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第五節
部屋の一室。
シャドウはベッドの上に横たわり、電灯の光を見る眼を、腕で隠し寝転んでいた。
「……、」
情報が揃わない。
彼が探している情報の尻尾が掴めない。
まだ明日があるといっても、長居はできない。だからといって、その片鱗も掴めず、彼は「このまま見つからないのでは……」と懸念してしまっていた。
そもそも、そこにあるとも確証づかぬそれ。確定的な情報は一切なく、ただ噂の尾ひれを掴んできたのだから、それは当然かも知れない。
「……、ああ、不安しかないな」
静寂は過ぎてゆく。
そして、陽は昇る。