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ギルマスワークス!外伝.戦場の花を捕まえて  作者: 真宮蔵人
人外魔境に咲く花
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B008.ドラ!ドラ!ドラ!

「うーん、ジノーはあの時助けに行かなかったのを怒っているのかな。」と一人呟くと「お兄ちゃんのヒーロー補正がた落ちだね。」と妹は容赦の無い評価を下す。

「ギルマスを身を挺して守ったのはジノーだからなあ、かといって回収班は他にいなかったのが痛いな。」

「悩んでも仕方ないっすよ、先輩が低空まで降りたら敵の的になってすぐに蜂の巣っすから。」

「対空ユニットを恐れて陸上特化にしたドラゴンなんて面白味がないでやす。」と皆はフォローはくれるが、悔しいなあ。

「プランBでありんすな。」「という訳でオークの皆さんに来て貰いました!」と愛微笑は手をかざす。

「オークックック。」「エルフが最近相手にしてくれないでオーク。」「ローパーと組んだのが失敗だと思うでオーク。」

というオーク達の声を耳にすると、確かに触手生物がオーク達と一緒に行動している。

その生物は「ローパーはガチで嫌われるからな。」と自己弁護の欠片も無いモンスター道を往く発言をする。

「今回は陸上戦力主体で攻めるのか…。こちらには兵器ユニットが無い所が気になるが?」

「じゃじゃーん!という訳でタージリンさんに兵器ロールのトロルでマギラ2から3へ浮気しにきて貰ったよ!」

とエリーンが声を上げると、巨大な岩男がこちらに歩み寄ってくる。

高さはオーガと同じくらいだが、顔立ちはマギラ2のタージリンさんと同じく仏の顔をしたトロルがズシンズシンと大地を踏み鳴らし合流を果たす。

「タージリンさん、こちらまでわざわざありがとうございます。所で体重はおいくつですか?」

「ビータ君は相変わらず乙女心を破砕するのが得意だね。重量は3000だよ。」

「乙女でしたら申し訳ない。」「いや、知っての通りもうおじさんだよ。」

こういう年上の人とのやり取りは楽しい、特に軽口がぽっと出る人は尊敬ができる。


「では、自己紹介しましょうか?」「オークック、我々がモブでは無い事が証明されるでオークな。」

「オークのお三方が野風さん、イーベイさん、パナラさん。ローパーさんがセルフバンジーさんです。」

「やっぱりモブ並みにざっくりとした紹介でオークな。」

「ローパーにまともな人はいないと聞いてっが、あんたはどうだ?」

「うん、ローパーにまともな人間はいませんね。」「いないでオークな。」

「人間辞め大会がコンセプトならオイラは魔王軍にまともな人は来ないと思うね。」

「同感です、そういう良い人様を演じる必要がないのは魅力ですから。」とバッシーさんはいつの間にか手に入れたメガネを中指でくいっと上げた、インテリオークプレイもかなりマニアックですよね。

「所でタージリンさん。マギラ2で、永久凍土のメンバーは最近どうでした?」

「親衛隊は半数残っているが、ギルマスと跳び陽炎、チビパンと他数名が姿を消し始めていたよ。」

「げ、あいつらこっちに来る気っすか。」「チビパン…ねぇ。」

「カラシさんはドワーフしか使わない人だから、気をつけないといけないね。」

「あのドワーフおじさんそんなに強いのー?」「いや、強いというより、なあ。」

「勝てば強いっていうなら強いんすけど、戦い方が汚いっすよね。」

「ハッハッハ、確かに盤外戦の方が得意な人だからね。」


「では、天魔魔王軍出撃ー!」と愛微笑は高らかに宣言をし魔の軍勢はオークの里より西へ進撃を開始する。

目指すはエーテロイドとテクチャルのスタート地点、機械都市グラハティア。ただし、今回は威力偵察という駄目元のちょっかいかけ戦という目的だ。

「ガチ勝負するには情報が足りんでありんす。」と軍事顧問の姉御が言うので程ほどに戦うと決まっている。

どっこい、出撃直後の我々の行く手を阻む物があった。オークの里の西には大河が広がっている、その巨人の流血と表記された大湖に繋がる河の流れは早く、飛行や水中ユニット以外でどうやって渡るのだろうと思っていたら。おもむろにタージリンさんは普通に歩いて向こう岸を目指し始めた。

「トロルは水耐性ありっすか。」「エーテロイドの高機動力が無い代わりに確実に詰めて行くタイプだな。」

「トロルの旦那が渡りきる前にリレー式で他の人を俺等っちで運ぶしかないでやすね。」

現在の戦力は亜竜2、オーク4、アラクネ1、マミー1、オーガ1、ネレイド1、デビル1、ゴブリン1、ローパー1、スワンプマン1、トロル1。ジノーはまだログインしていないので総勢15名。

