図書館で発見!
どもどもー。
ソフィーレです!
今回は、(父様の権力を使って)王宮の図書館に来てみましたっ!
楽しみですねー!
で、なんでこの図書館に来たかというと、母様の正体が知りたいからです!
いや、別にやましい意味じゃなくて、母様について詳しく知りたいだけなんだよー。
母様は謎が多過ぎる。
なので、一人一人の戸籍を見れる厳重保管本棚に行きたいのですよ!
この図書館は広い。それはもう一歩でも歩いたら迷子になってしまうくらいに。
でも構わず探していると………
ガタンッ
へっ?
私の他に誰かいる……だとっ?
基本的に普通の貴族でもこの図書館は入れない。
だから、今、音を鳴らした人は、私と同じくらい地位が高いか、それよりも高いかだろう。
一度考えると、絶対に実行したくなるのが私だ!音の鳴った所へ行ってみよう!
タッタッタッタッタ……
あれ……ここ、戸籍が分かる本棚だ!
そうだ!母様だけで無く、主人公の戸籍も詳しく見てみよう!
主人公の戸籍、あるかな……。
名前は確か、クランク・ルシェア
えっと、頭文字はL・K
どこだ…?
Lが名前でKが苗字の人を一人ずつ見ていく。
ルシェア・クランク、ルシェア・クランク…。
主人公の名前を右に右につたって探していると…………
「いたっ!」
右肩が何かにぶつかった。
凄く痛い。そういえば最近、痛みなど感じていなかったな…。
とりあえず謝ろうと思い、右を見ると、
はいはい、いました!
アレン様ー!
そんな頬を膨らまして…。どうしたのですかぁ?
うん、ホントはわかってる。
なんでお前がここにいるんだ。と言う顔だよねー。
こっちが聞きたいわっ!
ひとまず、挨拶。
「お久しぶりでございます。アレン殿下。こんな所で偶然ですわね……。
何か探し物でも………?」
ハッ!まさか、ヒロインの名を…!
だとしたら、こんな都合のいいことはない!
「お探し物なら、お手伝い致しましょうか?」
優しく問いかける。
「その必要はないよ」
明らかに不機嫌そうな声で殿下が言葉を返す。
そのあと、殿下はすぐ去ってしまわれた。
おっけー!それでは、ルシェアの戸籍を……って、あるじゃん!
本棚の1番奥に入っていた。
本を取り出し、すぐに読む。
-----------------------ルシェア・クランク-------------------------------
現在3歳
暁の雄牛月に生まれ、華々時代を支える平民の一人。
1歳の時に母親のサディに不貞疑惑がかかっている。
2歳で、母親が浮気したのではなく、父親が浮気したと分かった。
そのあと、母サディは離婚し、クランク子爵と再婚している。
現在、ルシェアは父と離れ、母と子爵で暮らしている。
母サディはルシェアに父のことを一生思い出してほしくないと願っており、ルシェアが平民なのは秘密事項である。
▽▽▽
いくら母親が再婚したとて、平民の連れ子は平民なのだ。
母親は子爵夫人。つまり子爵の位がある。
しかし、母親はあくまで子爵の夫人。
二番手の夫人の子供は平民なのだ。
平民は下級貴族までとしか結婚できない。
まだルシェアが貴族ならよかったものを…。
ルシェアの母が子爵の子を産んだ時、ルシェアは完全に地位をなくすだろう。
夫人と平民が産んだ子ではなく、夫人と子爵が産んだ子なのだから、たとえルシェアの妹や弟でも、位はルシェアより高い。
ルシェアは、それすらも知らない。
▽▽▽
凄いわー。悲しいわー。
てか、アレン殿下ってそんなに体を張って主人公と結婚しようとしてたんだー。
呆れしか来ない。
てか、ルシェアって、私よりも生まれが早いじゃん。
暁=早め。
雄牛=5月。
終わった……。
ちなみに私は「昼時の中」だよん!
つまり、7月。
ちぇっ。少し年上マウント取れないじゃん。
まぁいいか。結構情報集められたし。
戸籍の本を戻して、母様のを探す。
右に右に………
「いたいっ!!」
あれ…既視感…………。