先生がやって来た!(ガクブル)
廊下を通り、自分の部屋のドアを開ける。
「ガチャ」
待って、なんか居る。どっかり座ってる。
まさか、家庭教師?
そうだとしたら、うちの父、仕事早くね?
あと、こいつ、私と歳が4つくらいしか変わらんのですが…。
ひとまず、声を掛けてみることにした。
「あのー、すみません。ココ、私の部屋なんですけど……」
「………」
返事が無い。
返事くらいしろや。
私の部屋に嫌な風が流れているのを感じ取ったのか、
シュリーが慌ててやって来た。
「お嬢、この方は、家庭教師の方です。お父様が早速手配されておりました。」
ふむふむ、成程。
「わかった!ソフィね、頑張るもん!先生、よろしくお願いしましゅ!」
「……分かった。」
おお、しゃべった。
いや、 しゃべった って、結構失礼か。
まあいいや。
「早速教えて頂けるのでしゅか?」
「……はあ、しょうがない。やってやるよ。」
はぁ?お宅、頭と礼儀のご教育、大丈夫ですかぁー?
ああ、そういえば、大丈夫だからやってんだった。
あと、シュリー、空気を読んでるんなら、
壁の花になってんじゃなくて、手助けしろよ。
おまえは令嬢か。ああ、令嬢だったわ。
ーシュリーは底辺貴族であるー
シュリーをじっと見ると、目を逸らされ、
挙げ句に部屋を出て行かれた。
最悪だぁー!
「おまえさ、絶対3歳じゃねえだろ。」
ギクッ⁈
何故バレた。
声には出さない。
「なんででしゅか?」
「おまえさ、さっき部屋来た時は、流暢にしゃべってたじゃねえかよ。」
うっ。
「じゃあやるぞ」
なんだったんだよ、いまの微妙な時間は。
▽▽▽
待って、勉強ってこんな辛かったっけ?
特に歴史。
国語は微妙。
理、数は、出来たけど、楽しくなかった。
「おまえ、化学と科学と数学、意外と良いんじゃないか。
明日も基礎にしようかと思ってたが、理、数は
魔法学にしようか。」
おっ! 何それ!
楽しそうな感じだったから、コクコクうなずいといた。
先生が出て行ったあと、シュリーに、おやつを出してもらった。
今日のおやつは、マカロンだ。
もぐもぐ…………
うんめぇや!
超美味い。
シェリーの紅茶……ではなく、美味しい紅茶を飲んで、
寝る支度を始めた。
今は夜6時。
お風呂に入って、スッキリした!
ご飯は、自分の部屋で摂ることになっているから、
父と母とは夕食一緒に取れなかった。
▽▽▽
ゴクリ
唾を飲む。
小さい頃(前世)からやってみたかったことがある。
まえ(前世)は庶民的な生活を送っていたから、憧れでしかなかった。
ぼふっ!
ああー、たのしーい!
ベッドに飛び込むのって、ベッドが、大きければ大きい程
楽しんだよねー!
布団に入って、目を閉じる。
今日、転生して来たけど、全然支障をきたしてなかったなー。
私の前世、全然思い出せない……。
なんでだろ……………。
そこで私の記憶は途絶えた。




