生命の神秘
お腹の中に奇跡が宿って、神秘の響きが私を内側から呼び続けるように、こんこんと音のする様は、どんなに温かいスープを飲むよりも、心がほぐれて、思わず満面の笑みをこぼしてしまったのを、私は今でも鮮明に思い出すことができます。私のお腹の中を貴方の生命の輝きが確かに照らしていたあの豊かな日々は、何にも代え難いくらい幸せで、私は死ぬまできっと忘れることはないでしょう。草木が芽吹くように、私の前に姿を見せてくれた貴方は、触れたら壊れてしまいそうなくらいちっちゃいのに、産声はとても力強くて、これからの貴方の物語が、とても楽しみで、貴方と一緒にいっぱい泣いてしまったのを覚えています。貴方は何をしていても信じられないくらい可愛くて、貴方を産んだことが、私が今日まで生きてきた意味なんだって、毎日思っていました。貴方のためなら何でもできると思いました。どんな辛い事でも耐えられるし、どんな理不尽も受け入れられる。貴方が小さな芽から、色んな栄養を取り入れて、すくすくと育っていく姿を見て、どんな花になるんだろう、って想像する時間は、かけがえのないものでした。綺麗な花じゃなくても、堂々と咲き誇ってくれれば良いな、なんて思っていたら、あなたは私が思っていた以上に、立派に咲き誇ってくれて、とても嬉しかったです。みんなを助けるヒーロー、なんて言うと、貴方は恥ずかしそうな顔をしていましたが、私は本気でそう思っていました。貴方は私の誇りです。私に希望をくれてありがとう。最期に貴方が昔大好きだった、消防車のトミカを渡しておくね。小さな頃からの夢を追って、夢を叶えていった貴方の最期は、とても誇らしいものだったけれど、やっぱりお母さんはちょっと寂しいです。消防車のトミカでずっと遊んでいて、きゃっきゃ笑っていた貴方の姿が、今もそこにあるかのように、思い出されます。貴方が救った命はきっと、また新たな命に繋がって、そしてまた、新たな幸せを産み出すのでしょう。貴方は命の尊さを、素晴らしさを、私に教えてくれました。あの炎の中で、貴方という花は確かに咲き誇っていました。お疲れ様。よく頑張ったね。まずは体を冷まして、ゆっくり休んでね。そして生まれ変わる時がきたら、またあの時のように、輝きを放って、誰かの心を照らしてくれたら…
こんこん
ーーあ!今蹴った!蹴ったよ!
くれたら…
こんこん
ーーまた蹴った!
うわあああああああん…
【生命の神秘】
命が宿って、やがて還って、また宿る。
その循環の中で人は、生きる喜びを得ていきます。
私にとっての貴方は確かに、
生きる喜びでした。
生まれてきてくれて、ありがとう。




