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飛べない翼 part11

ユニーク10万達成してました!

ありがとうございます

ここまで見て頂けた事に感謝します!

(ったく、まさかこんな事になっちまうとは……)


ヴァルトが心の中でため息を吐く。元々この場は話し合いのために設けた場であり、戦うための場所ではない。まさかこのような場所で魔法を放って攻撃してくるなどと思ってもいなかったのだ。


「さぁ、いきますよ! エアカッター!」


変異種討伐の任務を受けたため、この建物には多くの騎士団所属の者たちが宿泊している。そんな事をお構いなしに目の前にいる男、栄光の翼のウィズは攻撃をしかけてくる。


「ファイアボール!」


ここが建物の中であるにも関わらず、今度は火の魔法を平然と放ってくる。


「ちぃ!」


その攻撃をヴァルトは斧を使って無理やり振り払う。自分の力を使って、相手の魔法を正面から潰していた。


「正気か!? ここは建物の中だぞ! こんな所で火の魔法を使いやがって! 何考えてやる!」

「はっ! どうせ消えるのはどうしようもない屑だけ。優秀であるものなら生き残れるでしょう! 私のような……ね!」


他の者への被害など一切気にも留めず、ウィズが続けざまに火の魔法を放つ。威力こそ弱いものの、下手に乱発されれば火災に繋がり、最悪、多くの被害者が出る事になる。何とか建物への着火を防ごうと、ヴァルトはウィズの魔法に対し、自身の斧を振るう事でその攻撃を防いでいた。


「ほう。隊長だけあって中々やりますね。ではこういうのはどうでしょう?」


ウィズが魔法の詠唱を始める。先ほどまでと比べ、さらに魔力を込めている。それはより強力な魔法を放とうとしている事の合図であった。


「これ以上好きにはさせねぇよ!」


こうなってしまった以上、こちらもそれ相応の対応を取るしかない。ヴァルトはそう判断した。最初は何とか相手を無力化し、拘束しようと考えていたが、このままのんびり戦っていては、被害がさらに大きくなる。下手をすれば取り返しのつかない事になってしまうだろう。


(この男がいなくなったら色々と証明できなくなっちまうが……)


領主の件も含め、目の前の男から聞き出さなければならない情報はたくさんある。最初は穏便に済むかと思っていたが、どうも栄光の翼に所属している者たちは一癖も二癖もある人物たちばかりのようだ。


(相手はAランクパーティーの一員だ。手を抜ける相手でもねぇ……。仕方ねぇか)


拘束するのではなく倒す。ふぅっと息を吐きながらヴァルトは気持ちを切り替える。先ほどまでと比べ、相手の詠唱が長い、おそらく勝負に出るつもりなのだろう。


「はぁぁぁ……」


相手が勝負をしかけてくるなら、こちらもそれ相応の力で迎え撃たなければならない。覚悟を決めたヴァルトが自身の斧に力を込める。


「ふん。どれだけ力を込めようと天才であるこの私の魔法! 防げる訳がないのですよ!」


一方でその様子を見ていたウィズが鼻で笑う。相手が騎士団の隊長クラスの実力者であるとはいえ、こちらはAランクパーティーの一員。それもあの栄光の翼の一員なのだ。例えどう足掻こうと自分には勝てない。それが理解できない目の前の男に哀れみを覚えていた。


(ですが良かったですねぇ。私の力をその目で見られるのですから!)


とはいえ油断はできない。世の中にはあの黒いオークのようなとんでもない化け物がいる。例えどんな相手であろうと完全に息絶えるまで全力を出す。ウィズという男は前回の戦いでその事を学んでいたのだ。


「喰らいなさい! ウインドストー」

「うぉらぁぁ!」


ウィズが魔法を放とうとした寸前、ヴァルトが持っていた斧を振るう。


「何!?」


反撃されると思っていなかったのかウィズが驚愕の表情を浮かべる。斧が振るわれた事で凄まじい衝撃波が発生し、驚いている自らに向かって襲い掛かってきた。


「くっ! ウインドストーム!」


驚きつつも魔法を放つウィズ。風で出来た竜巻を作り出すが、ヴァルトが放った攻撃によって一瞬でかき消されてしまう。


「くっ…あぁぁぁぁぁ!」


衝撃波に巻き込まれ、ウィズが悲鳴を上げる事となった。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 主人公、ヒロイン、ギルドマスター、騎士団長など登場人物のことごとくの知能がかなり低く設定されていて、この小説の対象年齢が著しく引き下げられている。○ンパンマンより低くなっている。
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