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9 スキルボード

 俺は部屋の電気を消してベッドに向かった。

 本当にいろんなことがあったな。最後リースにとんでもなく恥ずかしい姿を見せてしまったが忘れてしまおう。

 いや、違うな。初めてベッドを使うんだ、飛び込むのが作法だってもんよ。

 なにかできることがないか探してみるか。


 (ステータスオープン)


 俺はステータスを開いた。色んなところを触っていると、みたことのない文字が浮かんでいる事に気が付く。


 『スキルボード』


 (スキルボード? こんな機能はなかったはず。なんだこれは)

 スキルボードを開くと様々なスキル選択する画面が表示され、スキルポイントが1溜まっていた。


・トラック形状変化(1Pt)

・荷物噴射(1Pt)

・異世界カーナビ実装(1Pt)

・一度に出せるトラックの数の増加(1Pt)

 etc...


 どうやってポイントを貯めるのかがわからないが適宜確認しておこう。

 スキルを見渡しているととあるスキルが俺の目に入る。


「トラック透明化(1Pt)」

『説明:指定した人物以外の他者からトラックと音が把握できなくなる。生物に対して物理的な衝突判定も消失するため群衆の中を走行可能。また、乗車している人物も外からは見えなくなる』

(これは外で使う時かならず役に立つな。取得しておこう)


 俺は透明化のスキルを手に入れた。

 明日リースに頼んでちょっと実験に付き合ってもらおう。

 透明化の状態でリースはトラックに触れることができるのか、触れることが出来ないのか。


 あとはそうだな、このポイントがどのように増えるかも今後の課題になるだろう。

 そう思いつつ眠りについた。



 ◇ ◇ ◇


 朝目を覚ますとそこは見慣れない天井が俺を迎えた。


 (そうだ、異世界に居るんだ)


 その現実を再認識し、布団から起き上がる。


「今日やるべきことは冒険者登録とトラック透明化のテストだな」


 そんな事を考えているとノック音が鳴る。


「ユズルさん、お目覚めでしょうか?」


 リースが迎えに来てくれた。その時俺はリースを見て固まる。

 全身ピンクの派手な装飾のドレス、大きい宝石を纏ったペンダント。昨日の服装とは打って変わってそこにいるのは「お嬢様」だ。

 お嬢様であることを実感していなかった訳では無いが、正装を見ると本当にリースはお嬢様なのだなと感動までする。


「あのー、ユズルさんどうかしましたか?」

「いや、すまない。服装が昨日と変わっていたから正直少し見惚れていた。綺麗だな」


 リースは照れながらも説明する。


「えっと、ありがとうございます。昨日までは普通の商人として振る舞いをする必要があったのでいつもの服とは違う服を着用していたんです」


 俺は『似合ってるぞ』と言い、照れ隠しでリースの頭をなでる。

 リースは一瞬だけ身を強張らせたが、すぐに振り払うことはしなかった。

 視線を逸らしたその横顔には、戸惑いと同時にどこか柔らいだ表情が浮かんでいる。


「そうだ、今日ちょっとだけでいいから実験に付き合ってもらえないか? 新しいスキルを手に入れたからリースにはどう見えるか教えてほしいんだ」

「わかりました、午後に少々予定がありますので、午前中であればお手伝いしますね。認識阻害の結界は使われますか?」

「いや、大丈夫。お気遣いありがとう」


 俺達は食堂へ向かった。


 ◇ ◇ ◇


 食事を終え、ユズルとリースが庭に向かう。

 ユズルはトラック透明化を発動状態にして、リースのいる方向とは逆の方向にトラックを出現させる。


「リース、今トラックだしてるんだけど見える?」


 リースは驚き戸惑う。どこを見渡しても見知った庭とユズルがそこにいるだけで、トラックは見えていない。


「えっと、どちらにトラックがあるのでしょうか……?」


 ユズルがトラックのある方へリースを案内する。恐る恐るユズルの言う方向へ歩くがトラックらしきものをリースは一切感じていない。


 「ちょっと止まって。今リースの目の前にトラックがあるんだけど、触ることはできる?」


 リースは戸惑いながらも右手を前に差し出す。しかし何も無いためあっけなく空を切ることになる。

 2~3歩前に歩いてみる。やはり何も感じない。


「あの、すみません。トラックがあるのがちょっと確認できません…」


 リースは申し訳なさそうに言う。ユズルはすぐさま訂正する。


「あ、ごめんごめん。違うんだ。リースがトラックの姿を見ることが出来なかったり、トラックをさわれたりするかという実験をしたかったんだ。ちょっと離れてて」


 リースはその場から少し離れた。ユズルは透明化を解除する。

 すると昨日見た立派なトラックが急に目の前に出てきた。出てきたトラックをリースは触ると、確かにそこには少し冷たく、逞しいボディを感じた。


「すごいスキルですね! 触れないということは、逆を言えば人混みの中をトラック操縦しても安全ということですもんね!」


 リースは興奮したように話をする。頭が切れるな、初見でそこまで気が付くのは中々にすごい。


「手伝ってくれてありがとう。リースのおかげで助かったよ」


 リースは屈託のない笑顔を見せ、満足そうにする。


「そうだ、リース。冒険者ギルドってどこにあるか教えてもらってもいいか?」

「ギルドですね、ギルドでしたら家の門をでて右にまがり、しばらくすると左に曲がる場所があるのでそちらを曲がっていただければ右手側にあります。曲がり角には葉っぱが描かれた看板の雑貨屋さんがあるので目印になるとおもいます!」


「なるほど。ちょっと冒険者ギルドと武器屋にも行ってみるよ。そのまま依頼に出たりするかもしれないから、お昼ごはんはいらないと伝えておいてほしい」

「でしたら、レイシアにユズルさんが外出されることをお伝えしておきますね。屋敷に戻られる際は玄関のベルを鳴らしていただければすぐ入れるようにしておきます! お食事の件もお伝えしておきます!」


『ありがとう』とリースに告げ、門の方へと歩き出すとリースに呼ばれた。


「あの、ユズルさん」

「ん?」

「行ってらっしゃい! お気をつけて!!」

「おう、行ってきます!」


 リースはグーにした手を前に突き出した。それに応えるようユズルも手をグーにし、リースの手に合わせた。

 異世界ライフ頑張ろう。そう心に炎を宿し、アルベルト家の門を出る。


読了いただきありがとうございます。

新しいスキルを身につけましたね。これからどのような冒険となるのか楽しみです。

所持スキルが更新されたのであらためて現在のユズルの所有スキルを載せておきます。

・言語翻訳

・アイテムバッグ

・MP無限化(車両系スキルに限る)

・トラック召喚

・トラック収納術(生物収納不可)

・魔素燃料化

・トラック移動快適術

・トラック透明化


次回投稿日は2月12日18時半になります

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