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「可愛い女の子から回復魔法をかけられたい!」と思い味方をかばいまくっていたら、過保護パーティーができた  作者: 猫野 ジム


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第23話 美少女と美女、個室にて

 ギルドの掲示板に、複数の冒険者を集めてとあるダンジョンの未踏破の階層を探索するという告知が貼られていた。


 それはここガリアーノの街のギルドで度々行われているそうで、参加者には特別報酬の他に、ランクアップの査定も大幅プラスになるらしい。


 もちろん俺とエミルとミヤは一度も参加したことがない。それならカリンカさんはどうだろう? なんでも知ってるお姉さんだからな、聞いてみるか。


「カリンカさん、参加したことありますか?」


「うん、あるよ。いろんな冒険者が参加するんだ。参加するための冒険者ランクの下限はあるけど上限は無いから、Aランクだって参加することができるんだよ」


 さすがカリンカさん、経験済みでした。


「これにはEランク以上と書かれていますね。ということは、ミヤは参加できませんね。ミヤ、残念だったな」


「ちょっと! なんでそうなるの! 本番まではまだ時間があるから、それまでに私がEランクになればいいだけの話じゃない」


「冗談だって。俺だって早くランクアップしたいんだ。エミルだってそうだよな?」


「はいっ! 私、ヒールでしかお役に立てませんけど、みんなと一緒に頑張りますっ」


 エミルが口に出したヒールという言葉に、カリンカさんとミヤがぴくりと一瞬だけ反応を示した。


「そ、それじゃあ今日は昨日とは別の場所で訓練をしようか」



 昨日はFランクモンスターが出るという森で訓練をした。そして今日はEランクモンスターが出るという、昨日とは別の森での訓練だ。


 なぜ森の中が多いのかというと、モンスターには種類別に生息地というものがあるからだ。


 ダンジョンの中でしか見かけないモンスターや、それとは逆にダンジョンの外でしか見かけないモンスターもいる。

 さらにそこから草原や森、海や山などに分けられる。


 そもそもなぜモンスターが生み出されているのか。それを解明するのも冒険者という職業の役目であり、冒険者が集めたさまざまな情報をもとに、世界中の学者達や機関が研究を行っているそうだ。


 モンスターが出る森までの馬車の定期便なんて出ていないので、目的地の近くの街で降りてから歩いて向かった。


 森の中に入った俺たちはミヤの気配察知スキルでモンスターの居場所を確認した。


 それからはまた昨日と同じように、俺とミヤが直接モンスターと戦い、カリンカさんはそれを見て改善点を教えてくれる。エミルはヒールをかけるというとても大事な役割があるため、最も安全な場所と思われるカリンカさんの近くで待機。


 森に生息するのは獣のような見た目のモンスターが多い。だけどEランクのような低ランクモンスターは知能が低いらしく、その動きは単純。タイミングさえつかむことができれば、Fランクのミヤにだって十分に倒せる。


 かれこれ30分は小刻みにモンスターを倒し続けただろうか、俺はヘトヘトになっていた。


 その30分の間、ダメージ調整のスキルを活用して、俺はエミルに何度もヒールをかけてもらい気持ち良くなるとともに、しっかりとエミルのレベルを上げるサポートをした。


 そもそもがインドア派の俺だから、体力というものがなかった。だって転生したきっかけだって、そもそもは徹夜でゲームするためコンビニまでジュースを買いに行ったからだし。


 一方のミヤはというと、肩で息をしているのが丸わかりだった。


「ミヤ、ケガはないか……?」


「はぁ、はぁ……、えっ? 何かっ、言った……?」


「ケガはないか?」


「あっ、ケガね……! それならっ……大丈夫だから……。それよりもっ、リクトだってツラそうじゃない……!」


「俺のはただの疲労だから気にするな。それよりも、もしケガしてるならエミルにヒールをかけてもらえよ?」


「エミルのヒール! あれはダメっ……!」


 ミヤはそう(つぶや)くと、まるで何かが吹っ切れたかのように元気を取り戻した。

 まさかエミルヒールは言葉だけでも効果があるとでもいうのか?


 そんなことをしていると、新たにモンスターの姿が見えてきた。どうやらゴブリンみたいだな。


「なんだゴブリンか。警戒して損したな」


 俺がそう口に出すと、後ろからカリンカさんの「それはホブゴブリンだ!」という声が聞こえてきた。ゴブリンの上位種でEランクモンスター。だけどEランクの中では最強クラス。


「リクト! ミヤ! 二人で協力すれば必ず勝てる! うまく連携して二人で攻撃するんだ!」


 ここに来た目的はレベルアップだ。だからこれは俺とミヤで成し遂げないといけないこと。自分達で考え自分達で倒す。


「ミヤ! こいつの攻撃は全て俺が受ける! だからミヤは攻撃だけに集中してくれ!」


「えっ……? 攻撃を全てって、それじゃリクトだけが危険じゃないの!」


「俺はな、こう見えても防御には自信があるんだ。だからミヤには指一本触れさせない!」


 まさかこんなセリフを一度でも言う機会があろうとは。アニメを見て一度言ってみたいと思ってたんだ。


 そして俺はホブゴブリンの注意を引くため、常に正面にいるようにした。ミヤに攻撃が及びそうになると、言葉が理解できるかは別として、挑発してとにかく俺だけに攻撃の矛先が向くように立ち回った。


 ダメージ調整のスキルは『軽傷』に設定してある。できる限りはノーダメージでいられるような立ち回りをするつもりだが、せっかくだからどこかのタイミングでワザと攻撃を食らおうと思う。


(戦闘中にこんなこと考える奴、ヤバいよな。俺のことだけど)


 攻撃を捨てて防御だけに専念すれば、意外と攻撃を食らうことは無く、俺は予定通りワザと攻撃を食らい、エミルにヒールをかけてもらったのだった。

 もちろんそれが終わるまで、ソワソワした様子の二人に見守られたままだった。



 訓練が終わって帰った後は風呂に入り、ミヤが作った美味い料理を腹いっぱい食べ、美少女達と談笑してから広々とした個室で寝るという、夢のような時間を過ごした。



【その日の夜、それぞれの個室にて】


SIDE カリンカ


 もうすぐ合同探索の本番か。私もAランクに恥じない働きをしなければ。


 それにしてもリクト、無茶をしすぎではないだろうか……? 確かにリクトとミヤの二人だけで戦うよう言ったのは私だけど、まさか攻撃を全部受けようとするとは……。


 今度からは無茶をする前に私が止めないといけないのかもしれないね。



SIDE エミル


 今日も楽しい一日だった! ……あっ、いけない。みんなは一生懸命戦ったのに楽しいとか言ったらダメだよね。


 それにしてもリクトさん、大丈夫かな? 見ていて心配になるよ……! 私、ヒールしか取り柄が無いからみんなに迷惑かけてばかり。


 もっと頑張らなくちゃ!



SIDE ミヤ


 もう! なんなのなんなの!? リクトってば、あんなにカッコよかったっけ?


 どうしようー! 冒険者になる前からいつも妄想してたシチュエーションだったよ! 


 でもあんなに無茶して、リクト大丈夫かな? 今度からは止めたほうがいいのかな?

 でもでも! いつか取り返しがつかないことになるかもしれないよね!


 うーん、もしそうなりそうなら、どうやって阻止すればいいのかなぁ?

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