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【3章完結!】  ステータスダウンしかできない無能デバッファー。追放宣告を受けてしまったが実は最強デバッファーでした。  作者: 追放されるけど何だかんだでハッピーなのが好きな人
一章 無能と呼ばれる男
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ギルドと栄光の翼 part15

暑かったり寒かったり

風邪ひくって

俺から声をかけられ、モストの視線は俺に向く。どうやら話を聞いてくれるようだ。


「お主は?」

「ヒューゴと言います。今回の魔の森で発生したオークの大群について、説明させて頂きたいのですが」

「おお、お主がしてくれるのか? では早速」

「待ってくれ」


これでようやく説明ができると思った矢先、それを止めようとする声が上がる。栄光の翼のリーダーフォールであった。


「その男は無能です。大した活躍もしていないし、何の役にも立たない。どうしようもない存在です。そんな男の話をまともに聞く必要はありません」

「フォールの言う通りだわ。あんな無能の言う事なんて聞くだけ無駄よ!」


それに続いてステラが便乗してフォールの発言に賛同する。どうやらこの二人は俺に発言権すら与える気はないようだ。


「魔の森での話。オークがいたという事に間違いはないと思うがただそれだけだ」

「ウッドモンキーの変異種は実際にいたわ! 実際に私たちが見たんだもの!」


俺の話に割り込むようにして、二人がウッドモンキーの変異種は実際にいたと証言する。何があっても変異種がいたという事にしたいのだろう。


「ふむ。君たちの話は分かった。さて、君はどうなのかね?」

「「なっ!?」」


そんな中モストは二人の意見を聞きつつも俺の声に耳を傾けようとしてくれている。どうやらこの老人はギルドの受付嬢たちのように、こちらの話を全く聞こうとしない態度を取ろうとしているわけではなさそうだ。


「実は……」


俺はこれまでの経緯を丁寧に説明した。そもそもウッドモンキーの変異種、並びにワイバーンの変異種は実は存在しないのではないかという事。そしてオークの群れが実際に魔の森に発生していた事。それだけでなくオークナイトやメイジ、ジェネラルと言った多くのオークの変異種がいた事。

隠すことなく、その全てを話したのだ。


「オークの変異種? それも複数体? 馬鹿馬鹿しい。そんな個体がそう何体もいるわけがない」

「そうよ! そんなにたくさん変異種がいるわけないじゃない!」


やはりというべきか、フォールとステラは俺の発言に対し反論してくる。どうやら全く信じる気はないようだ。


「まぁ落ち着けよ。この無能の事だ。どうせ目立ちたくて嘘ついてるに決まってら。無能のお前が倒せる魔物何てせいぜいただのゴブリンくらいだろうが」


ドヴォルは疑うどころか完全に俺を嘘つき呼ばわりして笑っている。


「ふむ……これではキリがないのう……。」


モストが困ったように唸る。お互いに本当だ、嘘だ、と言いあっているため話が進まない。このままだといつまで経っても膠着状態が続くだけだ。。


「なら証拠を見せればいいんだな?」


だが今の俺には自分の発言を証明する術がある。これがフォールたちとの決定的な差の違いだ。

存在しないものを証明するという事はかなり難しい。何せ存在しない以上、証拠として見せる事ができないからだ。

だが存在するものは違う。実際に存在するからこそ、ものを証拠として提示できるのだから。


俺は懐からアイテムボックスを取り出す。昨日レイシアから預けられたものだ。


「それは!?」

「嘘!?」


まさかここに来てアイテムボックスを見せつけられるとはフォールたちも思っていなかったのだろう。彼らの表情が青ざめる。


「ここに今回討伐した魔物の亡骸が入っています。もちろんオークナイトやメイジ、ジェネラルもです。必要であるなら取り出しますが」


その言葉にモストや他の者たちも驚きの表情を浮かべる。モストがコクリと頷き、他の者たちに場を離れるよう指示する。スペースを空けるためだ。

そうして俺は空いたスペースにオークナイト、オークメイジ、そしてオークジェネラルの三体の亡骸をアイテムボックスから取り出した。


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― 新着の感想 ―
[一言] 証拠がある人の発言と、証拠のない発言・・・、勝つのは勿論・・・ある方ですよね。 というか、Aランク未承認のパーティが、本当にAランクの実力があるのかどうかを調べた方がいい。 まぁ、実際に…
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