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ギルマスワークス!外伝.戦場の花を捕まえて  作者: 真宮蔵人
戦場の花を捕まえて
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009.ギルマスワークス本編断章2『大臣アタック』

戦場のビータ達より時間は遡る、収穫の月28日。西方王国ローラントギルド『ピータンパーズ』のギルドホーム。ファタジック内装の一室で一人のギルドメンバーがピエロの様な格好をした男にとある事案の説明をしている。


「…という感じで、戦闘中に傷ついたプレイヤーに対し「おじさんのポーションを飲みなさい。」と言いながら小太り中年風のローランダー男が回復ポーションを無理やり飲ませる事案が国内で発生しており…。」

ピエロ姿は考え込み「待った。」をかけた、報告者は「はい」と応じる。


「それって昔のMMORPGで言う辻ヒールって奴じゃないのかな?」


「しかし大臣、そのポーションを「結構です。」と断ると「減るもんじゃないし飲んでくれよぉぉもっと飲んでくれよ!」と言いながらまとわり付いてくるらしいんです。」とそんな事を重大な事件の様に伝達するギルメンに「ハラスメント?」と大臣と呼ばれたピエロは口をヘの字に曲げて応える。

いやー今日も平和だなー、と大臣は思いながらその話を右から左へ聞き流す。

「ハラスメントかどうか微妙な所なのでアカウント削除(BAN)や凍結ロックを受けていないようです。」

ピエロの格好をした男は天を仰ぎ「ポーションおじさんを匿名掲示板で叩きまくって心を折るか、本人に止めてもらうか、名物として盛り上げて萎えさせるか、そんな対策くらいかなあ。」と天井へ語りかけた。

「ゲームとしては盛り上げて萎えさせるのが一番でしょうな、おそらく相手はニッチプレイマニアですし。それが一番誰も傷つかない方法かと思います。」とギルメンもこの回答で納得した様子だ。

「うん、マギラ2CHにこの情報を流して、良い方向に知名度を三国中に広めるとしようかね。」

「承知しました、IP(サクラ回線)の確保を開始します。大臣それとは別件ですが、La-Ryo-Oから伝言を受けております。」はて、La-ryo-Oが伝言とは珍しい、今まで特に打ち合わせもせずにツーカーで西方王国連合の国防を担ってきた関係だ。

「王様からはなんと?」

「サブキャラとギルメン育成中だからレイド参加や防衛が疎かになったらゴメンネ。との事です。」

「マメな人だ、心までイケメンなのはずるくない?あの王様。」「同感ですな。」


舞踏の月1日、ピータンパーズの主要メンバー大勢は西方首都ローラントの北にある港町ファロサから船上の人々となっていた。このゲームでの移動手段はMAP上にこまめに配置されている転送施設テレポートシュラインと竜船か召喚魔法のリコールやポータルで事足りる。

しかし、そこをあえて船で移動するという選択肢を取る、これは移動が目的ではなく船に乗ると絶対に遭遇するレイドクエストを繰り返す効率的狩猟ファーミングをする為の行動であった。


遭遇したレイドボスの幽霊船が兵器攻撃の砲撃加えてくる、その攻撃をこちら側の戦術スキルにより軽減。

こちらの定期便は戦闘艦でもあるので、古来の戦闘艦にはまず付いている衝角ラムにより突撃にて敵幽霊船へ打撃を与えつつ、メンバーは敵幽霊船へ上船し乗員のアンデット達を始末していく。このクエストは兵器攻撃対策や回復手段を充実させないと全滅しやすい事で有名だ。


帰りは東方の港町より王国へ向かう船上で起こる野良レイドクエスト『シーサーペントフェス』だ。このゲームでは、外海は巨大な竜神の体に囲まれていて船は遠洋に乗り出せもせず、近海をはずれるとシーサーペーントという巨大海蛇がウヨウヨ生息しているという設定である。

このシーサーペント達の連続出現に対しても戦術スキルを使う。戦闘策略ギミックとしては、船に備え付けの銛撃ちハープーンでシーサーペントを一本釣りにしメンバーが集まってタコ殴りにするという正攻法でクリアする。このクエストは瞬間火力(DPS)が低くいと釣り上げたサーペントを処理しきれず、船の耐久力を削りきられて難破、全滅してしまう可能性がある幽霊船とは別方向でシビアなクエストだ。たまにクラーケンというモンスターも釣れる。


