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【3章完結!】  ステータスダウンしかできない無能デバッファー。追放宣告を受けてしまったが実は最強デバッファーでした。  作者: 追放されるけど何だかんだでハッピーなのが好きな人
一章 無能と呼ばれる男
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ギルドと栄光の翼 part22

うおおおおお!

ブクマ500達成です!

皆さまありがとうございます!

モストの判決が言い渡され、各自それぞれが余韻に浸っていた。


「うぉぉぉぉ!」

「やったぜ!」


何より喜んでいるのはBランクパーティーのメンバーたちだ。今回の彼らの言い争いの相手が栄光の翼だった事もあり、どれだけ異議を唱えても納得してもらえない状況だった。

しかし結果は逆転。見事自分たちが報われる結果となったのだ。


「ふぅ。だがこれで」

「ヒューゴ!」


突然名前を呼ばれたかと思うと、俺の胸に何かが飛び込んでくる。


「やったわ! やったのよ! 私たち! 本当に良かった!」


飛び込んできたのはミラーナだった。まるで自分の事のように喜んでいる。あまりの嬉しさに目から涙がこぼれていた。そういえば昔も嬉しい事があった時も泣いて喜んでいた事があったな。どうやらこういう所は変わっていないようだ。


「お前さんやるじゃないか。只者じゃないと思っていたが、まさかオークエンペラーを見つけ、それを倒しちまうなんてな」


ヴァルトが賞賛の声を送ってくる。


「本当に強敵でした。俺一人だと敵う相手じゃなかったです。」

「ははは、そう謙遜するなよ。それに加え、ミラーナとそんな関係になっているとはな。大したものだ」

「ち……ちがいます! 決してこれは!」


ミラーナは思わず顔を赤くするが、それを見たヴァルトが大笑いしている。どうやら普段のミラーナと俺と接する時のミラーナ、その態度がどこか違うようだ。


「ぐぬぬぬ……。あのように殿方と……」


異性と仲良くしているミラーナを見たローナルが、悔しさからか歯ぎしりをしている。


「でもいいですわ! 私にはあの方がいますもの! オークに追われていた私を颯爽と助けて下さったあの方が……」


そう言いつつ、ローナルは恍惚の表情を浮かべている、自分のピンチを助けてくれた人物。まるで絵本の世界の王子様みたいであった。ローナルは完全に自分を助けてくれた人物に心を奪われてしまったのだ。


「うっ! 何か寒気が!」


そして何故かレイシアが寒気を感じ取ったのか、体を両手で抱くような動作を取っていた。


「っとそれより……。やったじゃないか。これで任務達成だね」


自分が感じた寒気は気のせいだったという事にしたのか、レイシアはそれを気にせず俺に声をかけてきた。


「オークエンペラークラスの魔物となれば皆大驚きだったね。そしてその魔物を倒した君はこれで間違いなく英雄だ」


彼女から英雄になれと言われた時はどうしたものかと思ったが、何だかんだで良い方向に向かう事となった。これも全てあの時に、彼女が力を貸してくれたおかけだ。


「ありがとうレイシア。これも君が力を貸してくれたからだ」

「気にする必要はないよ。これも契約だったし。今度はこっちに返してくれればいいからさ」


そう言いつつレイシアが満面の笑みを浮かべる。これはかなり高くつきそうだ。何せ今回のオーク変異種の討伐の功績。そのほぼ全てを俺が貰ってしまう事となったのだ。変異種の中には彼女が倒した個体が何体もいる。これの借りは正直かなり大きい。というよりどんな見返りを要求されるか考えると正直怖い。


(まぁ……今は考えないでおくか)


とにかく今は、自分たちの功績が認められたことに素直に喜ぶべきだろう。


「おいおい、マジかよ」

「まさかこんな事になるなんてな」


遠くから様子を伺っていた野次馬、他のギルドメンバーもその結果に驚きを覚えていた。


「まさかあの無能の男が」

「あんなとんでもねぇ化け物を倒しちまうなんて」

「世の中どうなるか本当に分からないものだな」


彼らもまた、俺が出した結果に対し、驚きや戸惑いを覚えている。


「それよりも栄光の翼だ。これからどうなるんだ?」

「へ! 俺は前からあいつらの事気に食わなかったんだよ! いつかこうなるとは思ってたぜ」

「無期限の謹慎。最悪パーティ解散もありえるな」


一方で多くの失態、下手をすればギルドの評判を落とすような行為をした栄光の翼に対しては厳しい意見を述べている。自業自得ではあるが、こうなってしまっては今までと同じ生活を送るという事は到底できないだろう。良くも悪くも栄光の翼という名前は有名になりすぎた。これを機に今後どうなるかも、ある意味フォールたち次第だろう。


「これ、いつまで騒いでおる! 早く解散せんか!」


モストから注意の言葉を受けた事で、各自それぞれが元の持ち場に戻り始める。


「さて、俺も戻るとするか」


このままここにいても邪魔になるだけだろう。他の者たちと同じように俺も一旦ギルドから離れようとする。


「ふざけるな! こんな事、認められるか!」


建物を出ようとした矢先、フォールがかつてないほどの大声で叫び、反論してきたのだ。


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