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第三節
鍾乳洞に存在した、不可解な洞窟。
彼らはただ一つの光明として、その先を進んでいた。
「……綺麗」
「確かにな」
余りにも、綺麗だった。
純粋な水晶や鉱石。それらがまるで透き通った水の如く煌びやかに光を放ち、洞窟というには明るすぎるほどだった。
否。
まるで、その先に進むことが正解なように、唯々在った。
「……、」
「どうした?」
「ん」
ルナは指を洞窟の先に向ける。
彼女が指さした方向を見ると、洞窟の終わりが確かに見えていた。
唯其れは、洞窟の終りを告げるような光源とは違う、なにか不快な空気が差し込んで来ていたのだ。




