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するとまた着信音。
俺が放置していると、携帯に触っていないのに、電話がつながった。
「私、シュワワちゃんエクストリーム。今、○○にいるの」
携帯に耳を当てていないのに、声がはっきりと聞こえてくる。
ご丁寧にいつの間にか、スピーカーになっているのだ。
今度のシュワワちゃんは、なにかしら得体の知れない力を得ているようだ。
俺は正直怖くなってきた。
――電源を切れば、大丈夫、大丈夫。
俺は携帯の電源を切った。
しかしまた聞きなれた着信音が。
見れば電話がかかってきているというのに、画面は真っ暗だ。
どう見ても電源は切られたままなのに。
それなのにつながったのだ。
「私、シュワワちゃんエクストリーム。今、あなたのアパートの前にいるの」
俺は携帯を鷲掴みにすると窓を開け、携帯を外に放り投げた。
ここは三階だが、なにかまうものか。
すると着信音が鳴った。
今この部屋には携帯はない。
だというのに何もない目の前の空間から、着信音が聞こえてくるのだ。
着信音が途絶え、あの声が聞こえてきた。
「私、シュワワちゃんエクストリーム。今、あなたの後ろにいるの」
終




