表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

たまご論争

作者: 高橋ひかり

「タマゴサンドは、ゆで卵を潰したやつだろ!」

「いいや、玉子焼きを挟んだやつでしょ!」


 目の前で、クラスメイトの宮野と羽間さんがタマゴサンドのことで揉めている。

 なんで揉めているのか、それは、昼休みに僕が購買でハムサンドとタマゴサンドを買ってきたことに端を発する。


 ハムサンドを食べ終え、メインディッシュのタマゴサンドを食べようと手を伸ばしたとき、左隣の席の宮野が声をかけてきた。


 宮野もタマゴサンドが好きらしく、1ヶ月タマゴサンドでも良いと豪語している。


「やっぱり購買のタマゴサンドは旨いよな、あの大きめに崩したゆで卵の感じがーー」

「は? なに言ってるの? そんなのはタマゴサンドじゃないわよ」

「あっ?」


 右隣に座っている羽間さんが、宮野に対して反論してきた。


「やっぱりタマゴサンドは、甘めに作った玉子焼きを挟んだものが一番に決まってるわよ。家では、このタマゴサンドが定番よ」

「そんなのはタマゴサンドじゃねえよ!」

「なんですって!?」


 とまあ、こんな感じで揉め始めた。正直、美味しければどちらでもいいんだけど、面倒臭いことになりそうだから、グッと呑み込む。


「なにつまらないことで、揉めてるのよ」


 委員長の外山さんが仲裁に入ってきた。


「そもそもタマゴサンドといえば、ウズラの卵のゆで卵をロールパンに挟んだものでしょ」


 おっと、ここにきて第三勢力が現れただけだった。


「「それはないな(ね)」」

 揉めていた宮野と羽間さんが口を揃えて否定する。

「ちょっ! なによ! 私の家のタマゴサンドを馬鹿にしないでよ!」


 余計に話がややこしくなってきた……。静かにお昼ご飯を食べさせてくれ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