解凍
「ただいまぁ」
誰もいない家の中に私は声をかける。
誰もいないことは、想定の範囲内だ。
朝出発する時に、親はパートに行くと言っていたし、弟は高校の部活で遅くなると言ってたからだ。
私は大学行った後に、今日はバイトが休みだから、本屋で立ち読みをして帰ってきた。
明日は奨学金の振込日になっているから、その確認をしないといけない。
そう思いつつ、カバンを自室のベッドに放り込み、冷凍庫を漁る。
案の定、冷凍チャーハンが一袋眠っていた。
「これ食べるか」
他にはなさそうだから、仕方ない。
お腹が空いていたということもあって、2人分の一袋をすべて一気に皿に盛る。
ラップをすると、4分半。
電子レンジがチンとなれば出来上がりだ。
冷蔵庫にしまってあった麦茶と一緒に、今日の晩御飯となった。