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プロローグ

閃光が走る。




大きく翻し、とうとう最終局面へと進撃した勇者たちを迎え撃つは、玉座にそびえる巨躯。




仰々しい相貌は女子供が卒倒するほどの威圧感。




この場にいる者、彼らすべてが魔王の恐ろしさをここにきて真に味わっている。




「ふはははははははははは!よくぞここまで辿り着いた勇者たちよ。ならば最後の戦いを始めようではないか」


 


高らかに宣言し、溢れんばかりの魔力をその身に纏う魔王。


 そのあまりの強大さに眼前に見える勇者パーティーもにじり汗を流し、唾を飲む。




 「…………今度こそ、貴様との決着をつけるぞ。魔王」




 勇者の眼光が玉座の主を睨み付ける。


 女だ。


 一般的に勇者と言えば男の英雄であるイメージがあるがその姿はあまりに可憐な少女のもの。


 たなびく金色の長髪に、透明なガラス細工のような双眸。


 すらりとした体格からは想像もできないほどの力量が彼女の内に秘められてることなど彼女が勇者であることを知らぬ者にとっては信じられるものではないだろう。


 


思えばここでの邂逅も初めての事ではないのだ。




 勇者と魔王。


 このふたつは古来より切っても切れない関係にある。


 この世に生として生まれた時から人間の勇者と魔族の長である魔王には定められているのだ。




 魔王は魔族の発展と侵略。


 勇者はその侵攻を食い止め、魔王を打ち滅ぼす。


 互いが互いの目的のために仲間を引き連れ、戦い合う。


 長きにわたる因縁はもはや世界の理となり、だれもがその因果に逆らうことはなく、疑いをもつことはない。




 …………だが、その当事者を除いて。




 「行くぞ、魔王」


 「来い、人類の英雄よ!」




 勇者がその手に携えられた剣を構え、魔王が魔法の詠唱を始める。


 聖なる輝きを放つのは、聖剣。


 勇者にのみ使用を許された唯一無二の一振り。


 その権能は大地を切り裂き、悪性を解き放つ天の裁き。


 対となるようにその強大な魔力を溜め、繰り出すは魔王の魔法。


 魔王にのみ使うことを許された滅びの一撃。


 瞬く間に大地を焦土と化すそれは、人々に恐怖を植え付けるものであった。


人と魔族。


その二つに分かれた世界はいつの時代も合わさることはない。いつしか潰えた関りはへだたりとなって、解消されることはない。


 けれど、この錯綜した戦場の中、二人の意識だけが徐々に―――――徐々に理から外れつつあった。


 


これは、二人が互いの運命に抗いながらも、次なる世界を創り上げていくまでの物語。

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