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【3章完結!】  ステータスダウンしかできない無能デバッファー。追放宣告を受けてしまったが実は最強デバッファーでした。  作者: 追放されるけど何だかんだでハッピーなのが好きな人
一章 無能と呼ばれる男
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栄光の翼のその後 part2

本編楽しみにしてタカタごめんなさい

今回は別パーティー視点です

それと大変申し訳ないのですが次週何日か更新できない日が来る可能性が……

できるだけ投稿は心がけたいのですがご理解をお願いします……ほんとすいません!

「ちょっとドヴォル! しっかり前衛の仕事しなさいよ!」

「うるせぇぞ! ならもっとサポートしやがれってんだ!」

「二人とも魔法の邪魔です! 下がってください」


ドヴォル、ステラ、ウィズ、三人それぞれが大声を張り上げる。


「くっ! 前は簡単に倒せたのに。どうしてこんなに強くなっている」


ヒューゴたちが町で情報収集をしている時と同時期、フォールたち栄光の翼は魔の森で魔物討伐を行っていた。


「ちっ! ちょろちょろとうぜぇ! おいウィズ! てめぇの魔法でさっさと焼き払えよ!」

「あれだけ素早く動かれては当たるものも当たりませんよ! 前衛のあなたがもっと引き付けてくれないと」


フォールたちはあちこちをひょいひょいと動く魔物たちに中々決定打を与えられずにいた。


「ウキキキキ」


その様子を見ていた三体の魔物たちがまるであざ笑うかのように声を鳴らす。今フォールたちが戦っている相手、彼らはウッドモンキーと呼ばれおり、常に複数体で行動するという習性を持つ魔物だ。

彼らの攻撃手段は主に手に持っている小さなこん棒での打撃や石などの投てきを主としており、こちらに大打撃を与えるような行動はしない。

しかし、力がない分、非常に俊敏、かつ手先が器用らしく木の枝やツルをひょいと掴み、跳躍しながら移動して相手を翻弄するという立ち回りを得意としていた。

そんなウッドモンキーたちの動きを捉えられず、フォールたちの体力は徐々に奪われ、イライラが全員の中で蓄積していった。


「あー! うぜぇぞ猿共が! これで全員吹き飛びやがれ!」


ドヴォルが力を込め、手に握っていた斧を大きく薙ぎ払う。辺り一帯に衝撃が起こるがウッドモンキーたちは近くの木の上に飛び移って攻撃をかわしていた。


「ウキャキャキャ!」


ウッドモンキーたちは腹を抱えながら笑っていた。それをみたドヴォルはあまりの怒りでか、顔に大きく青筋を浮かせていた。


「それで逃げたつもりですか! エアカッター!」


今度はウィズが木の上に飛び移ったウッドモンキーたちに風で出来た斬撃を放つ。しかし魔法による攻撃ですらもウッドモンキーたちは難なくそれをかわし、眠そうに大きくあくびを欠いていた。


「二人とも何やってるんだ! こういう相手は相手から攻撃をしかけされそこを反撃しないとダメだろう!」


ウッドモンキーの持つこんぼうとかちあうようにしてフォールは剣を振るう。二人と違い、フォールの斬撃はウッドモンキーにダメージこそ与えていたが決定打とはなっていなかった。


「はぁはぁ……。もう無理。これ以上いたら私の魔力が無くなっちゃう」


後衛で全員に補助魔法をかけ続けていたステラが魔法を解除する。


「おい! ステラ! おま! いってぇ!」


まるで補助魔法が無くなったの見計らったかのようにウッドモンキーがドヴォルの頭目掛けてこんぼうで殴りかかる。兜を身に着けているため、致命打にこそならないが殴られた痛みがドヴォルの頭をジンジンと襲っていた。