そんなレイドクエストをグルグルグルルと回していたら、国民チャットに「デルタで東方が攻めてきたぞ!急に100人くらい来た!」とログが流れてきた。

東方軍が100人、平日の永久凍土ではそん人数を動員出来ないはず、最悪ギルドのノーザンライツは皇帝城防衛とフェーダワールドで満足している、となると永久凍土が別のギルドと連合で来た?それならスパイ網で察知できたはず。敵集団を見てびっくりして報告者が敵数を盛って報告をしている、これが当たりだと思う。

大臣はすぐに決断した。軌道に乗ったレイドファームをも内心は渋々思いながら投げ打ち、ギルメン達へ「戦場へ行き東方を迎撃します、王様いんぺりあるにも援軍を要請しロゥスゥファステへ各自飛んで防衛線維持に備えて下さい。」と、それに続けてその他のギルドにも情報を流す。西方は数、ひたすら数を揃えないと勝てない。泣いても笑ってもその事実は今まで覆っていない、現実には現実的な方法で挑まなければならない。



舞踏の月2日 現実午後8時半頃。初戦は大敗であった、西方は動員スタンバイが遅いものの数では東方より多く揃えられる。しかし、南方精鋭ゴリラによる補給路分断リスポーンキルをされては集まる者も集まらない。

にょっきり大臣はHMDの下で爪を噛みながら「再出撃狩リスキルが居ます。迂回してステルスを使いながら入城してください。」と戦場回線バトルグラウンドチャットで呼びかける。

敗走だ、横を見ればギルド『いんぺりある苦労する』の戦闘員も制圧されつつある城からギルマスLa-Ryo-Oが統率を取り、後方へ落ち延びる構えを見せている。


城を枕に討ち死にしようと残るのは野良の西方人、彼らも勇敢に矢弾魔法罠油で応戦しようとしている、我々は本丸の門が開くと同時にバルコニーへ設置型のスキルを置きまくり搦手門ぬけみちから逃げ出る。

敵は歌い始めた永久凍土だ、開門と同時に躊躇無い突撃と蹂躙を仕掛けてくるだろう。笛吹きカラシニコブめ!



視点はビータ達へ戻る。

ロゥスゥファステを落としたままギルドはその勢いを殺さずに追撃戦へ移行する。

落とした城の所有や修理は他のギルドに任せて先陣を切る。敵が西方人達が城を防衛していた時に出していた怒りの表情も、落ち延びる敵は今や恐怖焦りの顔を浮かべている様に感じた。


ギルマス曰く「顔面読み取り機能の醍醐味は追撃戦の時の敵味方の目つきじゃ。」らしい。


行軍路の穀倉地帯を踏み抜けて東方軍団は進み続ける、収穫の遅い麦と共に逃げ送れた敵が自軍達の獲物によって手折られていく。

その黄金色の地形の中で白銀の甲冑と奇妙な仮面をかぶった西方人が一人、くるりとこちらへ振り返った。

仮面の騎士は「殿しんがりは我々が引き受ける、大臣殿はゴリラを散らしながら次の城へ逃げ込んでくれ。」と響く様な声で言ったのがこちらにも聞こえた。

それに対してピエロの様な格好をした魔術師、にょっきり大臣は「いえ、次の城はリスポンキルが難しい所です、我々も戦いますよぉ!大臣ファイナルアターック!!」と叫びながら反転しこちらへ挑む姿勢を見せる。敗走により焦りの顔を見せていた西方人達も「「オオォ!」」とヤケクソな叫びでこれに応じて反転攻撃を開始した。


ウチのギルマスが呟いた「いかんな、野戦はこっちのが得意だが、あいつらは下がりながら戦うのがうまい。戦史では中国でかの曹操が下がりながら戦うという器用な戦術を得意としていたらしいが、寡兵かへいのこちらではそういうのに正攻法で挑むと、正直面倒くさい。」

その呟きにギルドの親衛隊で知恵袋の一人『アニタ』さんが応じる。「この追撃戦も誘導されている気がする、機を見て一計打つのが良いだろうよ。」


La-Ryo-Oとその親衛隊が我々の前衛部隊と衝突し、そこへ西方と東方の及び腰だった勢力が追加でぶつかり混戦となる。そんな時に見かけた顔があった、あれは西方へ果たし状の宣伝をしに行った時にブルークロック墓地で会った。『愛微笑』と『ナイトウィンド』か、彼らはLa-Ryo-Oを守るような動きをしている。あいつらいんぺりあるの親衛隊だったのか?


