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ツクモダン  作者: SF42
後編
18/18

寝過ごし

【ツクモダン】



コンコンコン…


「はーい。」



ガラガラ…



病室の扉…ではなく、窓が開く。



「咲卦穂ちゃん。」



現れたのは三条だ。



「…死んでなかったんだ。」



「うん。ARは死んじゃったけど…」



「何の用?」



「謝りたくて。」


「今更遅い。」


「わかってるけど。」


「けどじゃない。」


「だって…」

「だってじゃない。帰って。」

「帰れない!言いたいことも沢山。」

「聞きたくない。」



「ごめんなさい。本当に…」













「ツクモヅクリ、および緋色の計画を阻止した功績は認める。だが、ツクモであった事実を隠していたことは重罪だ。」


羽鳥が言う。

咲卦穂はもう、退院して、羽鳥の元を訪れたのだ。


「はい。どんな処分でも受けるつもりです。」


「うむ。三需村での奉仕活動を命ずる。」


三需村。

多くの人口がありながら、災害などでライフラインが止まってしまっている。


「村の立て直しを手伝うんですね。」


「そういうことだ。学習面に関しては、

その付近の学校に話はつけてある。君の祖母にももう既に伝えてある。」


「わかりました。」


「無茶なのはわかっているが、

今夜の夜行バスで出発してくれ。」


これは咲卦穂のためでもある。

咲卦穂が柏樹地域でのこの大騒動に関わっていると世に知れると咲卦穂への誹謗中傷などは避けられない。

つまりは、この奉仕活動は亡命も兼ねているということだ。


「はい。」






本当にあっさりと終わった。


もちろん、戦いは辛かったし、疲れたが、

その後の…因縁やらなんやらがすぐに終わったように咲卦穂は感じた。


夢が覚めた時みたいに。






咲卦穂は夜行バスが出るバスターミナルを歩く。


先の戦いで家が壊された人々が多くいて、

いつもよりも混んでいた。


咲卦穂は人を掻き分けながら進んでいく。


途中、男にぶつかってしまったが、怒られることもなかったため、咲卦穂は安心した。




バスに乗ろうとした時、

後ろから声をかけられた。


「天野!」


梶田だ。


「…見送りくらいしないとな。」


青柳と虎城もやってきた。



「お世話になりました。」


咲卦穂は頭を下げる。


「…ごめんな。俺が青柳先輩に天野がツクモだってことを報告しちゃったから…」


「ううん。逆の立場でも私はそうしただろうし、怒ってないし恨んでもない。」


「…向こうでも元気でやれよ。」


「元々そんなに元気キャラじゃないよ。」


「また、時間あったら寿司でも食べ行こうな。」


「うん。」


咲卦穂はカバンから封筒を取りだす。


「これ、6万。返しとくわ。」


「え?あれは天野にあげたよ…?」



「まもなく出発致します。ご乗車ください。」


運転手が咲卦穂に言う。


「はい。…じゃあね、梶田。」












バスの中で咲卦穂はカバンの中から

暇つぶしの本を取り出そうとする。


その時、覚えのない紙がカバンに入っていることに気がついた。


“マダオワリジャナイ ヒロ”


紙にはこう書かれていた。


あっちでも安心はできなそうだ。


それにしてもいつこんな紙…

ぶつかった男に違いない。


男はそう…よく思い返せばゴーグルの男にそっくりであった。



「おい。アマノサカホ。」


隣の席の男が話しかけてきた。


「誰です…え?」


銃のツクモに襲われた際に咲卦穂を助けてくれた手錠のツクモだった。


「俺はラウの命令で来た。」


ラウは六法全書のツクモだ。


「何の用ですか?」


「ツクモが急に消える現象が起きてる。

お前の部下の釘たち、消された。」


「え?」


アカたちは自分から消えたように見えた。

咲卦穂の目がおかしかったのか、耳がおかしかったのか。

それとも、アカが咲卦穂を不安にさせないための嘘を述べたのか。


「手伝ってくれ。アマノサカホ。

俺たちいつ消えてもおかしくない。」


咲卦穂はアカたちが消えた理由を知りたくなった。

原因を突き止めなければ気が済まない。


「手伝う…でも、奉仕活動抜け出せるか…」


「原因、恐らく三需村にある。

三需村が受けた災いは偶然じゃない。」


「…つまり、私がそれを突き止めろということ?」


「そう。」




「わかった。助けてくれたから…

頼みは断れない。」


咲卦穂は新たな一歩を踏み出した。


戦闘シーンを書くのは得意ではないので、最終戦は

あっさりと終わってしまいました…


これで完結するわけですが、今まで読んでくださりありがとうございました。


消化不良気味な展開ではありますが、自分なりに解釈していただけると幸いです。

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