがあるようだ。


「この町の領主様、不正をしたとかで捕まったって話は聞いてるかな?」

「ああ、確かウィズと一緒に何かしてたって」

「その後任者が来るみたいなんだ」


捕まった領主の代わりという事なのだろう。どうやら新しい人物が派遣されるようだ。


「領主が不在のままっていうのはマズイと思うし、当たり前の内容だと思うんだけど」

「ただ来るだけなら良かったんだけど、その人物っていうのが訳ありでね。何でも推薦されたみたいなんだ。それも騎士団本部のある王国から」

「なっ!?」

「しかも来訪日が明日。それも"優秀な護衛"と一緒に来るみたい」


王国からの推薦となれば、ただの一般人ではないだろう。それに上、護衛まで付いてくるという。どうやら穏やかな話ではなさそうだ。


「優秀な護衛……って事はレイシアはその人の事を知っているのか?」

「君も噂程度には聞いた事がある名前かも。その人の名前は……」


すぅと息を吸いレイシアがその人物の名を告げる。


「その人の名前はウィンダ。あのヴァルトと同じ、騎士団の隊長の一人だよ」


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