ふと、そう考えている瞬間に件の戦士La-Ryo-Oと『視線が合った』。仮面越しでも分かる、あいつ間違いなくこちらを見てニヤリとその優美な口元を大きく曲げた。え?知り合いですか?

まずい、吸血鬼技バットスウォームが来るか!?しかし、この混戦だとありえるのはもっと広い範囲スキル。


「ロド!緊急回避ドッジ連打だ!」と自分は叫ぶ!それを聞いたロドリコはコロンコロンと回避運動を連打し始めた、かわいいけどあざとい。


La-Ryo-Oの姿が視線先から消えた、その直後に頭上から迫力のある声が響く、それに合わせて自分もドッジを開始する。


「地獄極楽堕としだ!」!頭上から現れた巨大な岩石の上に乗ったLa-Ryo-Oが「ウリィイイ!」と叫びながら巨岩を混戦さなかの戦場へ『投擲』した。

投擲スキル100ウルティメットスキル『地獄極楽堕としだ!』である。

効果は射程20m、円形範囲15m以内の敵に中ダメージとノックバックダウン3.5秒を加える、ゲーム中の対軍スキルの筆頭である。

戦闘に熱中しすぎた味方やドッジに失敗した味方がその範囲スキルに巻き込まれ相当数がふっとばされた、そこへ敵のチャージスキルからのダウン追撃スキルが容赦なくノックダウン中の味方に降り注ぐ。

それを見て「さ!」とロドリコが妙な叫びを上げた。え?お前卓球選手なの?

この手痛い反撃によりこちらの進撃速度が少し遅くなり、混戦から双方の仕切りなおしタイムへ移行し始める。

今までの進撃方角は北西のロゥ・カイ・ファステであったが、ここに来てウチのギルマスは指示を下した。


傾聴けいちょうせよ!我等はここから真西のロゥギィファステをこれから攻める。総員突撃系スキルを使い前方の敵は無視して進め。繰り返す、真西へ突撃開始、目の前の敵は無視しろ。」

その掛け声に合わせてギルドメンバー72人はくるりと敵に横を向け戦術と音楽スキルで移動速度を向上させ、敵側には罠や魔法での妨害の限りを尽くし、全速力で真西を目指し快進撃をする。



にょっきり大臣が叫ぶ「まずい!脳筋達が頭を使い始めた!」

La-Ryo-Oが応じる「ここに残って進み遅れた雑魚をこの大兵力で狩っていても仕方がない、追撃はもう間に合わんだろうから敵へのリスポンキル部隊の選抜とロゥギィ前後の防衛を主体とするしかあるまい。」

しかし、その二人の思惑とはずれ、西方のソロや野良レイドプレイヤー達は東方の復帰狩リスポーンキルに熱中しロゥギィファステ防衛にはこの2つのギルドの手勢しか集まらなかった。

La-Ryo-Oは珍しく愚痴をこぼす「なんということだ、我が国は大兵を持ちながらしてまた国民性で負けてしまうのか。」と。

東方の機転と統率力の差に西方の城ロゥギィファステはあっさりと陥落した。その理由には、西方の大ギルド達がこの落城後に起こる『国宝防衛戦』に全力を尽くす根回しに時間がかかったのと、無駄死(敵へのポイント譲渡)を避けた為である。

東方のギルド永久凍土やその同盟ギルド、それに扇動された野良レイド達の内から何回か撃破キルを取れたが、すぐに敵の手厚い蘇生と回復スキルを受けて敵軍は立ち直してしまう。

城が落ちる、国宝殿への門が開かれる。そこへ殺到する東方の猛者達、それを必死で食い止めようと門上から狙撃や妨害を行う西方人も門へ殺到するトロル、獣人、ドワーフ、ノーマッド、といったまるで魔王軍の侵攻が如く浪に飲まれていった。