はたから見るとなかなかの軍勢である。

しかし、さすがにこの数を全て飛行ユニットで揃えるのは厳しい。

「え!?私が運ぶんですか!?」と愛微笑が何やら喚いているが、彼女は比較的に軽いローパーを運ぶのがたいそうお嫌らしい。

ローパーのセルフバンジーさんも「悪魔っ娘の生足に捕まって何もしたらいけないなんて生殺しもいいとこですね。」と疑惑を晴らそうとしているのか深めているのか分からない発言をする。


河を渡りきり更に一同は西へ走る。ワールドマップ西南西に広がる砂漠とピラミッドの切れ目にグラハティアはある。空には飛行船やジェットパックを背負ったテクチャルが飛び交い、陸には金属の球体がゴロゴロとせわしなく行き交う。

「思ったより多いでやすね。」「最強種族アンケートで上位に食い込んだからな、あいつら。」

「いつの時代も勝ち馬乗りが多いんすよ。」

「アタイは正面から蹴散らしてもいいんだぜ?」「砂漠か南から攻めるかだな…。」

「グラハティアのすぐ南に機械神の神像があるらしいので、その信仰を取りに来た奴を襲えば良いではないでしょうか?」

「お祈りする時には必ず陸上に来るでオーク、ドクターオークは賢いでオーク。」

「ではそれ採用で、戦い方は打ち合わせ通りにお願いします。」

「あいよ、亜竜、トロル、巻物組みは少し離れて待機だな。」


「敵襲ー!」「魔王軍が機械神像を奪いにきたぞー!」と騒ぐテクチャルやエーテロイド達に駆け出し魔王軍は容赦なく襲い掛かる。

奇襲攻撃成功とはいえ、最強厨を目指す人間が多くなった敵の二種族の対応は早い、が。

「兵器展開確認!」「任せろ…、話の通りならこの水魔法で…。」とネレイドのナイトウィンドが放つ水魔法、ウォーターカッターとバブルストリームの前にエーテロイド達は動きを鈍らせる。

「ガガガ、ウゴケナイ!?ナンデ!」と壊れた機械の様な断末魔を上げるエーテロイドを陸上部隊は一体ずつ確実に仕留めていく。

エーテロイドは水魔法に弱い、具体的にいうと機動力と旋回速度が一気に低下する。これはなまじエーテロイドは水魔法のダメージを2倍多く受ける等の設定よりも強力だ、ネットゲームにおいては機動力の喪失は即死を意味する。

急な敵襲に対してテクチャル達は攻撃が自分達に集中されて来ないと分かるとジェットパックで上空へ飛び立ち、アウトレンジからの一撃離脱戦術パルティアンショットを狙いに来る。

そのタイミングを待っていた俺達は「今だ!いくでやんす!」「ふんがーっす!」と言いながら、伏兵として隠しておいた別働隊として空へ飛び立つ。


「敵のドラゴンだ!」「囲んで叩け!近寄らせるな!」

「へへ、そうはいかねっす、包帯まきまきー。」「触手全開!」亜竜の背中に乗せられ敵捕縛に特化されたマミーとローパーは中空のテクチャルを器用に絡め取り自身の近くへ集める。

「タージリンさん!エリーン!今だ!」と俺は叫ぶと「くらえ大地魔法ー!」とマヌケな声と共にトロルの強肩から繰り出される巨岩の投石が集めたテクチャル達の前を通過する…と思うや否や岩石はその場で突如として爆ぜた。

最初にこの大地の魔法を見せられた時には本当に驚いた。

「それ、ただの投石じゃないですか、魔法要素はどこなんでしょ。」と俺は最初尋ねたが、「Lv2大地の魔法に時限信管っていうスキルがあってだな。」とタージリンさんはおもむろに地面へ手を突っ込み岩を取り出すとそれを空中へ投げ飛ばした、かなりの飛距離を飛ぶただの投石かと思えば、岩石が空中で砲弾の様に炸裂したのだ。「これほど地属性が怖いと思ったゲームはないっすね。」と横でロドリコは呟いた。

その名誉挽回を企てる大地の魔法が猛威をふるう。

「敵の砲兵器だ!」「対抗ユニットの応援を求めろ!」と敵は騒ぐが、こちとら練りに練った作戦を持つ軍勢である、その場しのぎの戦力に負ける気は無い。


「先輩、敵の援軍っす。あれは竜?」「ついに竜人のおでましでやすね。誰が空の覇者か教えてやるでやんす!」空の彼方より竜の翼を持つ人型が向かってくる、そんな翼で我々に追いつけるかな?

