表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/12

2日目(後編)

 映画館に到着すると、楓が観たがっていた実写版トラ○スフォー○ーのチケットを俺は購入した。席は最後列の真ん中。しかも隣同士だ。

「お時間は10:30からになっていますので遅れない様お願い致します」

 受け付けのスタッフはそう言ってチケットを2枚渡した。現在10:00ジャスト。俺は傍らに設けられた席に座った。隣には楓が座っている。

「望くん、開演何時から?」

「10:30」

 そう言って俺は携帯を取り出し、メールを開いた。

「楓、どうしたら良いかな?」

 と、楓に画面を見せる俺。メッセージには後輩からの恋文が書かれている。

「付き合うの?」

「迷ってる。けど、お前が帰って来たんじゃ、断らないとな」

「何で断るの?言っとくけど私がいられるの1週間だけだからね」

「どう言う事だ?」

「この体ね、1週間したら返さなきゃいけないの。だからね、望くんとは日曜日までしか一緒にいられないの」

「あの世に戻るって事か!?嫌だよ俺そんなの!折角会えたってのに、また俺の前からいなくなるってのかよ!?」

「私も出来る事ならずっといたいよ?でも、決まりだから」

 10:30。開演時間に成った。

「あ、始まるから入ろう?」

「う、うん・・・」

 俺は席を立ち、チケットをスタッフに見せて上映室に入った。

 上映時間は2時間。終了後、俺達は映画館を跡にし、近くの公園に向かった。

 公園内は広く、平日の為か子どもの姿は見られない。俺達はそんな公園のベンチに腰掛けた。

「俺、楓と離れたくない。掟とか破れないのか?」

「無理。けど、方法が無い訳じゃないよ」

「えっ・・・どんな方法だ?」

「望くんが天界に来れば良いんだよ」

「それって俺が死ななきゃいけないんだろ?嫌だよ、それだけは」

「じゃあ無理」

「・・・・・・」

「そんな気にする事無いって。一週間、一週間あるんだよ?」

「それで慰めのつもりか?」

 俺はそう言ってベンチを離れた。楓はまだ座っている。

「帰る」

 俺は楓にそう言い残し、帰宅した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