西方王国の国宝『魔王魂』を守る祭殿の前にて。

戦況は西方軍約190名+防衛NPC vs東方軍約150名。戦争は守るほうが有利と言われるがこの場に対しては違う。

国宝を祭る祭殿には強力なNPCが多数配置されている代わりに遮蔽物が少なく、しかもこれは制圧戦ではなく国宝の奪取戦、つまり旗取り合戦になるからので防衛側は実に苦しい戦いを迫られる。


旗と言えば、東方の司令官カラシニコブも西方の司令官(大臣と王)もその背中に大きな戦旗を背負っている。これは味方へのサービス的な意味合いが強い。


初手は東方軍のタンクや前衛キャラが出来るだけの敵NPCを挑発で引っ張る行動、それに合わせて西方も好機とばかりに突撃隊と射撃と強弩バリスタを繰り出してくるが、東方が敵を引き付けた所に更にその後方から強弩バリスタ投石機カタパルト遠投投石機トレブシェットをNPCや敵味方の突撃隊へ撃ち込む、もしこれが現実ならば味方への当たり判定フレンドリーファイアがある為に前線は双方壊滅だろう。


もし、この時に西方軍が勇気を出して総員突撃を繰り出せば良い勝負になっていただろうが、西方のウォーデルタ民は初心から中級者が多いのでその勇気は今回も出なかった。技量と勇気を持つ西方人の大体がウォーデルタの上限人数である西方200人参戦中の表記を見てウンザリし修羅のフェーダワールドへ旅立っていくのだ。

人口が多い故にシステム上弱くなる、それが西方の弱点だ。


東方の軍勢はNPCを処理するとピタリと動きが止まった。不思議な静けさが戦場を包んだが、東方軍の戦場回線バトルグラウンドチャット内ではひっそりとカウントダウンが始まっていた。

「…5.4.3.2.1.突撃今チャージせよ。」


東方軍は静けさの反動を雄たけびと突撃で中和する、その突進速度には西方の強弩バリスタが方向転換に間に合わないくらいだ、投石機系は祭殿の天井が高くないので当てる事が出来ない。

混戦が始まるかと思えば突然に自分へギルマスから指示が来た「ビータ、国宝をお前が拾え、援護する。」

国宝を奪い運ぶ、それは自分でも初めての経験だ。手足が少し震えてそれに応えキャラも少し震えた。

自分は操られているかの様にギクシャクと国宝へ向かう、そして『奪う』というコマンド表示に許可を出す。『奪う』操作には時間がかかる、周囲はギルドメンバーのタンク達に前面側面3方向をきっちり守られている。


実績が解除されました。『国宝を奪いし者』デデーン。


という表示と効果音と共に自分の背中へ魔王魂と呼ばれる巨大なルビーの付いたベルトが掛けられる。

ギルマスは叫ぶ「よし、親衛隊と決めていた2レイドと野良レイドは撤退、切り込み隊と2レイドは敵の足止めをしてくれ、戦って死ね!」と現実ではあまり聞きたくないセリフに「「オオ!」」とチビパンの率いるトロルだらけの切り込み隊が応じる。

そうなると後は全力で逃走だ、ギルマスを先導にし戦術や音楽スキルを使い移動速度を上げて脱兎の如く逃げまくる。スタミナポーションも出し惜しみ無く連打飲みをしひた走る。周囲はレイドメンバー達の騎馬隊で守られているが、戦闘中と国宝運搬中は騎乗出来ないルールなので、自分は足を動かすことに専念する。


ギルマスは直進のみをせずに突然曲がったり森を通ったりしてトゥースー川へ向かった、時折ちらつく敵の影、罠のおき易い場所、待ち伏せに適した崖、それらを暗記し避けて通っているのだ。

全速力で移動している我々を襲うとしたら西方はもう北方の城であるロゥ・カイ・ファステからしかない。つまり北方を警戒しなければならないのだが「ゴリラが裏切らんとも限らん。」とギルマスは呟いた。

トゥースゥー川の橋、案の定待ち伏せが居た、数は20人前後。それに対してギルマスは「身内2レイド、掃除してから追いついて来い。」と命じ、残りの自分達は強行突破スキルで敵を素通りしてそのまま橋を渡り『南』へ突き進んだ。え?南?


