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第四節
夜が明け始める。
そんな中、シャドウは宿屋の自室で此処に来るときに持ってきた荷物入れを床に吐き出させる。床に散らばった物は、最小限に詰め込まれた着替え一式と、ナイフが数本。ピッキングツールが幾つかと、六発装填されたマグナムリボルバーが一丁。それと、青く光る謎の液体が入った試験管が五本。
(こういう時、本当に必要なものが何かって気付かされるな……別に何かしらあるわけではないが、愛用する武器がないというのはどうにも落ち着かない)
戦うためにこの街に訪れたわけではない。そもそも、探索と調査がメインだったために、今回は必要最低限の物でしか挑んでいないのだ。
(ここから先の展開は、少なからず解る)
先を読む。
今夜起きうるであろう展開を調べ上げる。
それも、ただ一つの彼の脳のみで。
「……、」
そして……。