消える鳥
う〜ん、もう朝?なんかあんまり眠れた気がしないなぁ〜
「おはようございます徳郁くん」
私はそう言い徳郁くんが寝ていた方を見ると徳郁くんはいなかった、もう出かけたんだろうか?私はそんな事を考えながら置き手紙を探す
「あれ?いつもなら置き手紙を必ず残してから出掛けるのに」
ま、まさか襲撃が?でも襲撃があるなら流石に私が気付かないわけないし、まあ待っていれば帰ってくるだろう、ならその間部屋の片付けをしてご飯の準備でもしておこう、流石にお昼には帰ってくるはず
徳郁くんはその日一度も帰ってこなかった、流石におかしいと思い私は宿の受付に聞きに行った
「あの、すいません206号室の者なんですけど同部屋の徳郁さんが出て行くところを見ませんでしたか?」
徳郁くんはこの街の人達のなかでは凄く有名なので殆どの人が顔を知っている幹部を2人も倒したとなれば有名になるのにそう時間はかからなかった
「すいませんこの宿にはひまり様お1人で泊まられているはずですが?」
「え?」
あまりに想定外の返答に私は固まってしまった、1人?私が?ありえない何かの間違えだろうともう一度受付の人に聞いてみたけど答えは変わらなかった
次の日私はB教会に行きBLACK様を見つけるとすぐに徳郁くんの事を聞いてみた
「お忙しい所すいません!あ、あの、徳郁くんを知っていますよね?FIREBIRDの徳郁くんです」
私が尋ねるとBLACK様は少し不思議そうな顔して
「落ち着きなさい貴方がそんなに焦るなんて珍しい、その徳郁くんという人はどんな人なんだい?探したいなら力になるよ」
そ、そんな誰も、誰も徳郁くんの事を覚えていなかった、私は今の状況をBLACK様に伝え相談にのってもらった
「う〜ん考えうる中で1番可能性として高いのはR教幹部でしょうな」
「か、幹部ですか?その、いったいどんな幹部が?」
「名はBreak your desire、貴方の欲望を壊すという意味だ」
「欲望を壊す?」
「そう、〔彼女〕は幹部のなかで唯一実体を持たない精霊なんだ、貴方の欲望を利用されたということでしょう」
「そ、そんなつまり私のせいで徳郁くんは、どうしよう」
「まあまあ落ち着きなさい、助ける方法はあります」
「本当ですか!?」
そして私は宿に戻りベッドの中に入る、BLACK様が言うには徳郁くんがいた場所で欲望の内容を思い出し精神世界に入る事だった。
「わたしの、欲望、」
私の欲望……それは、徳郁くんとずっと一緒にいたい、徳郁くんと離れたくない徳郁くんの為に生きたい、それだけ
すると体がふわりと軽くなるのを感じた、眠った訳では無いそれとは別の感覚、私は眼をあけるとそこは何も無い真っ白な空間だった
「これが……精神世界?」
「その通りよひまりちゃん」
背後から声が聞こえてくる私は驚き声のした方を見る
するとそこには白い球体が浮いていた
「あ、あなたは一体?」
「この姿だと分かりにくいわね、私はあなた貴方は私よ」
そう言うとその球体は白く光ながら姿を変えていく、するとその球体は私と全く同じ姿になった
「あ、あなたは私なんかじゃない!徳郁くんをどこにつれていったの?」
私はそう叫びながら掴みかかろうとしたその時
「おーいひまり〜」
「え?徳郁……くん?」
そこには徳郁くんがいた