国宝は手に入れたら自国の領域一番奥の城に置くのが定石である、更なる待ち伏せを恐れて迂回するとしても南方森林同盟の国宝横取りを考えると北方から迂回するのがまともな考えだろう。


色々と悩みながらもギルマスに追従するようにMAP中心の皇帝城から南西にあるブラッド・ゴ・ファステへ入城し、国宝の安置場前へ生き残りは到着した。

ギルマスは「実績解除の為に味方をここで待つ、その後この城、守り難く攻め難い場所に国宝を置いてくれ。」と言った。

自分は基本的な質問する。「なんで自国の一番奥の城に置かないんですか?」と、するとギルマスは丁寧に回答してくれた。


「まず一つ目、ゴリラと手を組む条件が「フェーダワールドのシェア拡大の手伝い」、ノーザンライツからの要望が「新人を鍛えたりウォーポイント稼ぎたいから皇帝城近くで南方と西方が両方攻めてくるこの城に国宝おいてちょ、と言われたのが二つ目じゃ。一つ目の要望はノーザンライツがフェーダからウォーデルタへ出撃し易くなるので条件はクリアになる。後は本人達のやる気次第だな。」


そういう考え方もあるのだなぁと思っていたら周囲には人だかりが出来てきた。ギルマスが「ふむ、大体揃った様だから国宝を置いてしまえ。」と言ったので国宝を安置する。安置にもモーションが長くかかるが、もう手足の震えは無い。そして、


実績が解除されました。『国宝の運び屋』デデーン、と表示された。


ブラッド・ゴ・ファステの外壁には国宝を奪い返そうとする西方人が集まってきた、そこへギルマスが城壁の上から敵を挑発する。

「オールユアベース!」とギルマスは叫びながら城壁上でピョンピョンジャンプをしている、

するとギルメン達も城壁上でダンスモーション『コサックダンス』を踊り始める。


その挑発に対し、にょっきり大臣が叫び返す「いや、お城全部取られてないし!」

La-Ryo-Oは冷静に「大臣、そんな事より城の再征服リテークから地道に進めよう。それに、もう老人は寝る時間だ、反撃のチャンスはまだある。」とたしなめる。

ピエロ姿の大臣は悔しそうに「クソ、勝ったと思うなよ!!」と言いながら西方へ去っていった。


La-Ryo-O言葉でハッとして時計表示を確認する、現在午後11時。まずい!


ギルマスはふぅと溜め息を付いてから「老人のわしゃ寝る時間だからもう落ちるね。キールさんや、後は頼んだ、地獄のタワーディフェンスゲーをエンジョイするといい、おやすみ。」と言いながら帰っていった。

キールさんも「私の方が年上なんだけどな。」と言いながら野良レイドから自分達のレイドグループへ帰ってきた。


そうなると指揮官が入れ替わったり主力が『釣られ落ち』しだすと東方軍からはログアウトするプレイヤーが増え軍団は瓦解をしはじめた。だが、そこへ新たな勢力が参戦しはじめた。半裸で奇妙な頭装備奴ら、ノーザンライツの防衛隊到着と南方森林同盟からの攻撃がこの城へ始まった。


眠らせてくれない泥沼の防衛戦が始まる。また防衛戦か。

設定

・ポーションおじさん

漫画家の平○○太が昔U○というネットゲーで包帯おじさんというロールプレイをしていたのを思い出した。ネットゲー内ネタで包帯おじさんとテ○パイのロールプレイは筆者のネットゲースタイルを大きく変えた。

ロールプレイを恥じない10代が一人誕生したのだ。


・遠投投石機

この兵器が日本の戦史で流行らなかった理由には諸説あるが、筆者は「銃 病原菌 鉄」の理論なんだろうと思う。山岳地帯だから無理です説はちょっとなあ、と思う。

元寇の時にモンゴルが博多にこれを持ち込んでいたらワンチャンあっただろう。A○E2で日本文明がこれ使えるのは「何なの?」と子供心に思った。


・オールユアベース

ネットゲーをしていると「日本人なの本当?SUMURAIなの?NINJAなの?証拠見せて!」と外人さんによく英語で言われるが「オールユアベースアビロングトゥーアース!」と叫ぶと「oh」と言って大体黙ってくれる。

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