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2 はじめての異世界と出会い

 光が弱くなり、ようやく目を開けることが出来た。右を見ても左を見ても草原。本当に異世界に来てしまったんだな。正直まだ実感がわかないが確かにこの場所の空気を感じている。現実だ。

 しかしトラックも転移させる予定のはずだがトラックが見当たらない。


(ステータス オープン)


 頭で念じるとまぁよくあるステータス画面が出てきた。

・ユズル レベル1


 まぁそうだよな。異世界に来た原因が原因だ、チートな能力なんて期待するほうが野暮ってものだ。

 持ってるスキルはっと……


・言語翻訳

・アイテムバッグ

・MP無限化(車両系スキルに限る)

・トラック召喚

・トラック収納術(生物収納不可)

・魔素燃料化

・トラック移動快適術


 つまりトラック召喚したり車両変更したりするためのMPは気にしなくてもいいが、一般的な魔法を行うのは自分の力でなんとかしろ ということか。

 トラック移動快適術ってなんだ?さすがに聞いたことがないぞ。収納術はあれか、荷台にものを収納できるということか。どれだけ収納できるかはわからないが覚えておこう。

 いや待て。実質俺個人のスキル言語翻訳とバッグだけじゃねえか!!

 気を取り直してっと。


「トラック召喚!」

 虚空からいつもの相棒が「ドスン」と現れる。重量感や、見慣れたエンブレムを見た時の安心感を感じた。


「トラック移動快適術!」


……しーん。


 トラック召喚でトラックが出てきたことに関しては問題はないが、移動快適術で特にトラックの見た目が変わったというのはない・・が、まぁいいや。一度どこかの街にいかないと。

 荷物があるからこのままトラックだけで過ごすということも出来なくはないが、ちゃんとした生活を送れるようにしたい。トラックに乗ってみる。使い慣れたいつものトラックだ。


 鍵穴が見つからない。ドアノブを引っ張ってみるとドアノブから光が出てガチャリとドアが開く。魔力で鍵が開くのだろうか。

 トラックに乗り込み、鍵穴を指すところを見るとボタンに変わっている。ボタンを押すと心地良い振動が伝わる。エンジンがかかる。

 ガソリンは満タン これも魔素燃料化のおかげだな。少し走ってみようか。


 窓を開けてしばらく走る。他に車がないからガソリン臭くもなければ排気ガスの匂いも全くしないので、自然本来の草花の香りが鼻腔をくすぐる。地にタイヤの跡が付くわけでもなければ悪路も舗装路と同じ感覚でスムーズに進む。なるほど、移動快適術というのはその名の通り移動を快適にするためだけのパッシブ(自動利用)スキルということか。

 さて、今後はお金とかどうやって稼ごうか。一度トラックを止めてステータスを確認する。


・所持金 90万ゼル


 驚いた。お金を俺はなぜか持っている。ただ90万円って考えたら貯金が200万ほどあったからその半分は持たせてくれた ということだろうか。それとも貯金全額がこの世界のレートでは90万ということなのだろうか。どちらにせよ初手からお金があるのは大きなアドバンテージだ。大切にしよう。


『キャァアアー!!』


 トラックを再度走らせようとしたところ叫び声が聞こえたのでそちらの方に目を向けると、ゴブリンに襲われてる馬車を見かけた。助けに行きたいが彼女を助ける手段……ゴブリンを倒す手段がない。トラックで潰しに行くか?いや、やはりトラック乗りとしてはそれは絶対に避けたい。

 考えてるだけ無駄だ。とりあえずあの子だけでもトラックに乗せるなりして助けないと!

 クラクションを鳴らしながら少女とゴブリンの方へ全速力だして走り出す。いまだかつて無い緊張感と高揚感を胸に。前の自分ではなれなかったヒーローになる そんな気持ちを昂らせて。すると少女とゴブリンがトラックに気がついた。少女よ、待っててくれ。必ず助ける!


「ギィヤァァアアアア!!!!」

 声をあげたのはゴブリンではなく少女の方だった。気のせいだろうか、先程の悲鳴よりもなぜか絶望感と悲壮感を感じる激しい悲鳴だ。あぁそうか、この世界にはトラックがないからデカい鉄のイノシシと勘違いしてるんだろう。ライトつけて安心させよう。

 ライトを付けた途端声にならない声をあげて少女は倒れ込んでしまった。ゴブリンも勝てない相手だということが分かったのか少女から離れていった。


・・・


「どうしよう……」

 慣れない人助けをしようと思って体が勝手に動いた結果がこれだ。少女は息をしているので死んでいるということは無いはずだが起きてくれるだろうか。

 ユズルは使えるものが無いか荷台を確認したが何も入っていない事に気がついた。トラック収納術の関係で消えてるのか それともそもそも荷台のものはこちらに持ってくることが出来なかったのか。


 ステータス画面を開いたが特に変化はない。試しにこの石を荷台に入れてみるか。

 ユズルは石を荷台に入れると、音も立てずに消えていった。しかしステータス画面に何の変化もないと思ったその時、一瞬だけトラック収納術の文字が光った。一縷の望みにかけてトラック収納術の文字を押したところ画面が変わった。


【収納術(ON)/OFF】

・爪切り

・HDMIケーブル

・ガラス製のコップ

・プリンター用インクカートリッジ(赤)

・布団

・小石


 先ほど入れた石含めて6つが収納術に入っているようだ。あれ、食品も色々入っていたはずなんだが入っていない。食品は異世界に持ってこれなかったということか。

 コップはまだ使い道ありそうだが爪切りにHDMIケーブルやインクカートリッジ・・・いや、忘れよう。使い道なんて考えるだけ無駄になってしまう。

この【収納術(ON)/OFF】というのは収納化させるかさせないかを選択できるというものだろう。

 だが布団があったことに関しては本当に運が良かった。少女を地べたに寝させるわけにもいかないので布団を取り出し少女に使った。

 少女が倒れてから体感1時間ほど。日が傾き始め、涼しい風が頬をかすめる。異世界特有の症状だったり病気もっててもう起き上がらない となったらどうしよう。

 行場のない焦りがユズルを襲うが、その焦りは杞憂に終わった。


「んんっ……んー?」


 少女が目を覚ました。怖がらせないようにゆっくり話することを心がけよう。


「こんにちは、ゴブリンに襲われてたけど大丈夫?」


「え、あ、はい……。貴方が助けてくださったのでしょうか?ありが……あ、まってください。近くにとても大きい光るイノシシがいました!ここは危険ですお逃げください!!」

 少女は顔を真っ青にしながら説明をする。そうだね、トラックの説明もしなきゃいけないね


読了いただきありがとうございます。

ーーーーーー


トラックの鍵の描写を少し変更しました。トラック収納術で生物は収納不可能という説明を入れてなかったので追加しました。


――――――


いよいよ異世界到達ですね。これからのユズルの動きが見ものです!

次の投稿は1月22日18時半投稿予定となります

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