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一緒に泣きたいのだから

作者: GUN

いつも明るそうにあなたは装っている まるで私に気遣うように

歓びを手放してしまったあの時は すでに過ぎ去っているのにね

けれどもうあの娘は還ってきやしない だって私たちの前から

旅立つように逝ってしまったんだものね


あなた泣きたいのならば 泣いてもかまわないよ

それにつられて私も 一緒に泣きたいのだから


どうなのでしょう 可愛い一人娘を失った親の気持ちなんて

何をどうしてどんな悔しさで この暮らしを埋められるのでしょう

突然降り出した雨に傘も持たず ただ濡れているばかりで

生きる動機を どうしても見つけられない


手にしたものをじっと見つめてしまう いつか消えてしまいそうで

幸せのその裏側の 涙を背負う現実にいつまでもしがみついている

壁に掛かった”ロートレック”の絵の誇らしげな男の顔が

今にほら きっと私たちを笑い飛ばすに違いない


せめてあの娘の二十歳の誕生日には 笑っていようね

ローソクの灯を消す役目は 私でいいのかしら


足踏みの揃わない人生と呼べば 卑屈に思えるでしょうけれど

抱きかかえたままの絶望はいつか 下ろせる日がくるでしょう

強がりの日々が当り前に繰り返されてる そうでもしないと

挫けた心では決して 前なんて向けないもの


あなた泣きたいのならば 泣いてもかまわないよ

それにつられて私も あなたの傍で泣きたいのだから

それにつられて私も ねえ・・・一緒に泣きたいのだから


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