背中にマミーとローパーを乗せただけの亜流二人は空戦スキルにステータス全振りである。

空戦に特化する為に必要な天空神は、信仰する為に魔王軍領のやや深い所へ行かなければならないので、これを持つ敵は少ない。

「はっはっは!ドラドラドラァでやんす!」とアレキシは翼から飛行機雲を出しながら敵の竜人やテクチャルの狙撃を速度でかき回し、緊急回避や天空神スキルのクルビットを使用して器用に避ける。

俺もLvは低いが負けていられない、敵の攻撃を翼に受けないように敵をトロルの砲撃範囲に引き付ける。

竜人はこちらで言うシルフやデビルに近い性能の様だ、飛行能力と攻撃力を有した戦闘機の様なユニットではあるが、こちらとの機動力差は既にレシプロ機とジェット戦闘機並みに広がっている。

亜竜の二人には既に攻撃力があまりなくなっているが、それは仲間が補ってくれる。しかし、俺達も竜の咆哮をこまめに使う等して努力を怠ってはいけない。

天空を駆け巡る二匹の大竜は敵を風に翻弄される木の葉の様に乱し、背負う包帯や触手は羽虫を捕食するトカゲの様に敵を捉え、陸からの投石は火山の様に噴き荒れる。フレンドリーファイアが無いのは救いだな。

となると、この戦法の弱点はドッペルゲンガーか。奴等には注意しなければならないな。

「あっとーてきではないか!わがぐんは!」とウッキウキで投石を続けるエリーンは実に楽しそうである。負ける事で得る事は確かにある。だが、勝つことは楽しい。当たり前だが大事な事だ。


我々の襲撃を見て砂漠からローチャーやマミーが加わり戦況の優勢を維持するかと思えば、敵の後方からラットマンや獣人達が前回の恨みといわんばかりの勢いで敵の戦列に加わる。

「大戦争でありんすなあ。」「どさくさに紛れて機械神の信仰を取りたい味方が目立ちますな。」

時間が経てばたつほど味方も敵も増えていく。

砂漠の北にある山から来ただろう野良トロルも味方に加わった辺りで戦況は圧倒的に優位となった。

「この戦況が覆るとしたらどう考える?少年…。」「トロルの弱点である光神魔法と相性の悪いドワーフ、後はドッペルゲンガーによる砲撃フレンドリファイア狙いだと思います。」

「北から更に敵集団が追加で来ましたよ。おや、ギルドフラッグを持っていますね。あれは青地にハンマーのマークですか?」

「「!?」」「ついに奴等がきちまったっすか!」「そんなヤバイ奴が来たでやんすか?」

「勝ち逃げを考えないといけないな。」「アタイが蹴散らしてやんよ!」

味方にすると騒がしい、敵に回すと恐ろしい。

最近までは親の顔と同じ位に見たそのドワーフの顔を俺も視認した。

・設定


トロルLv1 タージリン

大地の魔法Lv2 大地の魔法を覚えます。兵器攻撃可。

Lv0投石 大地属性の投石を行います、射程50m。

Lv1ハードスキン 一時的に防御力を向上します。

Lv2炸裂信管 投石を空中で炸裂可能にします。

岩の子 衝撃、炎、大地、森林属性軽減、緊急回避コスト軽減。

破壊衝動 攻撃力にボーナスを得ます。

Lv0 攻撃力UP。

Lv1 スキル使用時MPが3%回復。

鉄拳 物理攻撃に最低ダメージ保証。

ダークストーカー ダンジョン内や夜、曇り空の時にステータス向上。

信仰Lv0策神→機械神

変異先

マウンテントロル→デイダラボッチ(物理特化)

ウッドトロル→カブラカン(魔法特化)


ローチャー 周囲に同族がいると攻撃力にボーナスを得る。

プレデター ステルス能力を大上昇します。

徘徊 ダンジョン捜索にボーナスを得ます。

頑健 防御力、毒、病気、出血に対して耐性を得ます。

超回復 自己の回復力にボーナスが付きます

高機動 陸上の移動速度を上げる等のスキルを覚えます。

変異先

ミュータントローチ→アースジェッター(徘徊が飛行へ変異)

スカラベンジャー→ケプリ(防御力特化)


竜人

ドラゴンフォース 気攻術を取得します。SPにボーナスを得ます。

竜鱗 物理防御力や属性防御力が上がります。

ブレス ブレス攻撃が可能になります

飛行 飛行能力が向上します。

武装 装備品の幅が広がります。


変異先

メリサンド→ズメイ(武装、魔法特化)

赤竜→レビヤタン(飛行ブレス特化、武装ラインを貪欲に変更)


・信仰魔法

機械神 ゴトアオモンギ 強力な攻撃や兵器攻撃に優れます。

Lv1 マシンボルト SPを使用して敵へ遠距離攻撃を加えます。(兵器攻撃)

Lv2 ギアアクション 自身の移動速度を20%上昇します。

Lv3 デストラップ 自身戦闘不能時に大爆発を起こします。

Lv4 エネミーソナー ステルス中以外の敵方角が分かります。

Lv5 エーテルモーター EPを使用して20~100m先の陸上に砲撃を加えます。


歌神 テリトール 強力な呪歌を覚えます、呪歌は地形効果として敵味方に作用されます。

Lv1 ボイトレ 自身から10m範囲内の敵詠唱を妨害します、成功時にはスタン3秒を与えます。

Lv2 恋歌 自身から20m範囲内の味方補助効果を20%延長します。敵へのDEBUFFも延長されます。

Lv3 戦歌 自身から20m範囲内の味方が攻撃力を7%上昇します。

Lv4 励ましの歌 戦闘不能になった味方を復活させます、詠唱4秒。

Lv5 辞世の句 自身戦闘不能時に周囲20m以内の味方を大回復します。



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