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第一節
夕方が近づく。
シャドウは、自室を出て外に向かっていた。
彼には、ある一つの思惑があった。そして、この時間にそれは明確なものへと変わると思っていたのだ。
遺跡に腰掛け、夕焼け色に染まろうとする薄赤色の空をジッと眺める。その行為に何の意味があるのかと彼に問いても、きっと彼は答えないだろう。
彼にも、何を望み、何を見据えているかなどわからないのだから。
「……、」
風が変わる。
陽の傾きによって風の方向が変わるという話もあるが、別の言い伝えには風の変わり時が帰りの時間とも言うらしい。時間帯によってその空気が変わるからである。
だが、それは逆に、夜の者たちの時間が迫り来るという象徴でもあった。
だから表舞台の人々は、無意識に世界の闇から身を隠そうとするのだと、どこかの住人も言っていた。
きっと、どちらにいても彼の居場所は変わらないのだろうが……。
「行くか」
小さく、言葉を吐き捨てた。




