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【3章完結!】  ステータスダウンしかできない無能デバッファー。追放宣告を受けてしまったが実は最強デバッファーでした。  作者: 追放されるけど何だかんだでハッピーなのが好きな人
一章 無能と呼ばれる男
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ギルドと栄光の翼 part18

朝熟睡してました……

遅くなりましたが続きをどうぞ

「騎士団の見解は分かった。さて、お主たちはこれに対し何か意見はあるかのう?」


今度はモストが栄光の翼のパーティーメンバーたちに対し、何か意見はないかと声をかける。


「あるに決まってるじゃない!」

「ステラの言う通りだ。いくら相手が騎士団とは適当な事を言われては困る」


当然のように反論するフォールとステラ。どうやら騎士団の発言を以ってしても彼らを納得させる事ができなかったようだ。


「第一うちのウィズがそのような真似をするはずがない。それに彼は今重傷を負っている。真っ先に逃げ出したのならそのような大怪我を負うはずがないだろう!」

「彼は転移石を持っていました。そしてそれを使ったのは敵から攻撃を受けた後。それならば納得できるかと。転移石は高価な物ではありますがあなたたちなら簡単に手に入れられたのでは?」

「ああ、そういやお前さんたち渓谷でワイバーン相手に逃げる時も転移石を使ったんだってな」

「なっ!? 何故それを!?」


ミラーナとヴァルトがフォールの発言に対して質問という形で投げ返され、当の本人はそれを聞き驚く素振りを見せる。何故その事を知っているのかという顔をしている。


「あの時あの場にいたのは俺たちだけ……。同行していたあの男はワイバーンに……」

「どうやら心当たりがあるようだな」


ぶつぶつと小声でしゃべるフォールを見てヴァルトが納得した表情をしている。どうやら騎士団内では俺が知らない情報もいくつか持っているようだ。


「しかも適当な情報をそこらに言いふらしまくっていたらしいな。おかげで俺たちも無駄な時間を使っちまった。そこの彼の情報もお前たちが口外したのだろう?」

「何を言っている? 俺はそんな話」

「ふむ。君は知らないようだがそこの二人は何か心当たりがあるようだな」


ヴァルトの言葉を聞き、ステラとドヴォルが気まずそうにしている。一方でフォールは何が何だか分からない様子を見せている。


(なるほどな……)


その様子を見て俺も一つの結論にたどり着く。ありもしない罪で衛兵に追われた件。どうやらフォールを除く三人によって仕組まれたものだったようだ。この場にはいないが、衛兵が栄光の翼のウィズから聞いたという発言をしていた記憶もある。


(領主の屋敷だと襲われたが……。今襲われないのはそういう事か……)


よく考えると、つい先日まで俺は衛兵だけでなく、騎士団をも相手にする羽目になった。それに加え、今目の前にいるヴァルトとも一戦を交える事となってしまった。

俺の指名手配が無くなったという話は特に聞いていないため、普通なら彼らに拘束されてもおかしくない状況だ。


だが今こうして拘束されずに済んでいるのは、おそらくミラーナが動いてくれたのだろう。結果としてその件に関しては相手の言いがかりとして判断してもらえる事となったに違いない。


(ミラーナに感謝しないとな……)

「ああ、それと今日領主にも話を聞かせてもらう事になってる。そちらには別の者たちが向かっているはずだ」

「「っ!?」」


その言葉にステラとドヴォルの表情が歪む。様子を見るにどうやらこの二人は領主とも何かしら面識があるようだ。


(こう来ると色々と納得がいくな……)


領主の屋敷に侵入した日、領主はこちらに対しやたらと強気であった。その理由がおそらくこれなのだろう。栄光の翼との繋がり。これがあったからこそおそらく領主もあのような態度を取っていたのだろう。


「いくらお前たちがAランクパーティーとはいえ領主とズブズブってのはマズいだろう」

「いやーそれだけじゃないと思うよ」


レイシアが面白いものを見つけた子どものような顔をしている。あれは何か良からぬ事を思っている顔だ。しばらく一緒に活動してきた事で何となく分かるようになってきた。


「実は私もあの領主について少し調べてたんだけどさ。彼ら以外ともかなり繋がりがあったみたいだよ。というよりむしろ"ギルドそのもの"と何かしてたんじゃないかな?」


その視線をスッとギルドの受付嬢に向ける。


「な……何を言っているのですか! 我々がそのような行為などするはず」

「やれやれ。ここに来てとんでもない事になってきたのう……。まさかワシが知らぬ所でそのような事が起こってるとは」


必死で受付嬢が否定するが、モストはそれ聞き大きなため息をこぼす。


「いや……現場の様子を見ず、任せきりにしていたワシも馬鹿じゃったわ」


怒りというよりもむしろ呆れや悔やみの気持ちがモストの中に現れているようだ。まさか自分のギルドが領主と癒着まがいの事をやっているなどとさすがに想像もしていなかったのだろう。


「さて、むしろお主たちには聞く事が多くなったのじゃが……。キチンと答えてくれるのかのう?」


鋭い視線がフォールたちに向けられる事となった。


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