「この! 糞猿が!」


殴られた痛みを晴らすかのように斧を振るうが、当然当たるはずもなくその一撃は空をきる。すぐさまウィズが追撃の魔法を放つがそれすらも当たらずにいた。


「糞が! ウィズ! さっきからチマチマした魔法を撃ちやがって! 火の魔法で辺りを焼き払えばいいだろうが! そうすりゃこの糞猿どもを焼いて終いだろうが!」

「馬鹿ですかあなたは? そんな事をすれば森は大火事。探索どころではなくなりますよ」

「るせぇ! 当てれねぇ魔法を撃つくらいならそれぐらいしろってんだ!」

「ならもっと前衛の仕事をしてくれないと。あなたの引きつけが甘いからあの猿たちに攻撃が当たらないんですよ」

「よさないかお前たち! 今は戦闘中だぞ! 話をするなら戦闘が終わってからにしろ」


味方同士が揉めるのを見てられずフォールが制止の声を上げる。その声を聞いた二人はしぶしぶとお互い引き下がり、戦闘に戻る。

結果的に何とかウッドモンキー三体のうち一体だけを倒す事こそできたが、残り二体は味方が倒されたのを見て逃亡したため、見逃す事となった。


「ぜぇぜぇ。何故だ! 何故この俺様があんな猿ごときに! おいステラ! まだ魔力残ってるだろ? 俺を回復しろ」

「もうあんたに使える魔力はないわよ。さっきの戦闘でずっと補助魔法かけてたし」

「んだと!」

「よさないか! ステラ。悪いがドヴォルを回復してやってくれ」

「フォールがそういうのなら……」


フォールに指示され、ステラは回復魔法を唱え、先ほどの戦いでダメージを負ったドヴォルを治療する。


「しかし何故ウッドモンキーはあれほどのスピードを……。以前戦った時はあれほどの速さではなかったというのに」


ウィズの問いに全員が確かにと頷く。ウッドモンキーと戦うのは今回が初めてではない。それも今日戦った時よりもさらに相手の数が多い状態で対峙した事もある。しかしその時はウッドモンキーはあれほど俊敏に動かなかったし、攻撃も楽に当てられ簡単に倒す事ができた相手だった。


「確かにそうだな。ウッドモンキーはCランクくらいの強さだったはず。Aランクになった俺たちなら本来苦戦するはずのない相手のはずだ」


敵としてならウッドモンキー以上の強さを誇る魔物と何度か戦った事がある。ワイルドベアやキラータイガー、Bランク相当の強さをもつ魔物相手にしても栄光の翼は勝利をもぎ取っていた。


「ちっ! なら何だっていうんだよ。糞猿共が進化したとでもいうのか?」

「進化……ですか。まさか変異種なのでは!」


ウィズの発言に全員がハッとなる。


「変異種って。魔物の変異なんてそうそう起こらないはずよ! それが簡単に」

「確かにステラの言う通り。魔物の変異はそう簡単に起こるはずはありません。しかしAランクになった私たちがウッドモンキーに翻弄される理由。それしか考えられません!」

「確かに。相手が変異種だったと考えれば辻褄があうな」


何らかの拍子で変異し、別の存在に進化したもの。ギルドではそういった魔物の事を変異種と呼んでいた。


「ちっ! 変異種が相手なら俺様の攻撃が当たらねぇのも仕方ねぇ! 運がねぇな! これもてめぇのせいじゃねぇのか! なぁむ」

ふとドヴォルが無能と呼ばれる存在に当たろうとするが、それはここには存在しなかった。


「ちっ! そういえば消えたんだったな」

「こういう時にあの無能がいれば囮にしてウッドモンキー全員を討伐できたのでしょうが。追放とは惜しい事をしましたかね」

「ちげぇねぇ。うっし今日は帰るとしようぜ。変異種と戦ったからかさすがに疲れちまった」

「あなたの脳にも撤退という言葉がありましたか。私も変異種との戦いで大分魔力を消耗しました。帰って休むとしましょう」


ドヴォルは手に持っていた斧を腰に直し、森出る態勢をとったためそれにウィズも続く。


「もう! あの二人ったら! フォール! 私たちも戻りましょう」

「ああ、そうだな。しかし変異種の出現か……。一応ギルドに報告しておいた方がよさそうだな」


フォールたちは変異種の出現に戸惑いながらも帰路につく事にした。






「ええ……。あれを変異種扱いだなんて……。一体何がどうなって……。っと見学はここまでにして本命の様子を見にいかないとね」

その様子を見ていたあるものの存在には全く気付かずに。


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